風になるとき

いだきたい
羽ばたきたい
君の足音追いかける
あゝ空に昇りたい

消えてしまいそうなその声
風の歌う子守唄 聴こえる

 季節を変えながら
その色をまとい
おどり おどる 
とまる すすむ
わたしは風

ふれていたい
飛び出したい
僕の吐息を吹きかける
あゝ海に浮かびたい

溶けてしまったのは涙だね
水のさわぐ空にもよう

 大地を切り拓きながらその道を作り
 おどり おどる とまる すすむ
 わたしは風。


太陽が起きだす頃
眠りにつく月が
見える火と、訪れる日を
つなぐと 一 日 が現れる。
その中で生きる僕
それとも私が体験する 
一 日 は宇宙

地球が産み出したモノを
この口から取り込む
恵と言うなら 命を頂き
糧と言うなら 命を喰らう

そのどちらかが道を通り 
肉体の真ん中で燃える

火が生まれ
赤い水を作り
河が産まれる

その河はこころを目指し
のぼり、くだり、旅をする。
その間に出逢うつぶ。粒。

右からの信号 左に折れる 道
左からの信号 右へと戻る 未知

満ち、引き
押し寄せ、引き寄せ
波打つ時 脈打ち
その口から産まれ 滅ぶ。

おどり おどる
すすまず とまる。
あゝ、うん。
わたしは風。

かえりたい、還れない。
僕の吐息に耳すます
あゝもう流れない。

終わってしまったんだね、身体は。
光照らす窓際 とびだしてみる

形を失くしながら その姿を拾い
おどり おどる きえる すすむ
そう、わたしは風。


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