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藤井風さん*HELP EVER HALL TOUR*福岡市民会館レポ

2021年1月28日、藤井風さんのライブに初参戦。

応募したものの見事にはずれガックリしていたのだが、幸運にも直前になってチケプラによるトレードで当たってしまった!(一生分の運を使い果たしたかもしれないがそれでも良い!)
何か事情があって、せっかく手に入れていたチケットを手放すことになった方がいらっしゃったからこそ行くことができた今回のツアー、本当に申し訳なくもありがたいことだ。

もういろんなことが手につかない感じ。

今まで数々のライブに行ってきたが、数日前からこんなにソワソワして落ち着かなかったことは初めてだった。
なんでだろう?”生風さん”に会えることがこんなに嬉しいなんて。
しかも会場は小さめの「福岡市民会館」。音響が良いことで有名だ。
(”音楽職人”山下達郎さんなどは、以前はここ以外ではライブをしなかったくらいだ。もっと大きなキャパでももちろん満員集客できるのに!)
あのピアノが、あの声がもうすぐ生で聴ける。あの美しいお姿が生で見られる。そう考えるとワクワクして心臓やばめやばめだった。

ライブ会場へ。

2021年1月28日(木)。もう朝から落ち着かないので、物品販売の開始時間に余裕で間に合うように家を出た。
今まで私はそんなに必死で物品を買うほうではなかったし、開始時間前から並ぶなんてしたことはない。なのになぜ今回は?本当に自分でも不思議なくらい、迷いも躊躇いもなく(笑)買いましたよ。

実際、こんなコロナ禍のToughな時期に、危険を冒してまでライブツアーを決行するという重い決断を下してくれた風さんやスタッフの皆さんに私ができる恩返しは、少しでもお金を落として音楽業界を支えること。
音楽やエンタメが「不要不急」だなんて言わせない。このままこの業界が沈没してしまったら、何より今後の自分の人生があまりに味気なくなる。

だから、ちょっとでも元気になってほしいし、経済回していかないと!……などと言うことも少しは思ったが、本当は風さんグッズが欲しかった(笑)。うん、正直それが一番大きい。トレーナーとかマスクとか買いましたよ。
(タオルも買えばよかった。ネット販売開始になったら買おう!)

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岡山から来た方と開演前の立ち話。

2枚組のチケットだったので、ツレ(私が風沼に引きずり込んだ元会社の後輩)の到着を待つ間、会場の外でプラプラしていると、お一人参加らしいちょっと年配(60代半ば?)の女性から話しかけられた。
その方、地元岡山のチケットは外れ福岡に参戦とのことだった。
聞くと、風さんのご実家から40分くらいのところに住んでらっしゃるとか!でも、ご両親にご迷惑がかかるかなと思って、まだご実家には行っていないそう。(喫茶店は風さんがデビューする少し前から休業されてるらしいから、ますますそうですよね……。)

それから、以前高校の先生をしていた同級生がいて、その方が「すごい子がいる!」って当時から話していたらしい。現役高校生の風くんの高校にお勤めだったわけ。ああ垂涎もの。
風さんがずっずさんと最初に話をした駅前の喫茶店には最近行きましたと言われてました。(貴重なお話をありがとうございます♪)

私がグッズをあれこれ買ったと見せたら、私も買おう~♪と言ってあっという間に列に並びに行かれ見失った(笑)!少女のように楽しそうだった。
客層は女性が圧倒的に多かったが年齢層はバラバラだし、若い男子二人連れなんかもちらほら並んでいてファン層の広さが一目瞭然!

いよいよライブレポ。

無事到着した後輩と、厳重な体温測定とアルコール消毒を済ませ、電子チケットを恭しく見せて、いざ中へ!

市民会館大ホールのキャパは1770席。1席抜かしだったので900人弱しか入っていない。始まる前の廊下も、いつも混むトイレも空いていてとても快適。
私たちの席はずいぶん後ろのほうだったけど、1階席のみの会場でもあり、ステージがそんなに遠いとは感じず。
しかも勾配が結構ついているので見やすい見やすい。
風さんのカバー曲が流れる中、オペラグラスの焦点を合わせたり小さな声でお喋りをしたりして待つ。

やがてスモークが焚かれたのか、ちょっと前のほうが白っぽくなってきたと思ったら、会場が暗くなりSEの「Good as Hell」の音量が大きくなった。
会場は大きな手拍子。気分はとても盛り上がっている。(私は一瞬、この演奏がすでに生風さんなのかと思ってしまった。)
そしてこの曲が終わったと思ったら、ついについに風さんが!
下手から歩いてきた(ように見えたけど暗くてよく分からなかった)背の高い人がピアノに座って弾き始めたのは「風よ」。ああ、もうイントロだけでじわーっと泣けてきてしまった。ああ、本当に風さんが目の前で歌ってる!と思ったら感激で。

セットリストを一気に書いておこう。

もういろんな方がセトリをあげていらっしゃるのでナンだが、記録として残しておきたいので全部書いておく。

風よ
調子のっちゃって
キリがないから
  (MC1)
優しさ
特にない 
罪の香り
死ぬのがいいわ
  (MC2)
CHE.R.RY(ご当地アーティストカバー曲)
ニホンノミカタ(カバー曲)
もうええわ
へでもねーよ
  (MC3)
さよならべいべ
    (MC4)
帰ろう
青春病
<アンコール1>
旅路(全人類初生バンド)
<アンコール2>
Just the Two of Us(カバー曲)
何なんw 

……はぁ~満たされました。
2曲目からずっと立ってたけど、全然疲れてない。
それどころか、めちゃくちゃ元気になってる。幸せになってる!

MCまとめ。

(MC1)
お得意の英語から。Thank you so much for coming in this tough situation. This is Fujii Kaze.発音きれいすぎ♪
ワシ、初めての福岡ですけど、今日は風が強いし、なんかいま雨まで降っとるみたいで、このこじしぇい(ご時世?)、大変ななか来てくれてありがとう。みんな濡れんかった?わしが来たときは晴れとったんじゃけどなあ、おかしいなあ。でも福岡の人元気ねえ
今日の会場近いなあ。みんなの顔がよく見える。2階もなくてこんな会場初めてです。ワシ、誰もおらん時会場ぐるぐる歩き回ったんじゃけども、1番後ろでも近いし、恥ずかしい……。(か、可愛い……てか、日本語たどたどしい。(笑))

「特にない」の前には短めに「指パッチンしてみんなのネガティブなエネルギーが特になくなりますように」と♪

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「死ぬのがいいわ」はこんな感じ↑の赤いライトの中、長めのイントロで始まってキュン死。途中立ってピアノに凭れ掛かったりして、もうけだるさと色気がハンパなかった!低音の魅力、全身からのオーラ、何なんw。


~からの、このMCの緩さよ(笑)↓

(MC2)
福岡は美男美女が多い聞いてましたから今日は楽しみにしてきました……ホントそうですね~……恥ずかしい……
(【筆者心の声】……って、言うてますけどmore、あなたより美男なんてどこを探しても居ないです!!
福岡、可愛いなぁ。(←これ、2~3回言ってくれてた。お世辞と思っても嬉しいおバカな私)
(追記)
 風さん自身はTwitterに福岡ライブのことをこのように報告してくれている。(会場の写真と太宰府天満宮の写真もあります!)

・いつもここでワシ、ご当地の曲をアカペラで歌ってるんですけど、今日はマフさん(ベース)と佐治さん(ドラム)にゆかりのある人の曲をやろうと思います。わしの青春ど真ん中の曲で、この方ワシもリスペクトしとるんで。
(と言って、いきなり客席にお尻を向けて(笑)リズム隊のお二人とモゴモゴ打ち合わせ)~からの↓
生ピではなく正面向いて置かれたエレピに向かいながら「すみません、ちょっと歌詞を確認してましたぁ」と言って、「歌詞覚えてないところがあるかもしれないんですけど~」と恥ずかしそうに言いながら歌い始めたら、あの「CHE.R.RY」が風さんワールドに♪
それから続いて矢島美容室「ニホンノミカタ」で私大喜び♪
歌い終わって「贅沢なカラオケみたいやったな」って(笑)

(MC3)
マイク「エクレア持ち」や床に寝転がったりというパフォーマンスなどカッコよさ炸裂の歌のあと、急に日本語不自由になるこの人のMCの可愛さよ。
・急に両手で顔を覆い、前かがみ気味になって「そんなに見たら恥ずかしい……。」→これが、今回の私の一番のツボ!みんなあなたを見に来たんだよ、あなたの歌を聴きに来たんだよ、あなたを見るやろ~(笑)
・福岡2~3回目というギターの文ちゃんに「福岡に思い当たるフシは?」(笑)
・文ちゃんが楽屋に差し入れられたお弁当と「むっちゃん万十」についてお話をしてくれて、「まんじゅうのじゅうがなぜか1,10,100,1000…の10で」と言うと「へえ、十万じゃなくて万十?」って、今、饅頭の話(笑)!
むっちゃん万十は中にハムエッグみたいなトロトロの具がキャベツと玉ねぎと共に入っているのだけど、風さんは「ハムはどなたかにあげました」って言ってた。
・太宰府天満宮に行った話では「あれ、なんやったっけ饅頭みたいなやつ。」文ちゃん助け船「梅が枝餅ね!」→「あ、そうそう、うめ、うめ・が・や・もち?」→文「うめがえ!」→風「あ・ま・が・え……?」(ついに正確には言えずじまい(笑))
ちなみに「マネージャーが美味い美味い言うて2~3軒ハシゴしとったから、ワシも2個か3個か食べましたけど、ほんと美味しかった」
・「で、太宰府すごい。太宰府はなんちゅうか、松とか神社とか、貫禄が違う」(松の貫禄って?(笑))

(MC4)
「さよならべいべ」を、会場のみんなもノリノリで手を振りながら心で一緒に歌った後。
・「ワシは歌詞もメロディも神様が書かせてくれとる思うとんやけど、だから、できたもの読むと自分でも意味が分からんこともあるんじゃけど、全部ギフトやと思うとる。」
・「腹の立つことも悲しいこともあるけど、どうしたらネガティブな感情をなるべく持たずに、そのいただいたものをどうやって返していこうか、どうやって良い人間になって良い人生をみんなと送れるか、たくさんの人を愛し愛される世の中にするにはどうしたらええかをいつも考えてます。」
・「ワシの中には味方してくれとる神様がおって、だからやってこれたと信じとる。その同じ神様はみんなの中にもおるって信じとります。
・「だからこれからも、みんなと一緒にもがいたり苦しんだりしながら生きていけたらいいな思うとります。
~からの「帰ろう」と来たら……はいダメでした、涙腺崩壊。

「帰ろう」のあとは、「これでみんなにも帰ってもらわなあかんし、ワシも帰らなと思うたんじゃけど、まだ帰るわけにはいかんかった。だってワシはまだ青春の病に冒されとるんじゃから!」というMCからの「青春病」で会場は最大の盛り上がり。もちろん「野ざらしダンス」も全員で!

歌が終わると風さん、両手で顔を覆って足早に舞台袖へと消えてしまった……。(感極まって泣いてる?……と気が気でない私)

ややあって「どうもすいませ~~~ん!」と照れながら出てくる風さん。
・「みんながそがいに手が痛くなるほど拍手してくれてるんでアンコールやります。いつもはワシ一人で弾き語りでやるんじゃけど、ちょうど今日放送のある日やから『全人類初』バンドでやります。」(私…心の中で歓声!)

そして新曲「旅路」は、複雑なドラムソロから始まった。なんというか、すごくジャジーなアレンジ。
そこに風さんの生ピアノが重なる。これもまた、エモいコードが使ってあって、これがあの「旅路」?って思うくらい。
そこにギターが重なり……まるでジャズセッション。それからスーッとAメロに。ああ、やっぱり美しくて優しい曲。癒された。

曲が終わると再び袖に消えていき、さっきより長いアンコールタイム。もちろん声は出せない。ひたすら拍手しまくる。
……と、突然ステージは赤いライトに照らされてムーディな感じに。バンドメンバーが先に入ってくる。あ、この曲!と思ったら、真っ赤なシャツに着替えた風さんが「Just the Two of Us」をサックス吹きながら登場!
あああ、もうダメ、カッコ良すぎ!
サックス超上手くてびっくり。何なんこのソロ。藤井風ってサックスプレイヤーでしたっけ?
2番は歌メインで時々サックス。もう風さんの実力爆発。
洒落たジャズライブみたいだった。放心……。
曲の途中でメンバー紹介もカッコよく決め、いよいよオオトリは「何なんw」!
・「福岡楽しかった~!心で『何なんw』歌うてやー」→会場の一体感たるや。声出せなくてもみんなちゃんと歌ってた。風さんもステージ上を転げたりこけたり踊ったり楽しそう。

ああ、終わっちゃった。でもすごく楽しかった。満たされまくった。
最後の最後にメンバー4人横一列に並び、エアーでグーをぶつけながら膝を折っておじぎ。風さんマイクなしで「ありがとうございました~!」と叫んでくれた。
メンバーと袖に向かったけど、みんな去ったあとまた中央に出てきて、両手を口に添えて「福岡、好いとぉ~よぉ~!」(照れながらの感じが可愛すぎてこりゃもうたまらん)
そして、ずっと手を振りながらとうとう袖へと消えて行ったのでした。

音楽的なことなど。

一曲一曲のことを詳しく書くのは不可能だし、正直演奏に集中しすぎていたのでボーっとして飛んでしまっていることも多い。だから覚えていることと総括的なことを書くにとどめようと思う。

【シンプルなバンド編成なのに音の厚みがすごい】
ピアノ(曲によってはエレピ)・ギター・ベース(曲によってはウッドベース)・ドラムという最低限の構成。
曲により、ギターの文ちゃんがシンセを使っていた。
他にはシーケンスを使う曲もあったけれど、どの曲も音に厚みがありすごく満足した。
風さんのピアノは、あのタッチの強さ・打楽器的な使い方などもあり、それだけでも聴きごたえがあった。
でも優しい曲の時はクラシックのような格調高い美しい音色だった。

【バンドとしてのまとまり】
多分みんな本当に仲がいいのだ。
ミュージシャンとして信頼し合っている、そんな雰囲気が伝わってきた。
風さんのピアノは音が立つようなキラキラした華やかさがあり、リズム隊の幅広の低音がそれを際立たせているように感じた。
音響が良い会場ということもあったと思うし、ミキサーの方の腕もあっただろうけど、しっかりベースやバスドラムの低音で支えてこその全体の安定感だったと思う。
ギターは目立たないように風さんの歌やピアノを引き立ててつつ、ソロに入ると俄然カッコよくかき鳴らす。
シンセでさりげなく花を添えたり、文ちゃん大活躍していた。

【ライブならでは】
楽器以外に風さん本人のコーラスもシーケンスで流れたりして、CDとなんら変わらないクオリティ。まったく違和感なく聴けた。
でもライブならではという楽しさも沢山あった。
前日の神戸公演から移動してきて休みを挟まないままのライブだったが、風さんの声はすごく良く出ていて(むしろ声帯の筋肉絶好調?)、ピッチも正確だった。
うん、本当にこれがデビュー1年くらいの新人?というくらい安定のボーカルとピアノの腕はベテランのそれだった。

でも、MCの日本語不自由具合でも分かるように、相当緊張していたように見えた風さん。(そんなに美女が怖いか(笑)?)
たまに力が入りすぎて高音が微妙にシャープ(#)していた。(でも2回ほど。あとは完璧♪)これ、私としてはなんだか嬉しかったのだ。ああ、ライブだって感じて。そして風さんも人の子だって思えて。
それと、故意にメロディラインを若干変えて歌ったところもある。主に伸ばした音の最後の最後、本当に少しだけ、とか。それもまたライブバージョンなのだろうな、或いはその時のグルーブで意図せずにそうなったか。
いずれにしてもそういうところがライブの楽しみの一つでもあるわけで。

【ダンスも素敵】
歌もピアノもそしてサックスも超一流のミュージシャン風さんであるが、ライブではそれ以外のパフォーマンスも魅せてくれた。
そう、ダンスとか歌うときの振り付けとか。
この人、このままNYかどこかのストリートパフォーマンスしてもひけを取らないんじゃない?っていうくらいアップテンポの曲ではキレッキレのダンス。クールでしかもしなやか。
長い手足で見栄えもいいし、指先まで美しく演技している。(オペラグラスよ、ありがとう!)
最高に痺れたのは、ピアノに凭れ掛かって歌う姿。高級ジャズクラブですか?どれだけ曲に入り込んでるんですか?セクシー過ぎます。
で、その時の顔の表情がまたいいの。目なんか鋭くて鬼気迫る感じ。(オペラグラスよ、ありがとう!)

【衣装について】
白の長めのブラウスに黒のテロっとしたジャケット。パンツも黒に見えた。
全体にルーズなシルエットだけど、顔が小さくて背の高い風さんだから、だらしなくならずにカッコよく着こなせちゃう。
ずっとお着換えなしだったが、最後の最後、「Just the Two of Us」の時に真っ赤なシャツに着替えて登場。これがもうカッコ良すぎて!
まとめると、白・黒・赤という彩度の高い原色がとても良く似合う。
色が白くて彫刻のような端正な顔立ちには、こういうシンプルなのがきっと一番似合うんだと思う。
そういえば髪の毛、クルクルが一段と目立ってた感じがした。
いつもより若干横に広げたスタイリングでもあり、その分少し短く感じた。この髪型もギリシャ神話の神様を彷彿とさせる。

まとめ。

藤井風という人のライブに行けて本当に幸せだった。
歌や演奏の上手さ、その人本人の人柄、MCの楽しさ、舞台の演出……など、ライブの醍醐味を全部味わわせてもらった。
演奏中の一流のミュージシャンとしての顔から、MCに入ったときの初々しい23歳の若者の素顔に変わるそのギャップにメロメロ。
そして歌詞とリンクする彼の話の内容。
息子世代なのに、風さんから教えてもらうこと、見習いたいと思うことがたくさんの言葉になって出てくる。(たどたどしいけど(笑))
この人の音楽を、この人を愛さずにはいられない。
風さん、生まれてきてくれてありがとう。
同じ時代に生きていてくれてありがとう。

というわけで呆れるほど長くなりました。備忘録として残しておきたくて自分のために書きましたが、最後まで読んでくださった方がいらっしゃったら、どうもありがとうございました。
(ライブから明日でちょうど2週間。2021年2月10日)

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