動物園 解答編

私にしては珍しく(どころか初めてかもしれない)、確実にリアル知識を必要とする問題。基本的には作中の情報だけで解けるようにしたいというのが前提にあるので、あまりやらないようにはしています。今回はどうやってもそういう作りにはなりません。まあ全部ググって書いただけだし、一つ一つが正しいかどうかは最悪ググって頂けたら簡単に確認できるから別にいいかなーと思ったり。
前置きは大体こんなところでいいかな?


~ここから解答編~
多くの期待の眼差しに見つめられることになってしまった。
「で、どれなんだ?」
「ゴリラは基本的にB型しかいないんです。他は諸説あるものもいますが、これだけは嘘と言えるはずです」
「そうか!ゴリラだな!」
一番えらい人っぽい人が勢いよく立ち上がると、それに続いて刑事たちが続いて出ていった。そして部屋に残ったのは僕と警部だけになっていた。
「どうした?私たちも行くぞ」
「……そうですね。あまり時間もないですし」

動物園の受付に話を通すと、すんなり中に入れてくれた。
「そういえば僕ここ来るの初めてです」
「私もだ。まあ地図ぐらいあるだろう」
幸い入ってすぐにある広場に全体地図があり、そこで目的の動物がいる場所を確認した。
行こうとすると、警部に呼び止められた。
「おい、そっちじゃなかっただろ!?」
「いえ、こっちであってるんです」
警部の頭にはクエスチョンマークが3つぐらい浮かんでいた。
「時間がないので説明は着いてからでもいいですか?それに、ゴリラならもう先発の刑事さんたちが待ち構えてるだろうからいいじゃないですか」
「それもそうだな」
一応納得してくれたようだった。

「ここは……何の動物がいるんだ?」
閉園後の動物園は暗く、一目では檻の中の動物は視認できなそうだった。
流石に閑散としていて、少し離れたところにゴミ箱の清掃員が一人いただけだった。
時間は20時50分。なんとか間に合ったようだ。
「地図上はここであってるはずなので、まずは犯行予告状の意味を説明しましょうか」
一息ついて話し始めた。
「確かに嘘なのはゴリラの話だとは言いましたが、僕は怪盗はゴリラを盗むつもりだとは一言も言ってません。まあ言う前にみんな行っちゃったんですが」
「言われてみればそうだな」
「項目の分け方に違和感はありませんでしたか?」
「アとかイとかか?普通じゃないか」
「分けるだけなら”・”でいいじゃないですか」
「……まあそうだな」
「で、ゴリラのやつは何でしたっけ?」
「カ、だな」
少し暗いせいか、目を細めて予告状を見ていた。
「はい、つまり、”カは嘘”……カワウソということです」
ハッとして辺りを見回し、檻のネームプレートを見つけた警部は嘆息した。

結局怪盗108面相は現れなかった。帰りがけにゴリラのところに行っていた刑事たちと鉢合わせしたが、そちらにも現れなかったらしい。僕たちが来ないからどこに行ってたか問われたが、あえて何も言わないことにしておいた。

2日後、また怪盗108面相から書状が届いたらしい。
それには、2人の邪魔が入ったからそれに敬意を表して犯行は取りやめた、というものだったそうだ。
捜査本部は余計に首を傾げていたよと警部は嬉しそうに言っていた。