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獄契約 雑書3

リスト


12/9 翠鳥杯優勝


コンセプト


・獄GSとヘクトル獄の弱点を補完する

獄GS

今年の夏頃に.kazakku(@kazakku)が使用した獄契約。
緑のメタカードが多く採用されているのが特徴。
獄契約のパーツは中間煌臨とイビルドローのみで、その他の枠は環境に対するメタカードを主軸に構成されている。
主力のメタはヘクトル、ドローンアント、バタフライジャマー、バインドエッジの4種類。
当然全て3投されているので総枚数は12。
大体のゲームでメタカードが絡む。
これらで相手のテンポが崩れたら獄契約のパーツやgs系のアタッカーでマウントを取り続けてそのまま勝ちを狙うのが定石。

他のgsと比較して優れている点は主に

  • メタカードを引けなかった際に保証されている動きが強い(ジャバドを始めとした獄契約の面々)

  • ヘクトルとドローが共存できる(ジャバド)

  • 面処理札を確定で抱えられる(ジャバド)

の3つである。

劣っている点は

  • リーサルまでの時間が長い

  • 契約とシンボルが噛み合わないので動きにもたつきを感じる

等である。

この「リーサルまでの時間の長さ」が現環境でこの山を使う上でネックとなる。

というのもこのデッキを使用するメリットは4種12枚のメタカードによる妨害。
これらメタカードは現環境上位のデッキに対してかなり刺さるが、バタジャとエッジの2種6枚は相手のメインプランを封殺するには至らない時間稼ぎ程度のカード。
バタジャエッジをメタカードとして有効活用するためには、この稼いだ時間で可能な限り相手に重い要求を押し付けることがセットで必要となる。
この際の要求として代表的なのは早期リーサルによる継続的な防御札要求。
獄gsではこの早期リーサルを組めるパターンが他のgsと比較すると狭く、12枚のメタカードの内半分が事実上の死に札となる試合が多かった。
ブレイブ等を積んでリーサルに特化するという選択肢もあるが、「獄契約とシンボルが噛み合っていない」というデメリットがここで目だってしまう。
具体的にはメタ後に獄契約のパーツでマンディブラリスやブレイブを引いたけど出せるコアが無いという状況が多発する。
ついでにgs系によく採用される煌臨の類いも獄契約の動きと噛み合いが悪い。

もう一つメタを使用した後に重い要求を押し付けるカードとしてビャクガロウXが挙げられるが、個人的評価は低い。
蒼波対面はハンド保護つけられて役割が半減し、獄対面では回答札を引かれるチャンスを与えてしまっている。
カウントに気を配らなければいけないのももどかしい。
なによりジャマー等で重疲労された生き物しか居ないときに噛み合いの悪さを実感する。

現環境で獄gsを使用して感じた課題は
「打点を早期に組みづらく、バタジャエッジ後の決定力不足」
「緑とシンボルが噛み合わない」
の2つ。

この問題点を解決する為、獄gsには緑の足場(ジュモクマシラ、緑の世界)やアイオン(全ハンデスするアレ)が採用されていることが多い。
アイオンは採用するだけでデッキ相性を覆せる程に強力なパワーを持つが、やはりシンボルの噛み合いが悪い為タイミングが遅れることも多々ある。
緑の足場も緑シンボルとの噛み合いは用意できるが獄に噛み合わず、終盤に連れて死に札と化したり、事故パターンが逆に増えてしまったりと根本的な解決には至らないように思えた。

ヘクトル獄

名前そのまま。
獄契約にヘクトルを積んだ構築。
解説することは特に無い。

なぜここで軽減も噛まず序盤以外使う価値の無いメタカードを積む構築の話をするのかというと

ここ1年半こいつを越える為にバトスピをしている

大体こいつのせいである。

そもそも蒼波がいなければ(というか変に強化されていなければ)通常の獄で事足りる。
去年から金棒を選び放題だった鬼が、なぜ今年の暮れに至るまで新しい金棒を提供され続けているのかとても理解に苦しむが、存在するものはしょうがないので意識を切り替える。

今年の秋に蒼海都市が蔓延って以降獄契約は相当苦しい立場に追いやられることとなった。
元々安定性と出力で負けていた差をバーストや細かい要求を積み重ねていくプレイ等で補っていたのだが、蒼海都市による攻守の安定性向上によって再度大きな差をつけられた。
正直限界を感じつつも採用カードやプレイングを見直している最中、なぜか蒼波に新たな金棒が配られた。
それがこいつ

そんなはずは無いだろ…

舐めすぎである。
これが最後の一押しとなり、獄契約は現環境で握る理由が薄いと判断した。

勿論、蒼波に勝てないから環境不利と判断したわけではない。
現環境の主力となる蒼波以外のデッキ(オボロ、アイボウ等)にも獄契約は有利を取れているとは言いづらい。
これらの環境デッキはアルティメットを対象とする除去が多い上に、ダークタワー等のメタカードを採用している。
除去の打ち合いは獄契約の得意とする分野であるが、メタカードを超えた上でそれを行うとなると安定性に欠ける。
また、打点の取り方もビートワンパターンな為、白晶やオバジャがどうしても越えられなくて負ける試合も少なくない。
獄契約はデッキパワーこそ低くは無いが、器用な立ち回りが苦手なので、メタカードや防御札一枚であっさり負けてしまうことが多々ある。
周りがメタカードを積んだ上で自身の動きを押し付けて来る中、デザイナーズのカードだけで安定して戦えるほど獄契約にパワーは無い。
現在はメタカードが強すぎる環境である。
その上で環境最上位である蒼波に対する勝率が下がりつつある現状を鑑みて現環境での獄契約は立ち位置が悪いと判断した。

そうなれば他の候補となる山を探すのが普通だが、最後にせめて他の環境山の様にメタカードを積んだ上で自分の動きを通せる構築を模索しようしたのが本noteで紹介するリストが生まれるきっかけ。

話は逸れるが最近の蒼波はメタが多い環境の中で、「メタカードの被害者」として扱われる場面を多々見受けられるが、私に言わせれば

立派なメタ

「どの面下げて被害者気取っとんねん!!!!!!!!!」

という話である。
文句を言われる筋合いはあらゆる観点から全く存在しないのでしっかり殺してあげましょう。



話を戻して纏めるとメタカードによって歪んだ相性をメタカードで直そうとする試みの中で生まれたのがヘクトル獄である。

この山使った感想としては

  • メタカードがヘクトルしか存在しない為、メタを貼れなかった試合は普通に不利。

  • その試合が結構な割合で発生する。

  • 初手にヘクトル引いたら概ね勝つ。

等。

特に解説することは無い。


本リスト


このリストは獄gsとヘクトル獄を回して感じた

「メタカードで相性有利をとりたい」
「メタカードで生じたテンポ差で安定して勝ちたい」

という課題を、獄gsとヘクトル獄双方のバランスを調整することで解決することを試みた結果生まれたもの。

簡単に言えば両者のいいとこ取りをしようとした形になる。
緑のメタを大量に採用しながら、獄契約の強い動きを押し付けることを目指す。
その為、先ずはどちらの要素も可能な限り最小になるように枠を使用した。

具体的には以下の通り


獄要素


緑要素

先に述べた課題をこなす為に、獄要素はヴァントゥースザッファーグの動きを最小単位とし、緑要素はそのまま12枚のメタカードを最小単位とした。

獄要素の最小単位にマグナザッパー3枚含まれているのが気になる方もいるかも知れない。
これにはヴァントゥースで召喚する魔卿のかさまし他に、攻めや受けで強い動きを押し付けることができる器用さ等が理由。

これら30枚を、獄と緑を合わせるにあたっての最小値とした上で残りの10枚を今回は以下のようにした。


デッキ全体を纏める枠

順に採用理由を解説する。

ジュモクマシラ

初動枠。
メタと初動で噛み合うのに加え、転醒条件が非常に緩いので獄契約における最低限のカウント1を盛るカードしてかなり優秀。
しかも役割を終えた後はネクサスとして緑シンボルが立ち、ヴァントゥースやバタジャの軽減を満たしてくれるので終盤まで多大な恩恵を与えてくれる。
緑と獄双方の動きの安定性をカバーしてくれるカードの中で最も有用だったので3枚採用。

マンディブラリス

優秀な殴り手枠。
獄契約の動きに寄せているとはいえ、それだけでは除去や打点形成能力が不足しがち。
特にフラッシュを挟まない除去やコアの数に依存しないアルティメット除去が獄契約には無いので、マンディブラリスのパワーが際立つ。
カウントに依存しないのも嬉しい。

とはいえただカードパワーが高いだけと言われればそれまでで、何かの対面で必須なカードという訳ではない。
そのため採用枚数の優先順位は低い。

アイオン

テキストの書き方が宜しくない。
言わずと知れた全ハンデス。
此方がヘクトルアントを張ってるパターンの他に、相手がハンド保護札を持っているだけでも全ハンデスが成立する。
アタック時の面破壊やマジックアルセル使用制限もちゃんと活用できるのが偉い。

このデッキは獄と緑が有利な相手にはそのまま有利を取れているのだが、これらでカバーできないアイボウやドローメタが効かない獄契約には不利。
なので、その2つのデッキに対する有効打としてアイオンを採用した。
しかし、存在が明るみに出てしまった以上、意識して動かれることやカシウスの増加などは懸念すべき事項となる。
この枠は今後の環境に適した構築にするために弄る必要がある枠かもしれない。

その場合の候補としては、緑のメタ増加を再度増えつつある獄契約を意識した零ノ障壁が有力である。

絶甲氷盾

獄契約にある程度受け性能があるとは言え、受け札0枚はゲーム全体が不安定になってしまう。
最低限2枚は積むべきと判断し、バースト効果込みで役割が多い絶甲を採用した。

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