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未修者の留年率について

ロー生活、特に未修に進学したときに一番気になるのは、在学中の留年でしょうかね。かくいう私も留年というワードに日々脅えながら学習しているわけですが。

というわけで、とりあえず阪大ロー未修1年の留年率について、ちょっと話してみようと思います。

ちなみに画像は、みやこばが学部時代、卒業論文を書きながら死にかかっていた時の様子です。多分これクソ夜中なんですよね。塩焼きそば喰ってるし。


留年率に関するデータあれこれ

法科大学院の留年率に関するデータについて、特に阪大に絞っていうなら、公開されているデータは2種類あります。

ひとつは、文部科学省が公表しているデータ。以下のようなものがあります。留年率に関するデータは令和4年度のものが掲載されていますね。

もうひとつが、大学が公式に発表しているデータ。こちらもリンクを貼っておきましょう。

http://www.lawschool.osaka-u.ac.jp/wp-content/uploads/2024/06/data5-1_2024.pdf

これらのデータを詳しく見てみましょう。まず、文科省発表の令和4年度版データによれば、阪大の未修1年生は、年度当初に41人の在籍があり、次の学年に進級しなかった者が18人。これに従えば、43.9%が留年しているという計算になりますね。あえて進級率に直すとすれば、56.1%といったところでしょうか。

ところが阪大のデータによれば、進級率は82.1%と示されています。

どう考えても奇妙なわけですね。同じ現象を示すはずの数値に、これほど大きな隔たりがあります。これはどういうことでしょうか。

注意してみるべき点

既にお気付きかもしれませんが、いずれのデータも嘘を言っているわけではなく、留年率の定義が違うという点に注意を向ける必要があります。

文科省発表のデータにおけるポイントは、分母を4月当初に在籍していた人数としていること、つまり学期途中で休学したり、1回目の1年次を留年して、年度を跨いでから退学したりした場合に、この分母にカウントされるという点にあります。

逆に阪大ロー発表のデータは、分母を「進級判定対象者数」としています。これ自体定義が明らかであるとはいえませんが、概ね休学している人については分母に含めていないということがいえるでしょう。

率の定義が違えば、出てくる数値も違うわけで。この点をよく押さえないまま、留年率の高低を論じても、さして意味がないのではないかな? と思われます。

考えられること

ふたつのデータの比較から何が分かるかといえば、①阪大ローにおいて、何らかの事情があって途中で挫折してしまうケース(休学・途中退学等)を含めた進級率は4割前後であること、②学期の授業を最後まで受け、試験も受験した場合における進級率は8割前後であること、が読み取れますね。

そうすると、未修に進学した場合の戦略として、まずは何といっても最後まで授業を受けきって、試験にこぎつけることが重要だということができます。それ以前、つまり学期途中でドロップアウトしたり、授業についていけなくなった結果、進級をあきらめざるを得なくなるケースが多くなる、ということかと思います。

ちなみに未修クラスを担当する先生の肌感覚としても、未修1年生→2年生への進級率は8割前後だそうです。もちろんこの割合の分母には、休学している人を含まないものと思われます。

(余談)相対評価について

ロースクールでは科目ごとに相対評価がなされ、一定の水準をキープしないと進級できない建付けになっていることが多いようです。阪大でも、C評価(概ね単位修得者の下位3割)となった科目が、その学年で修得した単位数の7割以上となると、その時点で進級がかなわなくなります。

特に純粋未修の方にとっては恐ろしいことかもしれませんが、必要以上に焦る必要はありません。聞く限り、C要件で留年するケースはごくわずかですので。それよりかは、ちゃんと単位を取りきれなくて留年するケースの方が多いようです。

まとめ

こんな感じでしょうか。いずれにしても、未修で入学したらとにかく最後まで受けきること、試験にちゃんとこぎつければチャンスはあります。

純粋未修の方も、やむなく未修に入学した方も、最後まであきらめないで!

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