B面噺・無題

唐突にものすごい理解が起こったので、書き留めておこうと思います。

上手に説明できる自信はない。

***

ずっと『アイドル』という歌がわからなかったんですが

っていうのを、どこからどう説明していいかわかんないのですが……

わからないっていうより……

うーん。

あ、「受け入れ難い」です。受け入れ難い。

***

今の時代、末法の世みたいなものだと思ってて。

鎌倉仏教が生まれたのとおんなじで。

だからみんな推し推し言ってるし

メディアも推しを持つことを推奨して(経済もまわるし)

あがめたい。

信仰したい。

救いが欲しい。

アイドルも仏も同じことだとおもってて(怒られそう)

(ああ、そう思うと「歌い踊る私はマリア」って歌詞すごすぎる)

信仰がないと生きていけない

かたちをかえて免罪符が売りさばかれている

私だって同じことだとおもってて

輪廻転生教、占星術教

だってそういう世界観のもとに世界を理解・解釈しないことにはつらすぎるから

生きている意味がほしい

この苦しみには意味や理由があると思いたい

***

うーん、

考えがこんがらがりすぎてて

とりあえず、さいしょにもどって、唐突な理解がなにかというと


ああ、アイのやってることがわかった。

私もアイとおんなじことだ。と思った。


「誰かを好きになることなんて私わからなくてさ」

→「生きてることがたのしいなんて、私わからなくてさ」


ってかんじで。

***

えーーっと、だから

「嘘」とはなんだろうってずっと考えてた

「嘘」と「夢」と「虚構」の違いを

嘘をつくことがやさしさなのか? とか

もうほんとうに「嘘はとびきりの愛」っていうことばが、いやでいやでいやでいやでいやでいやで

(だからぜったい私は『アイドル』を人前でなんて歌わねーぞって)

(曲的に歌うのは楽しいからヒトカラでは必ず歌ってますけど)

なんかわりと、

一般的なご時世的に

まあ、この曲がはやっていることや

この作品が流行っていること的にも

「嘘」が肯定されている気がして

それはみんな嘘ついて

嘘まみれの世界だから

嘘仕方がないよね

みんなそうだよねって

言い合いたいからじゃないのって

なめあいなれあいなぐさめあい


わたしは、それはちがくね?って

嘘いやじゃね?って

思うから


もうずっとそうなのよね

社交辞令と礼儀と嘘のちがいとは

「御社が第一志望です」って100社に行ってまわる意味がわからん、って

でもだからこの本はすごい勉強にはなってるんだけど


・・・なんの話だっけ。

***

うん、だからそんなかんじで、アイも、嘘も、わからん、っておもってたけど、ああ、そういうことかって。おなじことだって。

対象が違うだけで構造は同じっていうか。

「愛」が欲しい

っていうのはわからないけど

「生きるよろこび」がほしい

ならわかる。

だから、置き換えて考えた時に、理解ができた。

嘘をつく意味が。

嘘をつきたいきもちが。

それがいつか本当になる日を願うことが。

Ah やっと言えた
これは絶対嘘じゃない

YOASOBI『アイドル』

ということばが、どれほど、待ち望んでいた瞬間で、なみだがでるほどうれしいものかが。

うん、毛嫌いしていたものが、ストンと落ちた感じは、スッとする。

受け入れがたいとおもっていたものが、受け入れられるようになった感じは、軽くなる。

***

でもまあこの機会なので言葉にしておくけど

それは、ひとりの人間に向けられるものではないと思うよ……

かつては仏像という「たくさんのひとの手によってつくられた木造の建築物(もの)」がうけとめていたものを、今は、この瞬間を生きているひとりの人間に(しかもリアルタイムで)うけとめてもらおうとしてるのって、やっぱりどうなん、しんどすぎるでしょ、って思うし

せめてチームで、作品で、って思う……

あるいはちゃんとお仕事としてやっているのであるとお互いにきちんと了承し合っている状態でなければ、それは……。ついには、無償でやっていることが、尊い、えらい、とかになり始めたら、ちょっとそれはあまりにも……。


あ~。やっぱりよくわからない。

おわり。


追伸。
この漫画のこのページが好きです。

佐武原『宗教的プログラムの構造と解釈』より

好きっていうかかつて自分がやっていたことにブーメラン過ぎてしんどい。


やっぱり筋肉教やラジオ体操教が最強だとおもう。

追記

土スタの大奥インタビューで上様の乗馬のシーンを見ながら
この曲のこの一説がふと。

生きることに貫かれて泣いてみたい

kalafina『傷跡』より


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