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【今週の日本酒#28】鍋島_純米大吟醸 きたしずく(生)(富久千代酒造:佐賀県)


隙あらば佐賀贔屓の時間がやって参りました。

富士という個人的大運動会が終わったので、とりあえず来年の春先くらいまでは肝臓くんには無休で働いてもらいます。

ずっと(とはいってもひと月と少しだけど僕的には体感一年より長い)顔を出していなかった酒屋さんにご挨拶しつつ、今日は何にしよっかな……

!!

お会計お願いします。出会って5秒で会計。
よく見るロゴに、とても印象的だった紺×銀ラベル。見間違えるはずがない。鍋島きたしずくの純米大吟醸だ。
紺×銀、マジでカッコイイ。渋すぎる。隠れ強キャラ感が半端ない。卍解したら音速の500倍で斬魄刀が伸縮できたり、隠し技の猛毒で初見○しをキメそう。BLEACHは平成男児の聖書です。

ついでに天山酒造(佐賀)の七田が醸す夏酒。
もう今日は佐賀日和。1本だけというのも何だかもったいないので、鍋島が引き起こしたこのビッグウェーブには乗るしかない。


僕のiPhoneに『飲酒資料』とかいうクソみたいな酒カスフォルダに残された記憶を辿ると、この鍋島は今年の3月頃に飲んでたみたいですね。

久留米の『雄源』さんにて。
日本酒も少し置いてるオールラウンド系の居酒屋ですが、やや質に振ったテイストで当日予約なし凸だと厳しいかも……



何かわからんがえらい美味い(というか印象的)な鍋島だなという感想しか覚えておらず店でも全然買えず、今に至るわけです。
何かわからんが買ってみる。ディアボロみたいな雑なムーブですが、お酒を楽しむという観点ではこれくらいガバガバくらいがちょうどいいですね。

ちなみに『日本酒ってお高い(≒敷居が高い)でしょ?』ということを聞かれることがあります。しかしこの鍋島は一升瓶、つまり1.8Lで6,000円ちょいでした。
額面だけ見れば高く感じるかもしれませんが、この美味さでこの量でこのお値段というバランスがまずありえないです。万は出していい。それくらい美味いお酒だと思っています。
個人的な酒の好みによるバイアスもとい贔屓を経由しています


で肝心の味はどんなかというと、鍋島らしい甘旨で香りや口当たりの華やかさは持ちつつ、濃醇というか甘みの懐が深く重いイメージ。最高すぎる。
ただでさえ最高な甘旨系なんだけど喉越しはなぜかスッキリ綺麗に抜けていく。ちょっと何が起きているのかわからず次々に煽ってみるが、やはりこうなる。

一升瓶で買ったんですが、毎回グラスに注ぐのもなと思って徳利を久々に召喚。トリコの誌面に出てくるような擬音で思い切りなみなみ注ぐのが気持ちよすぎる。今から俺はこの美味い酒をこれだけ飲むんだぞ。無駄にテンションが爆上がりする。


きたしずくという品種は北海道で作られた酒米ということで、北の米と九州の蔵という落差が何を生み出すかという面白み。結果として悪魔合体して爆旨なお酒が出来上がったわけですが、もうラス1だったというか今から手に入れるのはかなり難しいです。

鍋島が色んな品種と色んな製法(特別純米から純米大吟醸まで)を年中取っかえ引っ変えしているので、一部の定番品を除けばその場限りのお酒、または店頭での在庫限りというケースが多い気がします。

甘旨なお酒は割と好みが別れそうな気がしますが、こういうお酒に馴染み深くてよかったなと誇りに思っています。

佐賀のお酒としてあまりにもド定番すぎるけどやはり頭一つ抜けて美味いです。ド定番を勧めるのは面白みがなくてニッチどころの話をしたくなりすが、鍋島には勝てませんでした。
佐賀は結構甘めなお酒が多いのが特徴なんですが、他でいうとおすすめは光栄菊や前(さき)、七田ですね。

それでは皆様ご唱和下さい。鍋島最高!鍋島最高!



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