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ピンチはチャンス①

ありきたりで月並みで、よく聞く言葉だ。しかしこの意味を今ほど考えなくてはいけないタイミングもないだろう。現実世界での人の動きをこれほど制限された時代はないのだから。その効果がどれほどのものかは、さておいて。

働き方、働く意味、働く場所。これらを今ほど考えたことはない。平成の終り頃、東京の通勤時間帯の電車は地獄絵図だった。私はそれを「怠慢の象徴」だと思っていた。

「一体今、平成何年だと思っているんだ」

あの光景だけは昭和の時代と変わらない。昭和の時代に比べてどれだけテクノロジーは進化したか。それなのにあの光景だけは時代に合っていないという違和感がどうしても気持ち悪かった。

大勢の人が同じ時間に出勤して、同じ場所に行って同じ仕事をして、同じくらいのタイミングで帰る。家で仕事をするのはそんなに大変なことか。特別なスキルがないとできないことか。ずっと疑問だった。

けれど世界的な情勢のおかげで猫も杓子もリモートワーク、くらいの勢いになって随分電車を利用し易くなった。なるほど、やればできるというわけか。やればできるだけの技術もそれだけのインフラもあった。でもその機会がなかった。理由がなかった。

普通ならそれでいいと思う。でも会社の経営者や役員がその様なのか。と、そこで働く人たちを気の毒に思っていた。

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