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ネギはどこへ消えた?
1週間くらい前の出来事です。
朝、私はベランダで洗濯物を干していました。
すると、一歳の息子が廊下からネギの束(スーパーでよくある、2〜3本で200円とかのやつ)を持ってキッチンにやってくるのが見えました。
そして冷蔵庫の近くに座り、おもむろに青い部分をブチブチとちぎり始めたのです。
あっ…と思いましたが、前の晩から体調が悪かった私は「静かにしててくれるならいいや」と、見なかったことにしました。
私が洗濯物を干し終わる頃には、息子の周りにちぎった青ネギがたくさん散らばっていました。
私は、あとであれを片付ける羽目になるんだなぁと思いましたが、それでも声はかけませんでした。
数分たつと、今度は冷蔵庫を開ける音が聞こえてきました。
息子に目を向けると、冷蔵庫の一番下にある野菜室を開け、青い部分がなくなったネギの束をしまおうとしていました。
自分の身長と同じくらいの長さのネギを、一生懸命ぐいぐいと野菜室に押し込んでいる姿は何だか笑えました。
無事に冷蔵庫が閉まったところで、私は息子に近づきました。
「ネギしまってくれてありがとう」
そう言ったはいいのですが、何かがおかしいことに気づきました。
さっき床に散らばっていた青ネギが、きれいになくなっているのです。
大人でも全て拾うのに30秒はかかりそうなものを、一歳の子がたった数分で全部片付けるなど、可能なのでしょうか?
私は周りをキョロキョロ見渡しました。
そして、あるものが目に入ったのです。
やかんが、さっき息子が座っていたところの少し先にありました。
まさか、まさか…
そう思いながらやかんの蓋を開けてみると、
入ってました。
ちぎった青ネギが、ぎっしりと。
何をどう考えてこうなったのかわかりませんが、「少しのかけらも残さず全部入れたのはすごい」と思いました。
で、この大量の青ネギを何とかしなければならないわけですが、とにかく体調が悪い私は「あとでやればいいや」と、放置してソファに横になりました。
それから、そのネギのことを再び思い出したのは、
その日の夜、布団に入ってからでした。
青ネギをやかんから取り出すのを、すっかり忘れていました。
そればかりか、
夕方に電気ポットのお湯がなくなったので、やかんで水を汲んでポットに注ぎました。
ネギが入ったままのやかんで!!!
(しかも買ってきてそのままの状態だったので洗ってない)
私は諦めました。
どうせ、私たち家族しか使わないし…
一回沸騰させたんだし…
明日の朝に、やかんからネギを取り出そう。
そう思って寝ました。
でもやっぱり忘れました。
その日は私の両親が来て、家事を手伝ったり息子の相手をしたりしてくれました。
電気ポットのお湯は、昼に一度補充された形跡がありました。
誰も何も言わないから、やかんの中は全く見なかったようです。
被害者を増やしてしまいました…
結局、やかんからネギが救出されたのは、さらにその次の日でした。
取り出したネギは、洗って酢味噌和えにしました。
それも作ってからまた一日くらい忘れたのですが、無事においしく完食しました。
おわり
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