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「喋る前には一呼吸、置きなさい」の意味が分かる。

88歳の母が一人掛けのリクライニングチェアが欲しいというので、私が通販で注文することになった。スマホで検索しながら、そばにいる夫に、母に頼まれて注文することをうっかり言ってしまった。

夫「いくらするの?」 (なんでもお金が判断基準)
私「2万ちょっとかな」
夫「高!!!もうこの先何十年もないんだから、そんなにいいのじゃなくてもいいんじゃない?ニトリにでも行って見てみたら。」
と、例によって会社の上司のような物言いで言う。麻生と同じだ。

は!? こういう場面にだいぶ慣れてきた私はイラッとする表情を抑え、

「もうすぐ死ぬのよ!」
行間の読めない夫にはこれぐらいはっきり言わないと伝わらない。
私「もうすぐ死ぬのよ。圧迫骨折で腰が痛いから、最後ぐらい自分の気に入った椅子でゆっくりしたいんだって。」
夫「まあ、そういう考え方もあるけど~○★△※◇」

先が短いから、最後ぐらい自分の気に入った物を買いたい。
先が短いから、そんなにいい物を買わなくてもいい。

価値観は正反対だ。

父親の介護をちゃんとしなかったと、義姉のことを悪く言う夫だけど、あなたも大して変わらない。

母は、腰と膝が痛くて旅行もできないし、超用心深いからめったに外に出ない。今や、父と私以外で会う人は病院の先生と看護師さんぐらい。めったに贅沢をしない母が2万円のリクライニングチェアを買って何が悪い?

父も似たようなものだ。母が5年ほど前、畳の上に布団を敷いて寝るのは立ち上がる時にしんどくなってきたからベッドを買いたいと言ったとき、
「ベッドなんか置いたらずっと寝る癖がついて動けなくなる。必要ない。」とシャットアウト。
それは私が二人を店に連れていき、さっさと買ったが、店でも父は不機嫌だった。

何十万円、何百万円もする物を勝手に買うのはよくないと思うけど、なぜ普段使うもの、本人が欲しいと言っている物を「そんなもの必要ない」と言うのか。

ちょっと本題から外れた。
私と夫は価値観が正反対だから、私はいつの間にか「○○が欲しい」とか「○○へ行きたい」とか言わなくなった。言っても楽しい話にはならないからね。遥か30年前、付き合ってた頃は我慢して私に合わせてたんだね。

また外れた。

言いたいことは、ヨガの師が言った
「喋る前には一呼吸、置きなさい」ということ。

え?!と思っても、世の中にはいろいろな考え方がある。相手にも何か事情があるのかもしれない。それを一瞬考えてから喋りなさいという意味なのだ。

夫のように思ったことをすぐ口に出すのは、百害あって一利なし。
しかし、思った。
私の何気なく言った言葉が誰かを傷つけることもあるかもしれない。
実は私、すぐ口には出さないが「ひと言多い」ことがある。
気をつけようっと。合掌。

※もうダメだと言いながら超用心深い母は多分100まで生きると思います。

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