プールでの対決
水泳部vs我らが"体操部"の因縁の対決が行われることになった。その勝負に俺たちは留学生のマイケルを選んでいた。彼は体操部で最も運動能力が高いから、という普通の理由なのだが。
水泳部の種目は個人メドレー400m、体操部は自由形400mという微妙なハンデ戦である。マイケルは一応泳ぎが得意らしいのだが、相手方の水泳部のエースは大きな大会で優勝したこともある猛者である。水泳部側は勝ったも同然とばかりに余裕の表情でルール設定の場を去っていった。
「こんなの勝負にならないって……いくら自由形でどんな泳ぎでもいいからって」
「なぁに、大丈夫さ。プールに行けばわかるよ」
「……まさかプールや俺を改造したり、相手に毒盛ったりはしないよな?」
「あぁ、勿論そんなことはしないさ。ただ、俺がルールをある1項目だけ弄っておいたのを相手は見逃していたようだがな」
そして勝負の日、プールを見た相手は顔を真っ青にしていた。
勿論対決は我々の完勝に終わったのだが、一体どのようにルールを変更したのだろうか?