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ホメホスタシス

この世はぬるい。だからやったもん勝ちの世界だ。と調子に乗ってみる。
やるヤツと、やらないヤツの違いは行動力ばかりではなくてコンフォートゾーンに関係してると思う。

コンフォートゾーンとは、「快適な空間」を意味する語である。心理学などでは、ストレスや不安が無く、限りなく落ち着いた精神状態でいられる場所を指す。とある。

人間はコンフォートゾーン内に居るのが安全だと設計されている。このコンフォートゾーンを一歩出ると、脳が、そこは危ない空間だと元通りの場所に戻そうとする。
たとえば、起業を志すけれど、失敗したら生活に相当なダメージを負う。もしかしたら取り返しのつかない事になるかもしれない。事業が失敗して生活のすべてを取られる人もいる。
居酒屋で、オレは夢を追いかけて独立起業するんだ!と鼻息を荒く話している人を見る事があるけれど、次の日には別人かよ!と突っ込みたくなる人も今まで沢山会ってきた。
夢を追いかけて起業したら生活できずに大きな借金を抱えて死ぬかもしれない。だから波風を立てずに今までの仕事を続けよう。
となるんだなこれが。。。

で、その時にあの大きな決心と、あの時の気持ちの高ぶりは一体なんだったんだと、翌日に落胆するコトが僕にも何度もあった。

僕は起業してから10年目に突入したけれど、今でも新規事業を始める時はずっとこの感覚だ。
それを生物学ではホメホスタシスと言うらしい。

「ホメホスタシスとは、生体が変化を拒み、一定の状態を維持しようとする働きのこと。これを「恒常性」とも呼ばれる。
ホメオスタシスに関わっているのは、自律神経系や免疫系、ホルモンを生成する内分泌系だ。たとえば、私たち哺乳類は、周囲の気温が高くなっても、それに合わせて体温が上がったりしない。自律神経が機能し、汗をかいて体温を一定に調節している」とある。

それは人間をやってるんだから「しょうがない」としか言いようがない。チャレンジを志して、翌日には冷静になってブルブルと震えている自分に向き合う事も大事な事だ。

僕も、コロナにボコボコにされてこのままでは死んでしまうくらいのダメージを受けた時にどうしようかと思い悩んだ。
毎月の運転資金も足りない中で、コロナ融資の一部を活用して巨額の投資をして始めたフィットネス事業。
あの事業が失敗してたら無双心は終わってた。

毎晩の様に葛藤した。やると決めたのに、自分の中でホメホスタシスが働いてコンフォートゾーンに戻された。
でも、逆に「やらなきゃ死んでしまう。」その気持ちの方が大きかったので絶対に成功させるのだと、右も左も分からないまま、法人を作って畑違いの新規事業に参入した。

お陰様で「株式会社無双心フィット」の運営するフィットネス事業もすぐに軌道に乗った。
今、振り返ってみると、もしもフィットネス事業にチャレンジしてなかったら事業資金はお風呂の栓を抜いた様にドンドンと減っていってたに違いない。
スタッフも守れてなかったかもしれない。
お金も気持ちの余裕も無くなってただろう。

だから、あの苦しい中での決断とチャレンジが今の僕を救ってくれたと言っても過言じゃない。

どうやったらコンフォートゾーンから抜け出して自分の中の、ホメホスタシスに追いつかれない様に、毎日の気持ちが落ちないようにできるのか。
それを今までの経験からそれを考えてみると、

まず、自分に素直になるコトが大事だ。今の自分の実力と向き合うのだ。そして起業する前から圧倒的にクオリティの高い武器(商品)を持つ事が大事た。
これほどSNSが発達したら嘘モンは通じなくなった。
だから商品のクオリティだけを頼りに勝負するのだ。

そして、市場調査を徹底的にした上で起業独立しても生活ができるのかと算盤を弾くのだ。
飲食店を起業するなら、客単価と、客数と、営業時間と、営業日数✖️自分の圧倒的なクオリティの武器の破壊力で月の売上を予測する事から始める。

そこまでしてもコロナ禍では失敗するかもしれない。
コロナは自分が想定しているよりも更に強力だ。
コロナは街から人を消すくらいヤバい奴だ。
コロナは世の中のすべてを変えた。
心地良かった場所が居心地が悪くなったら自分が成長した証だ。と僕は思う様にしてる。

コロナ前まで僕には3店舗のラーメン店が心地良かった場所だけれど、コロナ禍以降、そうも言ってられなくなった。
フィットネス事業はみんな大きなギャンブルだと言った。でも僕はそうは思ってなかった。
ラーメン屋の僕は何度も算盤を弾いた。
マシンのクオリティや、運営システム、ジムの面積や、駐車場の広さなどから京都の亀岡以北ではどこにも負けないくらいのフィットネスジムを作った。
更に、亀岡以北には無かった、日焼けマシンとコラーゲンマシンまで導入した。

コロナの真っ只中にあれほどの大きな投資をした。寝ても覚めても、失敗を想定してしまってた。
「あかん。めっちゃ怖い。」
それしか考えれなくなってた。

でも、今のこの不安は、ホメホスタシスが働いているんだな。とまずは自分の心の動きを冷静に理解して対処した。
それによってコンフォートゾーンを少しずつ抜け出せた。

「変わりたいけど変われない」
そんな時は、自分のコンフォートゾーンとホメホスタシスを意識してみるのも良いかもしれない。


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