イーハトーヴシンガーズ第5回定期公演

WUG Finalツアー 岩手公演の企画コーナーでWUGちゃん達と共演した合唱団「イーハトーヴシンガーズ」。
岩手出身とはいえ実家を離れて15年ほど。その時初めて存在を知り、6月に行う定期公演で「言の葉 青葉」を再演してくれるという事で通常なかなか帰省しないこの時期に岩手へ向かう事に。

目次
 1.第1部~アンコール
 2.岩手県内ネタ解説(知ってる範囲で)
 3.最後に

1.第1部

頂いたパンフレットによると中学生向けの合唱曲が中心という事でそういう感じの曲目が並ぶ。
中学生時代に自分が歌った曲歌ってない曲いろいろあった。 

・勝利の行進
なんか聴いたことある!と思ったらTVのサッカー関連で良く掛かる、と聞いてなるほどそれかーと。

・イーハトーヴの風
自分のこの曲のイメージは完全にあんべ光俊版で固定されていたので、岩手を離れた後に合唱曲として昇華されていたという事を全く知らなかった。
なのでWUGの昼公演で突然演奏され、あまりの衝撃で号泣してしまうという事態に。今回ようやく落ち着いて曲に対して向き合えた気がする。

・夢の世界を
中学の思い出その1。改めて聴くとシンプルかつめっちゃ短い…?
自パートが余裕で思い出せる程印象に残っている曲。

・流浪の民
合唱曲が話題に上る際、必ずと言っていいほど出てくる曲なのだけど自分は未経験。
テーマ的に採用しなかったのか、ソロパートがあるから意図的に候補から外していたのか。今となってはよくわからず。

・旅立ちの詩
久石譲氏が長野五輪の際に書いた曲という事で全く馴染みが無かった曲。WUGの夜公演で初めて聴いて、今回が2度目。

・時の旅人
思い出その2。自分が実演した事がある中では最も好きな曲。夢の世界を と同じ作曲者という事をこの日初めて知って驚くとともに、そう言われればなるほど納得感。
改めて聴くと今に至る楽曲の好みの大元になっているなーという気がした。

・心の瞳
坂本九さんの曲とのことだったけれど、これも縁が無かった曲。年に2曲とかしかやらないので他クラスは歌ってたかもだけど、自分で歌わないと覚えないよね…

・言の葉 青葉
WUGの時は全くもって冷静になれなかったため、改めて今回ある程度落ち着いて聴くことができた。はっきりとはわからないけれどもWUGの時とは最後の方とかアレンジが変わってるのかな?と思いつつ聴き入っていた。
主宰/指揮者の太田代氏曰く、この曲が教科書に載るようになればと歌い継いでいくという想い。
教科書(合唱曲集)に掲載されて歌われるという事即ち世代を超える共通体験になるのだなぁとこの第1部を通して実感できたのが、この公演最大の収穫だったといっても過言ではない。

第2部

モーツァルトの楽曲を各種ソリストの方々を交えて演奏、歌唱する形式。
レクイエムは過去何度か映画「アマデウス」を授業などで観ていたし、当時CDでフル尺は聴いていたことがあったのでだいぶ馴染みのある音。
オペラには全く馴染みが無かったため魔笛を聴く(観る)のはほぼほぼ初めて。wikiのあらすじなどを見る限り味見版みたいな構成だったのかなと。
レクイエムのインパクト強めな楽章は今聴くとどこかのアニメで聴いた曲ばかりというか大体エヴァ、みたいなことを改めて思ったり。

語り部がIBC岩手放送の大塚富夫アナだったのがもうびっくりしたところ。
1部と2部の間にパンフレットで名前を見て自分だけテンション上がってたのだけれど、同行者(秋田&宮城県民)にはうまいこと説明できず。
物心ついた時からずっと声を聴いていた方なのでとても嬉しかった。

アンコール

(多少抜けがあるかもですがご容赦を)
なんかぬるっと始まったアンコール、唐突に始まる大地讃頌。
大地讃頌は母校の中学で卒業式に必ず歌われる曲だったので本番3回を行ったわけで、最も回数を歌った合唱曲なので感慨もひとしお。年ごとにテノールとバスを行き来していたので両方歌えそうなごっちゃになってそうな感覚で聴いていた。

そこからいったん捌けて太田代氏と各楽器パートの代表と即興セッション。弦楽器代表はヴァイオリンの方と葉加瀬太郎氏のリサイタルのCMで良く掛かってるやつ(曲名を失念してしまった)。
金管代表はトランペットの方で太田代氏が「今日は大塚さんが来てて、トランペットといえば…」って振った所でもうアレしかないやんーと察してたらその通りにニニ・ロッソのソレアードが流れてこれよこれ…ってなってた。
アンケートに曲名を書こうとしてなんだっけ…ってなってしまい、誤って同アーティストの「星空のトランペット」と書いてしまったのが最大の失敗…

その際に大塚さんも袖から出てきていただいて、ラジソン(後述します)小話などをしている間に合唱団の方々が私服というか原色率高めな色とりどりのTシャツで登場…ってか結構な人数(25%くらい)の方がWUG関連Tシャツ着てるし、何ならかやたんのお姉さんの着てるそれってかやたんのアンコールで着てたやつなのでは…と自分含め周囲がざわついていた。

で、予告アンコールの「言の葉 青葉」。全然歌えるでしょと思っていたのに実際に発声しようとするとちょいちょいこみあげてきて、所々ハミングでごまかしたりしつつ2番が終わる。
で、まゆしぃソロ(実際にはソロではない)かーと漠然と思ってたら(打線を)TUNAGOのイントロが流れてきてHA?!!!ってなりKO。降参でした。

最後はいつもラストはこの曲という「涙をこえて」で合唱団の方々が客席降りという自分の中では衝撃の展開に。でもすごく良い雰囲気で終われたな、と。惜しむらくはやはり自分がこの曲に馴染みが無かったことくらい…でもここで聴いたので次回以降は!と思わせてくれるこの感じ。
演者の方々にお見送られて退出させていただいた。

2.岩手県内ネタ解説

もうあまりに岩手県民以外知らんやろ的なネタが散りばめられていたので説明できる範囲で背景を説明。といっても大塚富夫アナ周辺の話となってしまうけれども…

まず大前提として、1980年代までは岩手県内の放送局はNHK、IBC岩手放送、TVIテレビ岩手の民放2局のみであった。
その中でもIBCは民放局としてはダントツに古く、また県内で唯一の民放AM局であったため当時県内の(特に若者向け)ラジオ需要を一手に担ってた局でもあった。
大塚さんはIBCで45年以上第一線で活躍されている方で。
自分と同年代より上なら知らない人はいないだろうIBC TOP40という4時間くらいの音楽番組や、現在も続く土曜昼のワイド番組「タウン」等々。

そんなIBCで連綿と続いている番組の一つに「IBC ラジオ・チャリティ・ミュージックソン(ラジソン)」があり。クリスマスイブの12時からニッポン放送が主催している24時間番組のネット扱いなのだけど、ほとんどのパートがIBC制作という「ネットとは…」という番組。そのパーソナリティもまた長年勤められていた。
で、前述のソレアードは番組内でももちろん掛かるのだけども、ラジソンの前後半年くらいの期間、IBC制作のありとあらゆる番組内やCMで延々と流れるのでもう岩手県民なら知らない人は居ないという曲になっているわけで。
だからトランペット+大塚さん=ソレアード になるのは必然。

IBCアナウンサーの方々はラジオ番組で現在でも朗読を結構行っていて、小中学生の作文やら民話やらを偶然耳にすることが今でもあり。
極めつけは盛岡文士劇という舞台を毎年行っていて、同局のアナウンサー歴が長い方々は朗読や演劇経験が多いイメージ。

20年前くらいは大塚さんも恰幅が良くて「アンパンマン」なんて言われていましたがすっかり縮んで見えてしまったあたりに歳月を感じるな…と。

岩手県内に住んでない時期が長すぎて太田代氏のCMソングネタが理解できなかったのですが、同行者の生粋県民はばっちり反応していました。
岩手のCMソングって言ったら岩手酪農運送やペコ&ペコや岩手川でしょ?みたいな人間だったので…

3.最後に

そもそもは「言の葉 青葉」を聴きたい!から決めた遠征でしたが、すべてが満遍なく楽しい…というか愉快な公演にしよう!という意気込みが凄く伝わってきて。
WUG云々なしに偶然出会っていたとしてもまた行きたい!と思える素晴らしい公演でした。なんなら東京公演もそのノリで行きたかったのですがピンポイントでダメな日だったのが無念でならず。
この文をここまで見てくれていて岩手に来ていないワグナーがどれだけいるかわからないけど、都合が合えばぜひ一度行って聴いて観て欲しいなと。

自分も岩手は結構好きな方だと思っていましたが、かやたん(&家族)や太田代氏の溢れんばかりの岩手愛に触れて「なんかよくわからんけど頑張ろう」と思えた良い公演との出会いでした。

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