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No.5 南アルプス 日向山

南アルプス。

それはそれは山深く厳しい、知る人ぞ知る山が集まる山域。

誰もが知ってる山は少なく、

だからこそ北アルプスほどの混雑はなく、穴場の山も多い。

登山歴が長くなるほどその魅力を知りたくなり、求めるようになる。

私もまだまだ南アルプスは憧れのままで行く事が出来ていない山ばかりだ。

そんな中、気楽に何度も足を運んだ山がある。

それが南アルプス 日向山(1660m)だ。

南アルプスあるあるの一つなのだが、

公共交通機関でのアクセスが不便な山でもあるので車で行くのがベター。

だが私はペーパードライバー。

有り難いことに、毎回、山友や取材で車を出してもらって向かった思い出ばかりで、とても贅沢なハイカーだ。

電車での場合はJR中央線長坂駅、日野春駅、小淵沢駅からタクシーで約20分で矢立石登山口へ。

そこからは、なんと!

南アルプスなのに約1時間40分で山頂に辿りつける!

南アルプスなのに!!だ!

初心者は足を踏み入れてはいけないのでは……と思っていた南アルプス。

朗報だ。

日向山は初心者でも行ける数少ない南アルプスだ。

舗装された登山道は歩きやすく、木漏れ日が気持ちい〜樹林帯から始まる。

時折木々の間から南アルプスの名峰、百名山の一つでもある鳳凰三山のオベリスクが顔を出したり引っ込めたり。

あまり急ぎ足も勿体ない。

休み休み景色を堪能しながら歩きたいと思わせてくれる。

休憩の表情にも余裕が見える。こんな山歩きが理想だよね。

そんな樹林帯を抜けると景色は一変。

花崗岩が風化して白い砂に覆われた別世界に変わる。

1時間40分の中で二つの別の山を登ったような気持ちになれる。

山頂は「雁ヶ原」と呼ばれ、まるで砂浜のような風景が広がり

その美しさと開放感がたまらない。

晴れていれば、八ヶ岳や鞍掛山・甲斐駒ヶ岳の眺望はお見事。

山の中に突然ビーチが現れたような不思議な感動を覚えた特別な山だ。

歌うにもめちゃくちゃ気持ちの良い山頂だ。

またゆっくり訪れたい。ファンも多い人気の山だ。

比較的、初心者向きではあるけれど、危険箇所もいくつかある。

装備はしっかりと!集中して歩くのは他の山と一緒。

どんな山も甘く見ては痛い目に合う。

それだけは忘れずにいなければ。

それでも1時間40分で1000m超えのワンランク上のスケール感を味わえるのは日向山の最大の魅力だ。


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