お金じゃないって思えたこと

人と違うことをする自分が好き。


皆んなが右に行くなら、



俺は左に行く。



大学生になり、



海外に行く事にハマり、


出来るだけ世界を経験しようって、



自分だけの経験をしよって、




ヨーロッパに1人旅に出かけた。




人と違うことをする。人が絶対しないような経験をする。




そう決めて、パリの公園で野宿した。




街中でフリーハグしてみたり、


やりたいことを色々やってみた。



とある日。



お金をぼったくられ、その日何も食べずに過ごそうとしていた。




パリの街中を15キロのバックを背負って歩き回った。



4万歩歩いていた僕は、



疲れ果てた顔をしていたみたいだ。




携帯の充電が底をついていたから、




充電出来る場所を探していた。



そんな時、1人の女性が僕に声をかけた。




彼女はフランス人の女性で、40代ぐらいのお母さんであった。



旦那さんとレストランで食事をしていた時に、




疲れ果てていた僕に声をかけたのだ。



フランス語が分からない僕に、




拙い英語で話しかけてくれた。



僕が充電したいというと、



彼女は店員さんに繋いでくれた。



僕はお金がなかったから、



1番安い飲み物を頼んでずっと座っていた。




隣に座ってきたその女性は、




僕を親身になって気にかけてくれた。




どこから来たのか。年はいくつなのか。お腹は空いていないのかって。




僕は死ぬほどお腹を空かせていた。



疲労と空腹で、本当に辛かった。





そんな時に、




彼女は僕に、



パスタを奢ってくれた。




旦那さんは、どこの怪しいやつかも分からないのに何してるんだと怒っていた。



彼女は旦那さんを宥めて、僕にはパスタを奢ってくれた。







初めて、食べ物を食べて涙が出てきた。





あんなに思い出深いパスタはない。





あんなに感謝した奢りもない。




人の暖かさって、人の恩恵って、与えることって、




こういうことなのかなって思えた。





人が本当に困っている時、





人が本当に苦しんでいるとき、





助けてあげられるような、





彼女のような人になりたいと、






心から思えた。





あんなに美味しかったパスタはない。






あんなに救われたと思えたことはなかった。





自分も彼女のような、人の暖かさを与えられる人になりたい。




#あなたに出会えてよかった

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