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12曲目: Major Lance「The Monkey Time」と気まぐれな連想記憶について、など

曲名: The Monkey Time
アーティスト: Major Lance
作詞・作曲: Curtis Mayfield
初出盤の発売年: 1963年
収録CD:『Everybody Loves A Good Time! The Best Of Major Lance』 [Legacy/Epic(輸入盤)]
曲のキー: F(ヘ長調)

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前回の「The Blister」に書いたことと関連するが、自分の記憶というのは気まぐれなものだと痛感する。
以前、ジェイムズ・テイラーの「Whenever You're Ready」という曲を聞いていて、ふとデジャヴ(=既視感)のようなものを味わった。
似た曲があったような気がして、「ウェネヴァヨーゥレーディ」と何度か歌ってみたが、どうしても思い出せず少しイライラした。
しかし、最近はあきらめるとすぐ忘れるようになったこともあり(笑)、この件はそれきりになっていた。

先日、ローリング・ストーンズの1981年ツアーのライヴ盤『スティル・ライフ』をかけていた時のこと、「Under My Thumb」のギターを聞いていて、突然頭の中の紛失物が見つかった。

♪ Whenever you're ready

は「The Monkey Time」の歌詞の一部だった。

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「The Monkey Time」は、まずイントロのギターと「ブーー」というトロンボーン?がいい。このギターは曲の作者であるカーティス・メイフィールド本人が弾いていると思われる。
曲中、コーラス部分とブリッジ部分を除いて、ギターはほぼイントロのパターンだけで押し通しているが、このリフ(と言っていいのか分からない)がソングライターたちのインスピレーションの源になっているようだ。

たとえば、ローリング・ストーンズのシングル「As Tears Go By」のB面だった「Gotta Get Away」などは、「The Monkey Time」リフを少し変えて借用しているという感じがする。「The Monkey Time」はキース•リチャーズの好みなのかもしれない。

「Under My Thumb」のスタジオ録音には流用されていないのだが、1966年当時のライヴ盤である『ガット・ライヴ・イフ・ユー・ウォント・イット!』に収録されたヴァージョンでは、既にこのリフを加えたアレンジになっている。
また、1969年ツアーでは同曲のエンディングでこのリフを繰り返す中、ミック・ジャガーが「I'm Free」を歌い出すというメドレー形式になっているのが面白い。

もう一例。ブルース・スプリングスティーンのセカンド・アルバムの冒頭に入っている「The E Street Shuffle」も影響下にあると思う。ホーンによるプチ・プレリュードに引き続いて、ブルースは16ビート・カッティングにアレンジして弾いている。(ドゥービー・ブラザーズの「Long Train Running」のイントロと合体したような感じ、と言えばいいだろうか。)

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メジャー・ランス。さっきもYouTubeで「The Monkey Time」や「Rhythm」を見たが(どちらもTV番組出演時のもので、口パク)、歌っている時の足の動きがステキだ。
当然歌も素晴らしい。バックコーラスでカーティスっぽい声も聞こえるような気がするが、参加してるのかな?


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