問題振り返り⑬.コース別R「映像・コミック関連」(1)

 今回からはコース別3コース目の「映像・コミック関連」の問題を振り返っていきます。

 No.166「サラ・ウォーターズの『荊の城』を原作として舞台を朝鮮に/移した、2016年に公開されたパク・チャヌク監督の映画は何でしょう?」
 A.『お嬢さん』
 パク・チャヌクは他にも『オールド・ボーイ』や『親切なクムジャさん』など、ミステリ味のある作品を撮っている映画監督です。私は『JSA』も好きなのですが、今回はより好きな『お嬢さん』を出題しました。『お嬢さん』は、詐欺集団の一味の少女・スッキが華族の上月家に潜入して詐欺の手引きをする話なのですが、スッキと屋敷の令嬢・秀子との関係が美しく、ミステリとしても綺麗な展開がなされるのでおすすめの作品です。性描写がすこし強めで日本ではR18指定なので苦手な方はご注意ください。

 No.167「北森鴻原作のTVドラマ『蓮杖那智(れんじょう・なち)フィールドファイル』では主役の蓮杖那智を演じ、桐野夏生(きりの・なつお)原作の映画『東京島』では島で唯一の女性となる清子役を演じた女優は誰でしょう?」
 A.木村多江(きむら・たえ) 
 木村多江さんのファンなので出題しましたが、ここで紹介したいのはやはり北森鴻ですね。北森鴻は1995年に歌舞伎界を舞台とした『狂乱廿四考』で鮎川哲也賞を受賞しました。「蓮杖那智」シリーズでは民俗学の、「冬狐堂」シリーズでは古美術の世界で生きる女性を主人公にすえた優れた連作短編集を残しています。また、BAR香菜里屋のマスターが安楽椅子探偵形式で謎を解く『花の下にて春死なむ』は1999年に日本推理作家協会賞[短編および連作短編賞部門]を受賞しています。さらなる活躍が期待されていましたが2010年に48歳の若さで心不全で急逝してしまいました。

 No.169「2020年にTVドラマ化された若竹七海の「葉村晶(はむら・あきら)シリーズ」で主役の葉村晶を演じた、ドラマー・歌手としても活躍する人物は誰でしょう?」
 A.シシド・カフカ
 「葉村晶」シリーズは若竹七海の代表作です。時間経過とともに葉村の周囲の人間関係も変化していくので、初登場作品の『プレゼント』から読んでいった方が楽しめるとは思いますが、どこから読んでも大丈夫ではあります。ハードボイルドであり、いつも何かしらの不幸に見舞われている葉村が巻き込まれる事件は常に人間の悪意が底に流れていて、解決しても関係者の心にしこりを残すことが特徴です。また、若竹七海といえば『五十円玉二十枚の謎』の原点としても有名です。若竹が大学生時代にアルバイトをしていた書店に、毎週土曜日になると50円玉20枚を握りしめた男がやってきて千円札に両替していくという出来事があり、その謎の解決を一般公募して作品として出版されました。すごくクイズ映えするエピソードだと思うのですが、競技クイズではあまり聞かれませんね。

今日はここまでにして、また続きは次回にいたしましょう。

いまさらですが、ここに問題集の宣伝を載せておいたらちょっとは売れてくれるんじゃないかしらと思いついたので、クイズ宅配便さんの通販ページのリンクを載せておきます。お気軽にお買い求めください。

クイズ宅配便「ミステリオープン」https://q-tak.com/?p=16258




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?