もしも異世界転生があったら
こんにちは みょーです。
noteの募集「心に残ったゲーム」についての文章をまとめます。
「心に残ったゲーム」というより、「ゲームしてて心に残ったこと」になるけど。
兄とゲーム
私には兄がいます。兄は真面目で勉強が得意だったのでいつも教えてもらっていました。おかげで小さい頃の私は成績が良かった。そんな頭のいい兄は喘息持ちだったので、幼い頃は遊ぶとなると大体はゲームでした。
でも、私の家には「ゲームは1日1時間」というルールがあったので、時間があるときはずっとゲームができたという訳ではありませんでした。
だから兄はその1時間で出来る限りのことをするために色々な攻略法を調べてからコントローラーを握っていました。その成果もあって兄はいつも難なく隠れたアイテムを見つけ、強力なボスを倒していました。兄がゲームをしているのを、ただ眺めているだけでも楽しかったです。
私は幼く、兄の準備など知らなかったので「兄ちゃんスゲー!」と目を輝かせていました。一緒にゲームをするときはずっと兄についていっていました。
特に印象に残ったのは「ゼルダの伝説時のオカリナ」と「ゼルダの伝説ムジュラの仮面」のシリーズ。
子ども向けの作品とは思えないような脚本、描写、演出で、私の母も一緒に兄が「ゼルダの伝説」をプレイしているのを眺めていました。長い時を渡って旅をするリンクの物語は、多くの映画や小説にも負けていません。
私もプレイさせてもらったことはあったけど、難しさと緊張のせいで難所やボスはクリア出来ず、肝心なところはいつも兄に代わってもらいました。あれ難しいし、闇の神殿とかムジュラとかめちゃくちゃ怖いんですよね。リーデットとかトラウマ。
私にとって兄は尊敬する人物、ゼルダの伝説やドンキーコングのような難しいゲームを攻略し、先生よりも分かりやすく勉強を教えてくれる優しい兄ちゃんでした。
そんな兄の人生に陰りが見えたのが、兄が大学生の頃です。
兄の挫折
県下でもトップクラスの高校に入学し、大学も地元ではかなり難しいところに入学しました。しかし兄は大学を中退してあまり外に出なくなりました。
当時は何があったのか知りませんでしたが、人間関係に苦しんでいたようです。人に気を使いすぎる人間は多くの場合、他人の気持ちを想像して勝手に傷つきます。私なら嫌なやつには噛みつき返しますが、兄の苦しむ姿はなんとなく想像はつきました。真面目で優しくて不器用でしたから。
それから兄はずっと社会から少し離れて生きています。引きこもりではありませんし、たまに超短期のバイトをすることもありましたが、ずっと無職です。私よりもずっとずっと長い間無職です。
もしも異世界転生があったら
最近、「異世界転生モノ」が流行ってますよね。簡単に言うと事故やらなんやらに会って、死んだと思ったら物凄い能力を持った状態でゲームの世界に転生し、信じられない様な大活躍をする。みたいな感じ。
ゲームが好きな子どもはみんな妄想するでしょうが、それを形にするっていう発想はすごいですよね。私も体験してみたい……ですが、もしも異世界転生があったら、兄を連れて行ってもらいたい。もちろん死なない形で。
私の兄ならどんな主人公よりも輝くと思うんです。真面目過ぎる優しい人間が活躍できる世界があったら、幸せになれる世界があったら良いなと、そんな世の中だったら良かったなと思っちゃいます。
気づいてあげられなかったことがたくさんあったのが悔しいです。
もっといろいろと話しておけば、兄の人生も変わってたかな。
最後に
私が小学生、兄が中学生だったとき、兄から「いつかお前の方がケンカが強くなる時が来る」と言われました。それから時が経ち、私が高校生になった時、一度だけ手が出そうになる寸前までのケンカをしましたが、確かに兄は弱かった。いつの間にか体の強さは追い越していました。
今では私も兄も無職。
同じところに立っています。
世間的にみると何やってんだって兄弟ですが、うちの家族は上手くやっています。口出しご無用。
私達兄弟が一緒にゲームをすることはなくなりましたが、どちらもゲームが好きなのでたまに同じゲームをやってるみたいです。ゲームだとどっちが強いんでしょうね。今度一緒にやってみようかな。
そういえば「ゼルダの伝説時のオカリナ」がリメイクされたとき、クリアできないステージがあって兄に攻略法を聞いたんです。そしたら「久しぶりにやりたいし、代わりにクリアしてやる」ということだったんで任せたんです。
そしたら次のステージまでクリアしてやがった。
お?ケンカすっか?
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