シネマレビュー用阪急

映画レビュー。セットで3つ。

映画レビューまとめ。


(2012年9月17日、レビュー作成)

昨日は一日、映画を見まくりでした(笑)

まず5時に起床(笑)
昨日酔っ払ってさっさと寝てしまい、体の節々が痛くて目が覚めた次第で(笑)

で、あまりにも早く起きたので、朝もはよから、君塚良一『監督』の『MAKOTO』を視聴しました。 



この映画、私もリアルタイムで読んでいた、郷田マモラ原作の漫画を映画化したものです。
『きらきらひかる』と同じ世界観で展開する、やはり監察医の男性の物語で『きらきら~』よりもオカルト性の高い物語なんですが、映画はその神秘性を更に強調したものとなってました。

脚本家として一流である君塚さんの初監督作品だけあって、――まあ正直言うと多少一人よがりなくらいに演出過多になっていたカットもありましたけど、全体を通して言えば、良かったなとは思います。

原作の『彼ら』をああいう形で忠実に表現されたことは、原作を読んでいたファンにとっては嬉しい限りでしたね。

君塚監督、この後に「容疑者 室井慎次」の監督もされてましたが、
どちらも共通して無言の『間』を強調するカメラワークや演出をされていて、やっぱり脚本家なんだなぁ、と妙に納得しました(笑)




その後、ジャスコにお使いに走り、戻ってきて、次の映画へ……と行く前に、佐藤雅夫さんの訃報を知りました。
元東映の京都撮影所長さんですが、この人の携わった企画制作作品には、ほんと様々なものがありまして。
間違えるといけないので、代表的なものをgoo映画からピックアップしてみました。
まずは我が敬愛する原田眞人監督絡みで、『金融腐蝕列島 呪縛』(1999)の企画と、『突入せよ! あさま山荘事件』(2002)の制作をされてましたね。
ほかにも『空海』(1984)では原案からプロデューサー、制作などをし、『バトル・ロワイアル』シリーズや『スペーストラベラーズ』(2000)、『社 葬』(1989)、『華の乱』(1988)、『肉体の門』(1988)、『火宅の人』(1986)、『コータローまかりとおる!』(1984)、『伊賀野 カバ丸』(1983)、『ゴルゴ13 九竜の首』(1977)などの企画や、『GO』(2001)『RED SHADOW 赤影』(2001)、『溺れる 魚』(2001)などの制作、プロデューサーとして『二代目はクリスチャン』(1985)、『里見八犬伝』(1983)、『伊賀忍法帖』(1982)、 『蒲田行進曲』(1982)、『魔界転生』(1981)などなど……。
さすが映画製作のど真ん中にいらっしゃった方だけあって、緩急取り混ぜて、ほんとうに色々な映画に携わってきた人だったんだなぁ、と驚きました。

というわけで、お昼をはさみ、午後から観たのは『阪急電車』を視聴。
小説で既に読んでいたにも関わらず、新鮮な気持ちで視聴を終えることができました。 



雰囲気的には懐かしい邦画『大停電の夜に』に近いのかな?
たった片道15分の阪急電鉄宝塚線の、車内を中心に展開される群像劇です。

冒頭の16分で登場人物たちの、『死にたいというほどじゃない』程度の鬱屈した気持ちが描かれたのち、本編へ。
本編では、宝塚線の各駅に停車しながら、ドラマが時系列的に展開されていきます。

まったく、ねえ。
有川先生の原作を、ここまでしっかりとした映画にしてくれるとは。

もともと原作が、群像劇として見事に組み立てられた作品だったですが、
それをそのまま映画にするのではなく、映画としてのアレンジがきちんとなされていて、
観終えた後の爽快感がとても気持の良い映画に仕上がってました。

っと、その後はひと休みした後ご飯食べて、
……そうそう、生サンマがいよいよスーパーに出たんですよ!78円で!
いやあ、美味しかったです♪

……こほん。ソレはソレとして。
ひと休みしたのち、夜は三本目の、先日から気になって仕方なかった塚本晋也監督の映画、『KOTOKO』を視聴しました。

これ、塚本監督がアーティストのCoccoさんに熱烈なラブコールをしたことで作られた映画だそうで。
ストーリーなどは……なんて言うか、上手く説明できないので、公式HPのURLを貼っておきます(笑)

映画『KOTOKO』の公式サイト
http://www.makotoyacoltd.jp/kotoko-movie/

Coccoさんの表現したいことと、塚本監督のあの激烈な演出が、ほんとに面白いくらい…
…いや違うか、気持ち悪いくらいに見事にからみ合っていた映画でした。
なんて言うか、彼女の激しい感情と、その歌声の優しさのギャップがまず激しいんですよ。

静と動、平穏と暴力、正気と狂気。
相容れないそれぞれの表現が津波のように次々と押し寄せるんです。

塚本監督らしい、激しい痛みを『感じる』映像が、
彼女の狂ったような叫びと同調して、
正視に耐えないほどの激烈さで私に襲いかかり、

それ故に、平穏で穏やかな場面に切り替わった途端に本心から安らぎを覚えるのだけど、
安心して油断していると、またすぐに狂気が襲いかかってきて。

本当に狂ったジェットコースターに乗っているような気分になって、
でも途中まではまだ比較的冷静に観ることができてたんですが。

塚本監督が物語世界に登場してからが、更に強烈でした。

更にヒートアップする暴力。
更に優しくなる平穏と、激しくなる彼女の歌声。
静と動の振り幅が、彼が登場することで更に極端に振れていって。

――そして。
全てが穏やかなままで、ラストを迎える。


……いやもう、この映画、彼女の歌声と、結末だけが救いです。
これらが無ければ、全部持ってかれるところでした(^_^;)

やっぱすげえや、塚本監督。
そして、壮絶な女性ですな、Coccoという人は。


なお。
この「KOTOKO」という映画。
リストカット等の痛みを感じる描写が多々出てきます。
その系の描写に弱い方は、鑑賞を避けられたほうが良いです。

ってなところで。
今日はもし借りるなら、『しあわせのパン』とか『逆転裁判』とか、軽いのにしよう。そうしよう(^_^;) 



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