ペンライトを渡された話


ペンライトを渡されました。

2月にさいたまの会場でやったライブに行ってきました。雪がすごかったです。

自分にとっては人生で初めて参加するライブイベントで、そもそもラブライブ!にハマったのも比較的最近。音楽は好きだけどライブとか縁がなかったんですよね。誘ってくれる友達も居ないし。

1年ぐらい前にテレビでやってるのを見て、その時点ではなんとなく面白いな〜と思ってたんですが、なんか曲聴いてたらライブイベントってのにも参加してみたいってぼんやり考えるようになって。
たまたまの偶然で当てたチケットで参加したのがそのライブでした。4年後の自分だったら『見えない力』って呼びそう。

そもそもコールって何?
UOって何の略?
ペンライトって必要なもんなの?

気合入れてって知らない場所で1人で浮いても嫌だし、とりあえず今回は手ぶらで参加してみよう。ラブライブレードとか呼ばれてるペンライト、一本3500円とか学生には高すぎるし。

そんな風に思って1人で会場入ったら、まずその広さにビビったんですよね。
1年後の自分も広いと思うけど、6年後の自分は若干狭いと感じそうな会場はスモークが強くて、初めてライブに参加する自分には現実離れした場所に見えました。

そんな広い会場に一席、僕に与えられた場所に番号を何度も確認してから座りました。
この時点では、興奮より緊張強め。
周りはみんな法被きてたりメッセンジャーバッグに缶バッジ付けてて驚いたし。

逆に塾行くみたいな普通の格好で参加した自分の方が浮いてるし、家にあった一番くじのタオルとか持ってくれば良かったかなぁとか考えて。
あと、会場ですれ違った人が着てた一番くじラストワンのTシャツを見て良いなぁって思った。

ってキョロキョロしてたら隣の席のおじさんが話しかけてきたんですよ。

『ペンライト余ってるんでどうぞ』

いや、お前誰〜〜!!!

誰か分からない謎のおっさんに突然ペンライト渡されて、混乱しながら『あ、ハイ』って言って受け取った僕。

どうぞも意味分からないし、そもそも本当にこのペンライトってライブで使うのか?曲聴きにきてるんだから無くても良くないか?
そもそもなんでこのおっさんは見知らぬ僕にいきなりペンライト貸してきてるんだ?

色々考えたけど受け取っちゃったしそのまま席に座ってた。
隣の席のおっさんはそれ以上何も言わずに、僕とおっさんの無言2連番。シュールかよ。

現場の雰囲気とかも何も分からないけど、どんな感じなんだろって首傾げてたまま開幕したライブ。表題は『ENDLESS PARADE』。


あれから、9年が経って。
今度は僕が若い子の隣の席に座ってる謎のおっさんになってる。

普通に考えてあのおっさんはもうとっくに他界してるだろうし、顔も覚えちゃ無いんだけど。
コロナ禍でペンライト渡したりは出来ないんだけど。

初めて足を踏み入れた日におっさんがくれた愛と思いやりは、次の若い世代に差し出していける謎のおっさんで自分もありたい。

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