1月15日

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116日目

延長戦16日目

とうとうビスコを買い続ける日々に終わりがきた。

ローソン お姐さん。最近遅いですねと言われた。仕事が忙しくてー、と答えた。嘘である。本当は定時で上がっている。このビスコあだ名チャレンジ延長戦になってからは、ローソンの夕夜シフトでいちばん客が少なくなる時間帯、9時頃に来店している。店員さんとあだ名についてしっかり話をするのならば、ほかの客によって会話が妨げられるのは避けたいからだ。

今日は水曜、予想通りお姐さんのペアはサブリーダー。もはや私には何曜日に誰がレジに立つかなどは手に取るようにわかる。サブリーダーは他の若い二人(副店長と娘思方)に比べて会話に入ってくる率が高い。さらに言うと水曜は納品がないため、棚の補充などで忙しくなることもない。ちょっとストーカー気質っぽいが、100日も通っていればこのような店のサイクルは自然と頭に入る。あだ名について聞くのにうってつけの日だ。

お姐さんが「お仕事忙しくて大変ですね〜」といいながらレジを打ってるところに、実はビスコをずっと買ってたのには理由があって、それは店員さんにあだ名をつけてもらいたかったからだ、という説明する。

するとお姐さんは「ビスコのお兄さんです。」と即答。

そのまま続けて「え、なんですか?研究でもしてるんですか?」と困惑した様子になった。

「あだ名なんて、とっくに付いてますよ。1週間でお兄さんはビスコのお兄さんになってます。」

ファミマのふたり(気だるげ店員、高身長丁寧店員)とまったく同じ、「ビスコのお兄さん」とのことだった。それをあだ名と言えるかどうかは微妙なところではあるが。

「ビスコのお兄さん、という呼び方になるのは仕方がないですよ。だって私お兄さんの名前知らないんですもん!」

ビスコ毎日買ったらあだ名が付くかなー、と思ってずっと買ってたんです。と言うと

「え、じゃあいままでムリしてビスコ買ってたってことですか!?」とお姐さんは言った。

「私は心配していたんですよ。毎日ビスコで栄養片寄らないのかな、おなか空かないのかな、って。お兄さんにはもっとちゃんと栄養のあるもの食べて欲しくて。でも、ずっとビスコが大好きな人だとおもっていたから驚いきました。」

私は、ビスコ好きなのは本当ですよー!と笑いながら伝えた。

ここでサブリーダーも近くにいたので、お客さんにあだ名とかって付けますか?と話を振ってみた。


「毎日タバコとか、コーヒー買いに来る人は覚えますね。レジに来る前に用意しますね。

でもあだ名っていうのはないかも。コーヒーやタバコだと同じものを買っていく人がたくさんいるので。あ、おでんの人きたな、とか、それぐらいは思うけど笑

でもそういう同じお菓子を毎日買っていく人はいないですね。そういった意味では、この店であだ名がついてるのはお兄さんぐらいかもしれないですね。」

とのことだった。

私が、もう家に100箱以上ビスコがあるからこれから数ヵ月かけて消費する必要がある。ということを言うと

「じゃあもうビスコは飽きちゃったんですね。」とお姐さんが言う。

そうですね、飽きてきました。と私が返すと

「でもビスコに飽きちゃったからって、これから来なくなっちゃったら寂しいですね。」と本当に悲しそうに話すので、こっちまで悲しい気持ちになってしまった。

これからも買いに来ますよ!と言うと

「一回プリングルスを買いにきたときはすごくびっくりした。これからは別のものを買いに来てください!」とお姐さんに言われて、なんだか泣きそうになってしまった。

お客さんも来ず、5分ぐらい話ができたと思う。

思いつきで去年の9月からビスコを買い始めて、期待したようなオモシロあだ名は全然つかなかったが、客と店員という関係はどんどん変化して今ではこんなに長く話をするまでになった。長い時間が経ったのだな、と思う。毎日往復30分かけて通って本当に本当に面倒で何度もサボろうとしたが、終わってみると続けた甲斐もあったと思う。お姐さんも本当に寂しそうだったので、これからも通っていくつもりだ。

最後に結論だけ

100日間ビスコを毎日買ったらコンビニ店員にあだ名をつけてもらえるか?


オモシロあだ名はつかない
「ビスコのお兄さん」になる確率100%

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