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運転を見てください。

免許取り立ての私の運転を見てほしいと言ったあとの、
菅野くんの反応については、その時、多分どきどきで胸がいっぱいだったせいか、菅野くんの反応が薄かったのか、年月のせいか、、その全部か、あまりよく覚えていないのですが、とりあえずOKではありました。

そして、次の土曜日の午後13時に彼の最寄りの駅のロータリーのところに私の祖父の車に乗って集合し、そこからドライブが始まりました。
確か、音楽はかけてなかった気がします。かける余裕なんかなかったろうし。

私は運転を見てもらいたいとは言ったものの、助手席側から、運転している彼の横顔をちらちらと見ているほうが、ほんとはずっと嬉しくて。
時々、途中のコンビニで休憩をしてから、交代で運転をしていました。

穏やかで知的な菅野くん、本好きで、いろんなことをよく知っていて関心させられました。そして私が話をしているときは真剣に聞いてくれ、面白い話(だったかな?)をしたときはちゃんといいリアクションもしてくれ、楽しく会話が弾みました。
時が止まってほしい、とはこういうことをいうんだなと思ったのを覚えています。

都内の した道をひたすらコトコトと走り、くるりと回ってまた馴染みのあるいつもの道を帰ってきました。
2時間ちょっとのドライブもそろそろ終わり、そして、最初、菅野くんを乗せたロータリーのところまで戻ってきました。

楽しい時間はあっという間に終わります。あぁ、もうこのドライブも終わっちゃう。。
私は、最後に、「ありがとうございました。今日は楽しかったです。また、練習付き合ってください。」とドキマギしながら言いました。

「うん、またいこう。」 彼は静かに微笑んでくれました。           
  つづく


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