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『COCOON -星ひとつ編-』

『COCOON -星ひとつ編-』
脚本・演出 末満健一

【東京公演】
2019年5月11日(土)~5月26日(日)
@サンシャイン劇場
【大阪公演】
2019年5月30日(木)~6月5日(水)
@サンケイホールブリーゼ

5/13夜公演を見た!

こんなに禍根残さずに終わるトランプシリーズ作品あったっけ?史上最速開幕して10秒で泣いた.........デリコ家のお葬式してくれてありがとう....

末満健一氏はシリーズものにはシリーズを追っかける意味をとことんつけてくれるけど、『TRUMP』と『グランギニョル』、『SPECTER』を見ている人にはあまりに色々な血の繋がりや過去の遺恨、それぞれの抱えている想いが効きすぎて、いたるところでやり切れなさや呪いを思い起こしては辛くなったり悲しくなったりあったかくなったりしてもう感情が大渋滞。

わたしは、染谷俊之さん演じるダリ・デリコが大好きで。高潔であるがゆえに不器用に頑なになって上手くやれないこともあったり、しかし持っている愛情は本物で。息子達を失ったやり切れなさや、フリーダ様がいないことによる孤独と後悔、いろんなものがよぎってしまってつらい....ダリちゃんは幸せになれないんですか......誰が幸せにするんですか...ひとつの星を失ってなお、全てを奪うんですか.........また僕の目の前で死ぬんですかとかほざいてるクラウスの甘ったれを思い出すとホントに、、、ホントに黒い気持ちになるんですけど、、、、、、お前のせいで同じような目にあってる人いるんですけど、、、、、、、、、、

それでもウルの亡骸をみて凛と「誰一人として泣くことは許さない」「お前は星を手に入れたんだな」「あ〜........ドブくせえ!」、、、、と言ったダリがあまりに気高く愛情深い父親でむり.......むり...............なにあの光溢れて亡骸を悼むように赤い花弁を降らせるせる演出.....くそッすえみつけんいちめ............................なんでこんなに上手くいかないのかなって胸かきむしりたくなるくらい、暖かい感情がずっと空回りしていくこのシリーズだけど、少しだけ、ソフィのウルへの気持ちが形になって、ダリの愛情が溢れてて、私たち観客はちょっとだけ希望を覚えることができるのだけど、、、いやでも、、、、、、、実際には、ダリちゃんは尚地獄にいるし、ソフィのその後を考えるとあまりにあかんのよな......

地獄を終わらせてくれ

宮崎秋人さんはペダルの新開さんとか薄桜鬼の新八のイメージがあって、強い人の役をやってるイメージがあったのだけど、ウルの弱さが笑顔に滲んでたり、不安定になるシーンも素晴らしく上手くて素敵だった。木戸くんのガバンリも、三津谷くんのソフィも好きだったし、なんかもう役者さんに対して文句一切でないくらい賞賛で埋めたくなるんだけど、安西慎太郎さんが大優勝だった。出てくるだけでニコニコしちゃう。あまりにもうまい。こんな役もできるのかこの人は。万能かよ。

まーーーーーじでお話が面白い。最高だった。月の翳り編も楽しみだ。

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