「僕」と「俺」

日本語には1人称の言葉がたくさん存在する。

私、僕、俺、あたし、ウチ、自分、わし、など。

方言を含めるとどれだけあるのか数えきれないほどだ。

みなさんはどの1人称を使っているだろうか。

男性は「僕」や「俺」、女性は「私」や「ウチ」を使う人が多いと思う。

「私(わたし)」「自分」は性別を問わないものであり、私(わたくし)は公的な

場面で用いられる表現だ。

ここまで1人称のことを書いている自分自身は


「僕」


を最近まで使っていた。

僕が「僕」という1人称を使ってきたのにはある理由がある。

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小学生の頃だったと思う。

やんちゃで悪ふざけをして授業を止めるクラスメートが

「俺」という1人称をよく使っていた。

小学生の頃は変にクソ真面目だったので(自分で言うのはおかしいが、、、笑)

そういう人たちのことをよく思っていなかったところがあった。

そいつらのことをかっこつけていると思ったからかもしれない。

「僕」を使うと賢く見えると思い、そこから「僕」使用生活が始まったのである。

小学生の頃は少ないながらも「僕」を使う人は周りにいた。

しかし、中学生、高校生になるにつれて「僕」と名乗る人はほぼいなくなった。

みんな友達の前では「俺」としか言わなかった。

その時初めてマイノリティというものをうっすら感じたのを覚えている。

別に仲間はずれにされているわけではないが、どこか違うなと感じた。

「それならすぐ1人称を変えたらいいじゃないか」と言う人がいると思うが

中高生の頃は変えたら何か言われるんじゃないか

という思春期特有の考えすぎが働き、どうにも変えられなかった。

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そして、20歳になった。

自分に自信がない、自信を持てないというコンプレックスをなくすために1人称を

「僕」から「俺」に

すれば自信を持てるはずだと思い、

1人称を「俺」に変えた。

浅はかな考えだと思うが、何か変わればいいなという想いがあってのことだ。


「俺」は男らしく、かっこよく、強い。

「僕」はシュッとしてて、優しくて、脆い。


こんなイメージがずっとどこかにある。

このイメージをどこかで変えられたらいいな。

ここまで色々書いてきたが結局言う人、使う人の問題かもしれない。

それを言ったらおしまいかもしれないが。。。

でも間違いなく言えることは、

たった1文字の漢字が違うだけで印象が少し異なるということだ。


最近思うのは1人称のことで悩んだ経験のある人と話をしてみたい。

きっと自分にとって有意義な時間になるはずだ。

(終)

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余談だが、、、

大学生になって地元を離れて違う地方に来てから

「自分」という1人称を使う人がかなり多いことに気づいた。

地元では「自分」という1人称を使う人に出会ったことがなかった。

なぜそんなことが起きるのだろうかと思い、少し調べてみると、

関西弁では「自分」という言葉は相手のことを指すことがあると書いてあった。

コテコテの関西弁なら、

「俺、ハンバーグ食べようかな。自分何食べるん?」

みたいな使い方をすることがあるなと納得した。

日本語って奥が深いなと感じた瞬間だった。


#2






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