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カラマーゾフの兄弟(2013年・フジテレビ作品)

原作は有名なドストエフスキーの小説で、私はそもそもだいぶ昔に舞台化されたのを見て、興味を持って原作を手に入れたという順番です。
その時も舞台は日本に翻案されてたけど、2013年のフジのこの作品でも、舞台は日本ですべて日本人という設定になっていました。

とてつもなく悪人というか、お金にがめつくて人非人といった父親を吉田鋼太郎さん、粗野な感じで女好きでフラフラしている長男・斎藤工さん、弁護士をしながら理性と感情を一番うまくコントロールして見える次男・市原隼人さん、医師を目指しながら常に人の善悪について考えているような医学生の三男・林遣都さんが演じています。さらには、兄弟を追い詰めていく刑事さんを滝藤賢一さんが、兄弟の家で働く末松さんを、なんと松下洸平さんが演じていました!😲私、実は松下洸平さんが近年の密かなお気に入りなので😂見始めた理由は、そこにありました。

ストーリーの軸は単純で、ある日三兄弟の父親が何者かに殺されて、その犯人は誰か……?となるというものです。
確か原作では、わりとすぐに長男に容疑がかけられると思うのですが……このドラマでは、まずは兄弟三人ともに容疑がかけられて、やがて長男に絞り込まれるという感じでしたね。つまりは、兄弟それぞれに父親を恨んで殺しかねないベースがあるということを、殺される前に遡ってじっくりと描いていくといった感じです。

原作はもう何年も前に読んだきりなので、よく覚えてないのですが💦長男がけっこう粗野で単純な性格だったことと、三男が修道士かその見習いで、優しいというか気弱にも思える性格だったことは、何となく覚えてる気が🤔
このドラマでは次男が軸になっている感じですが、申し訳ないが私は原作の次男のキャラクターを、ほぼ覚えてないです😳たぶんいろんな映像化・舞台化でも、たいていが三男か、ある別のキャラクター(ネタバレなので言えません💦)をメインに据えて描いていて、次男をメインにすることはないのでは……?🤔そういう意味でも、なかなか視点の面白いドラマだと思いました。

ちなみに私が見た舞台では、長男を演じてたのは確か松重豊さんで、三男はつみきみほさんでした(男の子の役として)。松下洸平さんが演じてた役は、吹越満さんだったはず🤔
と書いてから気になったので調べましたが、すべてその通りでした😂1992年上演なのに、よく覚えてたな私(笑)
次男を演じてたのは、ヒカシューというバンドのボーカルで、当時よく舞台にも出てらした巻上公一さんという方ですね。父親役が誰だったのか分からないけど、もしかしてそもそも登場しない作りだったような気がします。それらしい人の名前がないし🤔

閑話休題(笑)あ、でも寄り道ついでに言えば……このドラマの主な舞台である黒澤家のお屋敷は、今年ドラマ化された「ミステリと言う勿れ」で、ガロくん達が住んでたお屋敷と一緒でした😂どっかで見たことあると思った(笑)同じフジの作品だから、フジの御用達のお屋敷なんでしょうか😁

ドストエフスキーというのは私は「罪と罰」と、これしか読んだことないし、ほとんど覚えてないんですけど😳でも何だか、人が自分に対して(同時に他人に対して)問いかけている善悪について、ひたすら描いているような気がします。
このドラマでも、三兄弟がそれぞれに善と悪について、考えて悩んで闘っている印象です。私の以前の記憶では、原作では主に三男だけのように思っていたけど。

とにかく父親が極悪人というか、真っ黒な印象の人なので……兄弟がみんな、あんな風にはなりたくないと願いながら、同時にその血のせいで、結局は自分も同じ人間なのではないかと苦しむところは、人間の普遍的なテーマのような気がしますね。虐待されて育った人が、自分も虐待するのではないかと恐れるとか聞くし。
だから、けっこうみんな共感できる中身だと思うし……知らない人には兄弟みんなが怪しく見えると思うので、謎解きとしても(ヒントは足りないですが😅)楽しめるかと思います。

しかし、それぞれのキャラクターと、役者さんのハマり方が実に素晴らしい✨
正直私は、斎藤工さんとか、市原隼人さんの演技自体とかはあんまり好きじゃないんですけど🙇‍♀️それでも違和感なく見られたし、キャラクターと演技のバランスがすごくうまく取られていると思います。

そして、個人的には……やはり、松下洸平さんが素晴らしい‼👏✨2013年当時だと、役者としてはほぼ無名だと思うのに(歌手がメインだったので)、よく起用されたなぁ😲という感じです。この役は、役者・松下洸平さんのファンなら、ぜひ見ておくべきだと思います。特に最後の方は、後に舞台で活躍される片鱗を見せるほどの、語りを聞かせてくださるので。まぁ、調べたらそれまでにも、けっこう舞台は出てらしたみたいですが😳でも私もホント、見て良かったと思いました😂

たぶん原作と違うところは、長男に正妻と愛人がいて火花散らして……みたいだったのを、長男の恋人が次男の同級生で、実は次男の好きな相手だったという設定になっているところでしょうか。
個人的には、その彼女がちょっとあざとく感じられるなぁとは思いましたが😔彼女が長男と次男の間にいるおかげで、なかなか良い展開になってたと思います。演じてた高梨臨さんは、「未解決の女」で見た時の方が(あっちが後なのに)幼い感じに見えて不思議でしたね。でもやっぱり、安定した演技力でした。
父親役の吉田鋼太郎さんも、私としてはおっさんずラブみたいな役より、こういう方がよっぽど好きです(笑)舞台で演じてるみたいに派手で仰々しい演技なんですが、それが余計にあの父親の毒々しさを強調していて、素晴らしかったです😂

チラリと「原作好きだから、がっかり」みたいな意見も見かけましたけど……舞台を日本にしてる時点で、もはや原作と同じようにはならないし💦私が原作をよく覚えてないからかもしれないけど、むしろ修道士の三男を医学生にしたりしてるのが、それなりに原作を踏まえた翻案してると思いましたけどね。三男は、精神医学に興味を向けるし。私としては、あくまで原作をベースとして、かつテーマとしては踏襲しているものとして見ると、面白かったですが。

このドラマはFODでしか配信されてないみたいで、意外とあんまり知られてないようなのが残念です(当時の記憶がある人を除いて)🥺すごくいいドラマなので、フジテレビさんがいつか太っ腹に、サブスク解禁してくれることを望む🙏💦

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