夏のある日の出来事

そろそろ時効だと思うので書いてしまおうと思います。実は前から言いたくて仕方がなかったりします。気を悪くしたらゴメンね、かみゅうさん。

僕はその昔、OUTSKIRTSというグループのオタクでそのメンバーの巫凪かみゅうさんが好きでした。過去形ではなく、今もかみゅうさんのことは好きですが。
そのOUTSKIRTS、アウスカの所属していた事務所は本人の自称以外、基本的に全員年齢非公開で、当然かみゅうさんも年齢非公開でした。なので、こちらとしては色々話の中で出てくる情報で推測していくんですが、看護師としてちゃんと働いている人であること、辻加護ちゃんが好きだったと聞いたことがあったので、それなりに大人の人だと思ってました。今だから言えますけど、ぶっちゃけ25、6歳かなぁ思ってました。まぁ、年齢を知る必要もなかったのでそれは本人に確認したりせず過ごしていましたけど。
そんなある日、アウスカがCDデビューすることになってあちこちのサイトに色々情報が乗り始めてウッキウキで見て回るとHMVのサイトに当時のメンバー5人の年齢構成が載ってました。プレスリリースの情報がそのままサイトに載っちゃったんですね。で、そこに載っていた年齢が僕が思っていたより若かったので深く考えずに「思ったより若いじゃん」みたいなツイートを年齢のスクショと共にしました。

さて、忘れもしないその日。
その年齢が分かった後のライブが金沢遠征だったんですが、普通にライブをしました、普通に特典会が始まりました。かみゅうさんに「まっくす、あの年齢のツイート消して」と言われました。「あ、嫌でした?」と僕が答えている間にかみゅうさんの目からポロポロと涙がこぼれてました。かみゅうさんを泣かせてしまいました。
理由は聞いていないので僕の勝手な推測なんですが、かみゅうさんは一番年長で恐らくお姉さん的な役割を求められていたんじゃないかと思うんですよ。でも、割とおっちょこちょいな部類の人で、更に最年少のアメリちゃんが何でも出来る子なのでその辺りの軋轢とまでは言いませんけど、求められる役割とそこに対する現実とのギャップで年齢に対して拒否感があって、そんな状態の所に自分のオタクだと思ってた人間が「意外と若いじゃんププ」みたいなツイートをしたから感情が溢れちゃったのかなぁ、などと思ってます。
そこから後はひたすら平謝りでその場でツイートは削除しました。屋外のライブでしたけどその場で土下座もしました。とりあえず許してくれましたけど、好きな人を泣かせてしまった後悔でその日は一睡も出来ませんでした。つい最近も「あれはまっくすが悪いというより載せたサイトが悪い」と言ってくれましたし、今となっては思い出深い出来事だったと思いますが当時はもう終わりだと正直思ってました。

で、更に忘れもしないその翌日。
アウスカは金沢→東京の遠征で、僕もオタクなので当然金沢から東京に行く予定でした。が、前日にあんなことがあったばかりで行きづらい。しかし新幹線の切符は買ってしまってある、東京のライブは下北沢のサーキットでまあまあの値段がするチケットも買ってしまってある、と言うことで行かざるを得ないのでライブには行きました。
で、特典会。顔を合わせる勇気はなかったです、正直。でも、やっぱり未練があったんでしょうね、特典会が開催されているロビーの隅っこの方で参加せずに様子だけ見てました。そうしたら、列が途切れて最後尾札を持って立っているかみゅうさんと目が合ってしまいまして。はい、ここから惚気話です。その最後尾札でちょいちょいと手招きをされて呼び込まれてしまいました。もうその時点でかみゅうさんに完敗ですよね、泣かせられた相手を迎え入れてくれたわけですから。かみゅうさんの前に立って言いました。
「もう来ないでおこうかと思ってました」
「何で?」
「かみゅうさんを泣かせてしまったので」
「そんなんそっちの方がそれっぽっちかーって悲しくなる」
この時、僕の心は決まりました。この人に涙を流させてしまったので、それ以上の気持ちを持ってこの人を推していこうと。それからは行ける現場は頑張って行きました。平日の仕事が終わってから新幹線に飛び乗ってリリイベにも行きました。ライブを見ずに物販に並んでワンマンのチケット1番を買いました。僕に出来ることは何でもしようと思ってました。

ある夏の日にあった、この先何があっても一生忘れられない出来事のお話でした。