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「間の謎」=音で絵を描くようにを考えてみた。+尺のブレス位置について

前の記事「間(ま)」の続きです。

▼ 前の記事はこちらから。

間というものを、どうやって作るのか、「絵を描くように」という教えの実現方法とは。

*モチーフに含まれるイメージを考える

曲のモチーフ、テーマ、含まれるイメージをもとに、「作者がゼロから何を作ろうとしたのか?」、作者の描こうとした風景や物、心理などについて考えてみる。

以前、海がテーマの曲の部内講評で「海の水って真水よりも”とろみ”があると思うんですよ」って言ったことがあって。
「だから海は、たとえば湖のさざ波や小川のせせらぎと違って、あんまりサラサラひいてはいけないような気がする」「粘度のある液体って、ゆらすのにけっこう力が要るじゃないですか」「そのパワーと、物質自体の重さと、それから量や大きさ、深さを出すために、もっと重みのある音が必要だと思う」とか言ったような。(これは波打ち際・陸ぎわの光景じゃなくって、もっと海の場面として言った気がします)

質感を考えるのは、その場面をより具体的に・鮮やかに・距離を近く感じてもらうために必要なんじゃないかなと。
だから先輩は「絵を描くように」曲を考えろ、と、まず言ったんじゃないか?と思ったのです。
例えるなら、海を何色で塗るのか?というところかもと。

(多分、できる人の脳内では「曲中の何かを感じ取って→表現(味付け変更)につなげる」という処理が行われていると思うのです。そしてこれを無意識でやれる人はわざわざ言葉で処理を表したりしない気がするので、ブラックボックス化していて分かりにくい。
同じ処理をやれるようになろうと頑張ろうとした場合、まず手始めに「絵を描くように」から、ということになるのでは?と)

*質感=リアリティ(につなげられる)

質感を入れることで、よりリアルに(分かりやすく)モチーフを表せるようになる。
それができるようになると、その質感の「掴み方」で、もっと広げて考えられるようになるかも。

たとえば、「そのものがどんなものか(What)」から、「そのものはどのようなのか(How)」とか。

これは、ある場面では音の大きさにも関係するかもしれないし、ある場面ではスピードにも関係するかもしれない。です。

スピードに関連するのであれば、「このモチーフであれば・フレーズの移り変わりはそんなに素早くなくていい」等が、考えられるようになるかも?

そして、曲にとって、機械的に刻んだ方がよりよいのか、間のある不均等(この場合は機械的ではない・ある意味 不自然な状態かも)にした方がよりよいのか、という分かれ目も、ここから来る気がします。

たとえば、前の記事でも書いたけど「合奏 春の海」の冒頭は、「モチーフが波という自然の物で、春の穏やかな晴れの日、風もそよそよ、波打ち際が時折光る」という光景だとすると、あのゆったり~のんびり~の、「間(ま)」の取り方も、あんまりテンポ良くポンポンやってしまっては、リアリティがないわけで。
そりゃダメ出しも食らいますわな・・・w

「~らしさ」ということを、考えると、それが音になったり間になったり、するんじゃないかなぁ。

・・・というのが、私が到達できた地点です。
身近で楽しめる範囲での、「間(ま)」について。

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おまけ。

「間をうまく取れ」というのは、絃限定でたまにいわれました。合奏で尺がいるとき。
なぜかというと、尺とか、息を使って演奏する奏者さんはブレスしないと物理的に死んじゃうんですけど。機械的な拍で続けてしまうと、楽譜の音の並び的にブレスするタイミングが難しいことがあるのです。
その、「ブレスするタイミングを絃の方でカバーしてくれ」という意味での、「間を」ということですね。

なので、ブレスのタイミングをうまくカモフラージュする間の取り方をできると、かなり合奏しやすくなることが。

これ、ずっと前にも書いたけど、「歌う」って練習してたら、自然とできるようになるので、絃の人はぜひ、練習のときに尺のフレーズを覚えて歌ってみてください。自然な空白ができて、それに合わせて自然な演奏ができるようになると思います。

あと、あらかじめ尺の人にブレス位置を教わって楽譜に書いておく。ピンポイントでズレがでて合わせにくいなって時に原因が分かりやすいときもあるので・・・

余談ですが、現役時代、同期尺男子が合奏練習の合間によく酸欠で真っ白になって転がってたんですよね。「息が全部音になってないせいだし、肺活量も少ないんだと思う、ごめんね」って言ってたんだけど、そして彼は夜中にランニングして肺活量を鍛えてたりしたんだけど、多分、それ、当時の私たち箏の側でブレスのフォローがなかったのもあるのでは・・・・・・
あとあと「ここでブレスしたい」とか言ってくれるようになったので、だいぶ関係的にも音楽的にも良好になったのではと思うのですが;
今さらですが申し訳ない。
余談終わり。w


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