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ツイステ考察してみた 横道~カリムという王~



カリムの4章での心の動きについて話したくなった。




4章は、ジャミルの話が主になることもあって、カリムが悪者、とか傲慢という意見が散見される。

私もカリムは傲慢だと思えるし、うーんと思うこともある。いくつか考えてみようと思う。



読む前の前提条件

ツイステに関するあらゆるネタバレ注意(今回は4章、5章、カリムに関するストーリー、付随してリーチ兄弟に関するストーリー)


個人のキャラ解釈を多分に含みます。

途中で出てくるものはすべて独学です。


いつもよりあっさりした、かつ散文的な考察になります。


カリムはジャミルを信じる


カリムがあそこまで盲目的にジャミルを信じていたのはなぜだろう。

お前だけは裏切らない。

それは、彼が毒や刺客として裏切られることが多かったから、だろう。(カリムR制服パソスト、4章、5章、カリムSSR寮服パソスト)

ジャミルは勘違いしているようだが、カリムは恐らくただ、能天気なのではない。

能天気に明るく育つしか、なかったのだ。人から向けられる悪意に愚鈍になることで正常でいようとしているのだ。


なにを言っているのだ。と、カリムは元々ああいう性格だった。と、言われるかもしれない。


でも、カリムは、食事に関しては確実に、疑心暗鬼になっていた時期があるのだ。5章では、そこで「王様になったコソドロ」の話に憧れたというが、果たして本当にそうだろうか。


「俺は別にカリムの料理番というわけじゃないし料理が好きなわけでもない。成り行きだよ、成り行き」(ジャミルSSR寮服ボイス)


ジャミルに食事を確保してもらってから、安全になり、その考えに至った。と考えるのがわかりやすい。依存せざるを得なかった。というべきか。


依存状態になっていることにカリムも気づいているのか、ジャミルR制服パソスト、スケアリーモンスターズのパーティーでは、「ジャミル以外の飯が食べられる!」とはしゃいでいた。


マズローの欲求五段階説

ここまで、そして、ここからの話をするために、いったんマズローの欲求五段階説について説明する。



心理学辞典(1999)によると、マズローの欲求5段階仮説(自己実理論)は以下のように定義されています。

人間の動機ないし欲求に力点置いた人格理論であり
①生理的欲求 ②安全欲求 ③所属と愛情欲求 ④自尊欲求 ⑤自己実現欲求
という五つの欲求を階層的に捉えているが特徴である。自己実現欲求はその最高段階に位置づけられ、これは、より低次の欲求が満たされて初めてその人にもたらされるものと考えられている。

つまり、人間の欲求は5つのステップで構成されており、欲求が満たされると、より次の階層の欲求が表れるとされるという理論になります。

引用元


マズローの欲求五段階説

生理的欲求 (Physiological needs)
生命を維持するための本能的な欲求で、食事・睡眠・排泄など。極端なまでに生活のあらゆるものを失った人間は、生理的欲求が他のどの欲求よりも最も主要な動機付けとなる。一般的な動物がこのレベルを超えることはほとんどない。しかし、人間にとってこの欲求しか見られないほどの状況は一般的ではないため、通常の健康な人間は即座に次のレベルである安全の欲求が出現する。性的欲求もこの段階に含まれるが、交際相手・配偶者の存在は「社会欲求」・相手から愛されるのは「承認の欲求」に含まれる。女性にとっては高所得・資産家男性と結婚することは、お金の力によって「安全の欲求」が満たされるし、それによる優雅な生活・良い教育(優秀な子供)は「承認の欲求」も満たしてくれる。

安全の欲求 (Safety needs)
安全性、経済的安定性、良い健康状態の維持、良い暮らしの水準、事故の防止、保障の強固さなど、予測可能で秩序だった状態を得ようとする欲求。病気や不慮の事故などに対するセーフティ・ネットなども、これを満たす要因に含まれる。
この欲求が単純な形ではっきり見られるのは、脅威や危険に対する反応をまったく抑制しない幼児である。一般的に健康な大人はこの反応を抑制することを教えられている上に、文化的で幸運な者はこの欲求に関して満足を得ている場合が多いので、真の意味で一般的な大人がこの安全欲求を実際の動機付けとして行動するということはあまりない。

社会的欲求と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
生理的欲求と安全欲求が十分に満たされると、この欲求が現れる。
自分が社会に必要とされている、果たせる社会的役割があるという感覚。情緒的な人間関係についてや、他者に受け入れられている、どこかに所属しているという感覚。愛を求め、今や孤独・追放・拒否・無縁状態であることの痛恨をひどく感じるようになる。
不適応や重度の病理、孤独感や社会的不安、鬱状態になる原因の最たるものである。

承認(尊重)の欲求 (Esteem)
自分が集団から価値ある存在と認められ、尊重されることを求める欲求。尊重のレベルには二つある。低いレベルの尊重欲求は、他者からの尊敬、地位への渇望、名声、利権、注目などを得ることによって満たすことができる。マズローは、この低い尊重のレベルにとどまり続けることは危険だとしている。高いレベルの尊重欲求は、自己尊重感、技術や能力の習得、自己信頼感、自立性などを得ることで満たされ、他人からの評価よりも、自分自身の評価が重視される。この欲求が妨害されると、劣等感や無力感などの感情が生じる。

自己実現の欲求 (Self-actualization)
以上4つの欲求がすべて満たされたとしても、人は自分に適していることをしていない限り、すぐに新しい不満が生じて落ち着かなくなってくる。自分の持つ能力や可能性を最大限発揮し、具現化して自分がなりえるものにならなければならないという欲求。すべての行動の動機が、この欲求に帰結されるようになる。芸能界などを目指してアルバイト生活をする若者は、「社会要求」「承認の欲求」を飛び越えて自己実現を目指している。

引用元:Wikipedia



何が言いたいのか?

この考えでは、稀に、飛び越えることがある。

カリムの場合、生存の欲求は、クリアしている。

本人は「オレは生きてなきゃ」と言っているが、生きようともしている。だから、毒の鑑定を特技として身に着ける。


いや、せめていうなら、生存欲求を、ジャミルに、満たしてもらっている状態になる。


次に、安全欲求。学園に来てからはある程度満たされているとは思うが、

カリムの安全欲求は幼児のままで止まっている。ともいえる。これもまたジャミルに満たしてもらっているのだ。


そして、社会的欲求と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)、承認(尊重)の欲求 (Esteem)は立場ゆえに無条件に満たされている。



……じゃあ、その状態で、実はジャミルが自分に敵意を向けていた。なんて気づくのだろうか。


カリムは4章前はたびたびジャミルのことを「兄弟みたいなもの」として見る。年齢も考えると、ジャミルの方が自我が芽生えるのは早かったはずだ。


そんな中、兄のような人から突然裏切られた。絶望は計り知れないだろう。


ただ、カリムは「ジャミルの言葉を聞いていなかった」。

感受性豊かと思われるカリムなので、ちゃんと聞いていれば、なんとかなった…のかもしれない。ジャミルが隠すのがうまかったというのもあるからなんともいえない。



ただ、ジャミルも傲慢ではある。……カリムは伝え方を変えれば、わかる子だった。5章からの成長ぶりを見るとそれは顕著だろう。本音を一切伝えずに、隠して。

挙句の果てには「気づけ、鈍感野郎」と、それは傲慢だろ。と本編初見時には思ってしまった。


ただでさえ他人からの悪意を愚鈍にしているとはいえ、ジャミルとカリムは、どんなに距離が近くても他人なのだ。他人は自分の心に気づけない。結局、姫のように誰かの助けを待っているだけじゃダメなのだ。


2章と4章の矛盾??は、個人的に矛盾とは思っていない


「ジャミルの言葉を聞いていない」で、思い出したが、「よく2章のカリムとジャミルのシーン4章のカリムとジェイドのシーンは矛盾している。」と言われるが、私はそうは思わない。

ジャミルと、ジェイドでは暗示の程度に差があるから、である。


アズールたちもそれがわかっているのかどうか。



ジャミルとジェイドの洗脳(尋問)魔法は、深層心理にもぐって話す。催眠でよくいう「トランス状態」に持ち込むのだ。


だから、ジェイドは最初に「貴方はこの質問に真実で答えなければなりません」と暗示をかけておくし、ジャミルも「命令だ」「ご主人様」と刷り込みをする。


催眠術をかじった身から考えると、

カリムが「被暗示性が高い人」

であることは否定しない。

他人に対してフレンドリーだったり、話を聞くタイプ、他人や集団の影響を受けやすい、雰囲気やペースに飲み込まれやすいタイプは被暗示性が高いのだ。


ただ、被暗示性が高い。催眠状態と言っても少し違いは出る。

催眠術がフィクションに用いられるとき、必ずかかるので勘違いするかもしれないが、被術者が「嫌だ」と思えば、どんなに強力なものでもかからなくなる。


ジェイドのユニーク魔法の説明でも同類の説明があった。


「約束」

これがカリムの中でのトリガーワードだ。(カリムSR実験着パソスト、カリムSRマスターシェフパソスト)

先ほど言ったとおり、生存や安全をジャミルに担ってもらっているため、カリムは「ジャミルとの約束」を大切にする。


トランス状態で、深層心理に直接問いかけたため、カリムの中のストッパーが作動したのだ。



2章はなんだったのか?と言われるかもしれないが、あくまで「深層心理に刻まれている」だけなのだ。普段の表層心理に出てくることはない。


「たぶん質問形式だとダメだった……」とかも話したいが、語彙力が乏しくてこれ以上言えないのが、辛い。


カリムとリーチ兄弟

話を戻そう。


安全欲求だのなんだのと言っているが、結局何が言いたいのか、という話をする。


カリムとリーチ兄弟(特にフロイド)。このふたつはところどころ似ていることが作中で伺える。

カリムとフロイドは音楽だったり、陽気な性格が似ていたり。フロイドSR式典服パソストでもかなり共通点が見出されていた。

カリムくんとフロイド……というかリーチ兄弟って実は「育った環境」のせいで「価値観」というか「何を大事に生きるか」がちょっと似通っている。

フロイドSSR寮服


リーチ兄弟はバースデーで親の職業がほぼほぼ明かされた(濁されているが)形になり、その家のお坊ちゃんということがわかった。
(フロイドの言っている格式高い立食式パーティーやジェイドの言っている誕生日パーティーなどから推測できる。)


そして、北の深海は「死」と直結していることがリーチ兄弟のカードのいろいろな話(ボイス)からわかりますよね?(リーチ兄弟が他にいたこと、ハロウィーンの互いのパソストがいい例)


そのため、リーチ兄弟は「楽しい」を人生の指標にしていると思われる。「いつ死ぬかわからないから楽しんじゃえ!」という感じ。

そして、カリムくんもまた、熱砂の国の歴史に名を連ね、政治にもかかわるような大商家「アジーム家」の嫡男。


そして、カリムくんの人生は常に「死」や「危険」と隣り合わせであることは、4章、5章やカードのいろいろな話(ボイス)、今回の記事でわかります。



そのため、カリムもまた「楽しい」を指標にしている節があります。



違うのは「誰」にとっての「楽しい」を重要視するか。それだけです。



星イベでは、カリムくんとジェイド先輩が「意味合いは違えど、似たような願い」を口にした。違うのは「誰のために」するのかということ。

ジェイドSSR寮服

その願いが、他人から見れば「傲慢」「強欲」とされても、願い続ける。叶え続ける。


セーフティーが外れているというかなんというか。




……カリムくんってとっくに狂ってしまっていて、4章でジャミルという命綱を一回切られたことで、「カリム」として自立し始めたのかもしれませんね。


……ハッピースカラビア!!(やけくそ)

カリムSSR寮服


次回予告(予定は未定)

6章によってパソストの矛盾がひとつ解除された???

ということについてです。以前の自分の考察とは別なので、意見が変わっていることをご了承ください。

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