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「Saviors」GreenDay(2024)
リリース前にDookieとAmericanIdiotの全曲ツアーを今年やるという告知が流れ、新しいアルバムがすげえ良かったらどうするんだよぉお、アルバムツアーをやれよぉと思ったが、アルバムを聴いたら「うん…それもいいか。それで行こか。」と掌を返したのである。いや、この作品が決して駄作というわけではない。相変わらずビリーはパンクスに対して完璧に心を掴む詩を書く。そもそもGreenDayが駄作なんて作った事は無いのだ。覆面バンドの方は良くわからんが。ディスコグラフィーが強過ぎる。
3曲目の「Bobby Sox」は一聴してJETの「Are you gonna be my girl?」的なノリかと思ったのだが、PVの男性同士のキスなどを見るとどうやらアメリカでのLGBTQの市民権の獲得(現状どんなもんなのはわからんが)に対しての讃歌のように感じる。
私はLGBTQでは無いのでそういった曲には感情移入ができない。傷つけてはいけないと思うけれど、彼らの苦悩に対してわかったフリやずれた共感をして苛立たせたくも無いので適度に距離をとるしかない。しかし、ビリーとマイク(Ba.)の関係を踏まえると感情移入できないどころか、静かな感動すら覚える。
マイクは生まれてすぐさま養子に出され、しかもその引き取った親は離婚。実母の所に戻るがドラッグにまみれた実母は男を作り家を出ていく。その時に家に居候させてくれたのがビリーだ。ビリーはビリーで11歳の時に父親が亡くなり、6人兄弟の家計を手助けるため小学生で仕事を始めている。母親から愛情を注がれずにいたビリーの孤独を埋めたのもマイクだった。ビリーとマイクは互いに存在しなければもっと悲惨な事になっていただろう。友情以上の感謝愛情があって全くおかしくない。
こう言ったらあれだが2人ともろくでもない母親を持っているので、そんな女性不審に陥っている時に分かり合える男友達はまさしくSaviorだ。ビリーはバイセクシャルを公表しているが、それはマイクへの目一杯のありがとうと思えて仕方ない。
どうやら来日は早くても年末のようでサマソニのヘッドライナーを密かに期待してたけど、無いみたい。
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