梅、松、桜よりお金

人の家にありたきは、
梅、桜、松、楓、それよりは金銀米銭ぞかし。
〜井原西鶴「日本永代蔵」〜

西鶴は花木よりお金なのだ。

西鶴は「倹約」を強調する。
「士農工商のほか出家神職に限らず、始末大明神のご託宣にまかせ金銭をたむべし」
※始末…倹約のこと

金持ちになるには
「長者丸」という丸薬を勧めている。
その中身は、
「朝起五両、家職二十両、夜詰八両、始末十両、達者七両」
つまり、家職40%、始末20%、夜勤16%、健康14%、早起10%となる。西鶴はまずは家業に精を出すことだと言う。

そして、
「長者丸」の効き目を阻むものとして、次のことを戒めている。
美食、淫乱、絹の普段着、内儀の乗物、娘の琴・歌かるた、息子の歌舞音曲、けまり、弓、数寄屋建築、茶の湯、花見、舟遊び、夜あるき、バクチ、碁、双六、酒、タバコ、後生安楽を願う心、心あてなしの京のぼり(目的なく都会へ出ること)…。お金持ちへの道のりは容易ではない。

西鶴没して三百余年、西鶴の銭話が読まれ続けるのは、大阪商人の血の流れ、金儲けの神髄をとらえているからだろう。

仕事に精を出すこと。
そして、お金を大切に扱うこと。
これらを心に留めて、
日々を過ごしたいものです。

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