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『奇蹟』シスカンパニー公演

3/23@世田谷パブリックシアター14:00
イープラスさんの観劇モニターに応募して世田谷パブリックシアターへ『奇蹟』を観劇してまいりました。

イントロダクション

北村想 新作 / 演出:寺十吾
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井上芳雄鈴木浩介井上小百合
岩男海史瀧内公美大谷亮介

どこからか届いた謎の依頼に、深い森へと出向いた探偵
彼を待っていたのは、現実なのか幻なのか?
出口が見えない”迷いの森“で、名探偵の記憶は何処に消えたのか…

劇作家・北村想の新作が寺十吾の演出で、久々にシス・カンパニー公演に登場!
北村想ならではの大胆な発想と心地よく響く軽妙な語り口で、 記憶を失くした名探偵(井上芳雄)とその相棒(鈴木浩介)の新たなバディ・ストーリーが誕生した!
過去から現在へと連なる謎が眠る森で、 -井上小百合、岩男海史、瀧内公美、大谷亮介-それぞれの謎が二人を待ち受ける…。
(シスカンパニー公式より)


いやー、わたくし初めて生の井上芳雄さんを観て参りました。細身で声高めなのは、テレビで観たままなのですが、まわりの役者さんを引き立てる特殊な能力をお持ちな主演な方なのです。

ストーリーはざっくり言うと探偵物。井上芳雄さんがシャーロック・ホームズに、鈴木浩介さんがワトソンの役割です。

実はわたくし探偵物が苦手で、長編の探偵小説になると読まないたちで…。なのでおののきながら鑑賞したのですが

推理のいらない舞台芸術」でした。

印象に残ったのは、舞台美術。モノクロトーンな背景は時に劇画チックに吹き出しがあり、やがて捜索のために深い森へ進むにつれてピカソの『ゲルニカ』よろしく阿鼻叫喚の体を要するのです。(これはすごい誉めてます)

井上芳雄さんは、得意の歌で推理を煙に巻くという技=美声を発揮されています。

いや、これは一回観ただけでは、話の内容が頭に入ってこない脚本なんです。プログラムで演出家の寺十吾さんも「わからないことにときめく」と話されています。

出演者の方々も脚本の意味がわからないまま、幕をあけたようなのです。

でも、宗教的な問題、人間の未知の能力、いつの世にもある理不尽さを訴えかけられてるようで、機会があれば再び観劇してみたいと思う作品です。

「わからないこと」に苦しむのではなく、「わからないから」楽しむ。そんなことを楽しもうよと説かれているようでもあります。

また、鈴木浩介さんと井上芳雄さんとは高校の先輩後輩になるそうで、プログラムの対談で共演が「奇蹟」だと語っておられます。

まさに奇跡なチケット当選

わたしにとってこの「奇蹟」の観劇こそ「奇跡」でした。表題に「ミラクル・ワンウェイ・チケット」と記載があるように、きっとこの作品自体が観客に与えられた「ギフト」なのではと思いました。

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