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Wの悲劇(2012年・テレビ朝日版)

夏樹静子さん原作のこの作品の映像化、一番有名なのはやはりあの、薬師丸ひろ子さん主演の映画だと思います。が、見た方ならご存知の通り、あれは肝心な原作のストーリー部分は劇中劇で、しかもチラチラとしか出てこないんですよね😅だから私も、ほとんど内容を知りませんでした💦

大筋としては、和辻という家の当主がある夜殺されてしまい、実はその犯人が、当主が孫のように可愛がっていた摩子(まこ)であり……居合わせてそれを知った一族が、結託して摩子を庇おうとするものの、強盗事件に見せかけた計画にほころびができ……というものです。もちろん、このドラマではそこにさまざまな脚色がありますが。

2012年版のこのドラマは、主演が武井咲さんなのですが……私がこれを見たきっかけは、実は「オールドファッションカップケーキ」の武田航平さんも出ていたと知ったからです。なんか、他の演技も見てみたくなって😊
その武田さんは、ヒロイン・摩子とは何に当たるんだろうか🤔摩子の大伯父(つまり母親の伯父)の弟の息子、なんだけど😅とりあえず、父親にけしかけられて摩子との結婚を望んでたので、結婚しても差し支えないぐらいには血が遠いようです😂
あの作品の野末さんとは違って、前髪下ろしてたせいかかなり若々しくって、しかもちょっとチャラめの役がよく似合ってた(笑)いちおう、褒め言葉です🤣

摩子だけでなく、彼女にそっくりだけど境遇はまるで違う、さつきというキャラも含めたダブルヒロイン(武井咲さんの2役)にしたことによって……明らかに、原作とは違うんだろうなという察しはつきました😅
だけど、それでも……原作の大事な筋の部分は、できるだけ壊さず展開してたんだと思います。実はドラマを全部見てから、気になり過ぎてついに原作を読んだのですが🤣本当に、意外とベースが原作に沿ってたのには驚きました😲
だけど、摩子とさつきの生い立ちや境遇、そこから生まれた性格の差や愛憎なんかは……それはそれで、かなり考えられてましたね。原作にもあったけど、Wの悲劇というのは和辻(Watsuji)家の悲劇でもあり、同時にWomenの悲劇でもある……といった最後の言葉に、さらに深みが増していた気がするし😔

しかし何より、意外とキャストが豪華でしたねー✨被害者である当主が寺田農さん、摩子の母が若村麻由美さん、摩子の義父が中村俊介さん、当主の妻が野際陽子さん、当主の弟が金田明夫さん、主治医が高橋一生さんで……さらに、追い詰める刑事役として、津川雅彦さんと桐谷健太さん。あ、そしてストーリーテラー的な役割として登場するのが、さつきの勤めるバーのママ役の松下由樹さん。このキャラクターは、原作では摩子の家庭教師みたいな役どころです。
私実は、何となく「確か犯人は、主治医の先生じゃなかったっけ……?」とか思ってて(どっかであらすじっぽいのを見かけて)、だから高橋一生さん、とても怪しく見えました😂途中から「あれ、もしかしてこっちだっけ?」って迷う人はいましたけど。

原作でもドラマでも、摩子の母親は女性としてと母としての間で、揺れ動きますが……ドラマではその母の葛藤が、摩子とさつきが入れ替わっていることに気づいてから、ますます増していきます。その辺りを、さすが若村麻由美さんは細やかに演じてらっしゃいました👏✨
武井咲さんも、まったく境遇の違う2人が抱く憧れや失望、嫉妬や苦しみなんかをかなりよく表現してたと思います。この2人がさまざまな場面で見せる「母と娘」のシーンは、けっこう泣いてしまいました😢

あぁ、ミステリードラマの感想を、ネタバレせずに言うのは疲れる🤣
まぁちょっとかすめると、さつきが母にある提案をするその内容……法律に詳しくないと、思いつかないような気がするけど🤔という部分が引っかかったかな。まぁ、作り手側の意図を聞いたら、別の答えがあるのかもですけど。

原作を大きく翻案してしまったというよりは、原作にもう少し(かなり?)肉付けをして、ボリュームアップさせたといった感じの内容でした。原作や夏樹静子さんファンの方には不満もあるかもだけど、私はドラマの後で原作読んでも、どちらも満足できましたよ~😊脚本家さんが、原作をリスペクトしつつ練りに練り込んだのが伝わってきました✨

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