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2024.05.14 スピノザの診察室 夏川 草介

スピノザの診察室

著者: 夏川 草介
ナレーター: 吉野 貴大
再生時間: 8 時間 7 分
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    • 総合評価(10段階):9

    • 読み応え:★★★★★

    • 設定:★★★★☆

    • 感動:★★★★☆

    • オリジナル指標「マチ先生とリュウノスケと二人を取り巻く人々」:★★★★★

    • コメント:幼少の息子が骨折した時、某市民病院の医師の言葉『この子が私の子供であっても同じ処置をします。』
      その一言で、母親初心者の私は安心してお任せする事ができた。
      医療技術は高いに越した事はないけれど、患者やその家族としては何よりも寄り添って頂けていると言う安心感が欲しいしありがたいのである。
      『貴方に母親は?お婆様は?いらっしゃらないのね!』と言いたくなる様な方もおられましたけど。
      息子らがめっちゃ優秀でも医師にはなってほしくない。
      人の生死に向き合うストレスはいかばりかと取り越し苦労していた。
      我が家にはその心配は全く必要無かったけれど。
      作者のお人柄なんでしょうね、『プロジェクトX』さながらの医療現場も描かれているのだけれど、登場人物だけで無く、情景等の表現も優しさが滲んでいる。
      年齢のせいか一度では入ってこないので、少なくとも2度は読むわけで、その度にこれから我が身に起こるであろう現実も気にしつつ、登場人物の皆の幸せを祈ってしまう。


    • 総合評価(10段階):10

    • 読み応え:★★★★★

    • 設定:★★★★★

    • 感動:★★★★★

    • オリジナル指標「阿闍梨餅食べたい度」:★★★★★

    • コメント:京都が舞台になる小説は結構多くて、東京に10年住み移住、現在大阪駅まで1駅、職場は京都、運良く本の舞台になる街ランキングベスト3の土地鑑があるのが自慢なんですが(超方向音痴だけど)医療系の話は難しくて敬遠しがち、と言うか、聴診器で患者の心の声が聞こえたり、横浜のランドマークタワーが爆発するような(これ映画か)僕でも読める話を選びがちです。
      逆に、これまで本書のようなリアリティのある本を読むと、医療の世界ってかなり勉強しないと書けないだろうと驚嘆しておりました。
      がしかし、著者はお医者さんだそうです。
      お医者さんって小説家になれるんだ!と、なんとなく医療と小説が結びつかないような感覚に襲われますが、主人公のマチ先生が、科学と哲学、幸せと不幸、色んな事を繋いでくれます。
      南先生とは手も繋がないけど🤫
      色んな事情を抱えた患者さんには、当たり前に「正解」とされる治療が「幸せ」ではないかもしれない。
      文章も凄く綺麗で、本当にあった話だという気さえしてきて、患者さんが亡くなったり症状が悪化する度泣きそうになりながら読むんですが、丁度悲しい気分になると京都の甘味が登場します。
      甘党のマチ先生と、かなりキャラ立ちしてる原田病院の先生方のおかげで、暗い話にはなってないです。
      客観的に見て、本屋大賞これじゃないか?
      なんて事はさておき、今夜のまいむすは、今日仕事帰りに買った阿闍梨餅を自慢気に頂こうと思います。


    • 総合評価(10段階):9

    • 読み応え:★★★☆☆

    • 設定:★★★☆☆

    • 感動:★★★☆☆

    • オリジナル指標「登場人物の魅力」:★★★★★

    • コメント:小説っていいですよね。と再認識させていただいた。
      当然医療のことは何も分からないが、もっとこの人たちの話を聞きたいと感じた。
      どの登場人物も魅力的で、それでいてリアリティもある。シリーズ物なのかと思わせるレベルでキャラが立っていて、もっと彼らのことを知りたくなった。
      医療という現在の自分には馴染みがない話だったが、扱っているテーマは別に賢くなくても考えることができるストーリーになっており、作者が小説家とか関係なく人間的に優れた人だと強く感じた。
      大きな感動があるわけではないが、読み終わった今も、きっとどこかで彼らの物語は続いているのだろう。なんてことを考えたくなる、素晴らしい作品だった。

▼指標解説:★☆☆☆☆<★★★★★
 読み応え: 読みやすい<読み応えあり
 設定:定番 < 独創的
 感動:快適 < ストレス高い
 オリジナル:読者が独自の指標を毎回提示する

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母が以下兄の提案に決定。

 兄:歌われなかった海賊へ こっち!
 弟:どう生きるか つらかったときの話をしよう 自分らしく生きていくために必要な22のこと


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