2024.05.28 歌われなかった海賊へ 逢坂 冬馬
著者: 逢坂 冬馬
ナレーター: 小林 親弘
再生時間: 12 時間 57 分
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母
総合評価(10段階):6
読み応え:★★★☆☆
設定:★★★☆☆
感動:★★★☆☆
オリジナル指標「戦争ものの辛さ」:★★★★★
コメント:『同志少女‥』よりも情景が想像し辛かった。
心情が邪魔しているのかもしれない。
神代の時代から争い事、殺戮が行われていた訳で、それは人間のDNAに組み込まれているのだろう。
色々経験してもなお戦争は無くならない。
戦争という異常な環境では思考も歪むのは当然。
弱い立場の人間だけが犠牲になるのに、戦争の無い世の中にはならないのだろう。
兄
総合評価(10段階):10
読み応え:★★★★★
設定:★★★★★
感動:★★★★★
オリジナル指標「不良にオススメ度」:★★★★★
コメント:はじめて本を読み終わった後にスタンディングオベーションしました。
特に終盤最高でした。
永遠の0を思い出させる構造だけど、ナチ体制のドイツを舞台にした話を日本人作家が書いても、この素晴らしい作品はきっと映画化されないんだろうなぁ。(前作、同志少女の時も思う)
映画化される事を望んでる訳ではなく、永遠の0も読んだだけで観てないけど、是非老若男女誰もが知る物語になればいいなと思いました。
反体制の意思を見せたら殺される時代に、この主人公含む仲間達は、政治活動としてでは無く、不良として、生まれた時代に、時代に呑まれた大人に、抗う。
「私たちは、単色を成立させない、色とりどりの汚れだよ」
この言葉が印象に残りました。
不良の美学みたいなものは令和の日本には無くなり、不良と言うより貧困や育児放棄の被害者的なイメージになってしまったように感じます。
そんな時代だからこそ不良漫画を読むよりこの本を読む方が、自分を取り囲む世界と戦うパワーになるはず!
前作で著者の逢坂冬馬ファンになり、本作は神戸の有隣堂でサイン本をゲットしたので自慢させて下さい↓。
弟
総合評価(10段階):10
読み応え:★★★★★
設定:★★★★★
感動:★★★★★
オリジナル指標「着地」:★★★★★
コメント:文句なし。
とにかく文章が上手い。
前作と同じく、メインで扱ってる歴史的な出来事が重たすぎるものだが、それを歴史にも文学にも馴染みのない下級民族の私にも美味しく食べられるよう料理していただいており、作者の能力の高さを感じることができた。
現代と戦時中の二つの視点で物語が構成されており、一見よくあるシステムだが、その効果の効かせ方が絶妙だった。
正直、エピローグ的な感じで物語が再度現代に戻り幕を引こうとする時、完全に油断というか「もうええって」くらいの感覚でいたのだが、終盤でこの非現実的で自分には遠い世界の物語へ、胸ぐらをつかまれグイーーーンと強制参加させれるような強烈な着地で物語が終わった。良い意味で「宿題」をもらって読了することになった。
本当に文句の付け所がない、素晴らしい作品。
全国の学校に寄贈してもらいたい、大谷翔平に。
▼指標解説:★☆☆☆☆<★★★★★
読み応え: 読みやすい<読み応えあり
設定:定番 < 独創的
感動:快適 < ストレス高い
オリジナル:読者が独自の指標を毎回提示する
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次回の課題図書はこちら
兄が以下母の提案に決定。
母:言葉の園のお菓子番 見えない花 こっち!
弟:伝え方が9割
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