問題振り返り⑩.コース別R「国内文学」(2)

 コース別「国内文学」の続きです。

 No.146「安楽椅子探偵にもいろいろいますが、/戦前に上海で製作され現代の小学生・衛(まもる)の家にやってくる、松尾由美の作品に登場する、推理する安楽椅子の名前は何でしょう?」
 A.アーチー

 問題振り返り③の記事でパラレル問題(「~ですが、」の構文のもの)について説明しましたが、この「○○にもいろいろありますが、~」という構文も競技クイズではおなじみです。
 そして、こういう問題文はえてしてそのままのものを問わないのがお約束です。「お姫様、女王様など「様」にもいろいろありますが、しこたま夜遊びをして帰宅が深夜0時をまわってしまうことを何様というでしょう?」(abc the first過去問題)のような問題文になりがちです。今回の問題では、「安楽椅子探偵にもいろいろいますが、~」というところで安楽椅子探偵のなかでも取り分け特殊なもののことを聞いているだろうという推測が成り立ちます。そこで、探偵役を務める人物名を答えるのではなく安楽椅子の名前を答えれば良いという風に答えを導くことができます。もちろんこのタイミングでボタンを押して正解が他のものである可能性はいくらでもあるのですが、出題する側としてはこのタイミングで「アーチー」と答えてほしいと思って問題を作成していますし、解答者の側もきっと「アーチー」が答えになるだろうと思って解答するわけです。またまた問題作成者と解答者の共犯が成り立ちます。

 No.147「海堂尊(かいどう・たける)のシリーズ作品に登場する医者の晃一と、我孫子武丸のシリーズ作品に登場する恭三、慎二、いちおの三/兄妹に共通する苗字は何でしょう?」
 A.速水

 No.148「いずれも映画化された『望み』『検察側の罪/人』『犯人に告ぐ』『クローズド・ノート』を書いた作家は誰でしょう?」
 A.雫井脩介

 これらも競技クイズで頻出の構文です。
 人物名の苗字だけや下の名前だけを並べはじめたら共通の名前や苗字を問われるパターンです。
 「いずれも映画化された~」で始まる問題文は、だいたいは作品名を並べて作者を問われます。ちなみに、「いずれも映像化された~」だと小説作品が並びやすく、「いずれも実写化された~」だと漫画作品が来やすいです。「いずれもテレビドラマ化された~」だと小説も漫画もどちらも取りうる感じですね。

国内編は解説したいことが多くてなかなか進みませんね。少しづつやっていきたいと思います。
 

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