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名曲156 「恋のダウンロード」【仲間由紀恵 with ダウンローズ】

ーー即席ユニットが生んだ感服の名曲ーー

【恋のダウンロード(PV)】

 この曲を聴くと懐かしさでいっぱいになる方も多いのでないか。2006年のころである。仲間由紀恵と誰か後ろの男2人。キャッチーなサビを武器にひっさげてauのCMに登場した。

 当時からケータイ会社はかなりCMに力を入れており、いかに顧客をひきつけるかが勝負だった。2000年台後半になっていよいよケータイがないと生きていけない時代になり、多くの人が買い始める時期に差し掛かっていたのだ。いまはネットが普及してそれほどでもないが、当時はテレビの力がまだ強かった時代。多くの人が目の当たりにした。

 まずは仲間由紀恵がバンドのボーカルという点で衝撃的だった。いまも人気女優の仲間由紀恵だが、当時は絶頂期。ごくせんやTRICKの主演を務め、紅白歌合戦の司会もされていたと思う。

 ケータイCMの曲、仲間由紀恵をメインにするということでもうインパクトが強い。だからそれだけで十分なのだが、それでも曲のクオリティーにまでこだわったのには好印象である。作曲はあの筒美京平。末期の作品だ。

 サビの伸び(ダウンロードをここまでうまく使えるのは流石)が素晴らしい。サビの歌詞を下に記す。

{恋のダウンロード ふたりパレード 君がいればレッドカーペット 夢をダウンロード 僕としようよ ロマンティック いま始まるよ}

 韻を踏むのもこの曲ならではの取り上げ方。ちゃんと意味が込められているのもポイント高い。

{好きな人…それは君だ(^ ^;)
クヤシイけれど…認めます(^_-)
このままじゃ 眠れない!眠らない!}

 後半で歌詞の中に絵文字が含まれている。これはいまでこそたまに見かける技法だが、当時のケータイ事情がうかがえる点もいい。

 色物のような曲のようだが構成はかなりしっかりしている。CM曲は非常にキャッチーでないといけないのでプレッシャーもあったに違いないが、筒美京平の腕にかかればもう安心。この曲は2006年にスマッシュヒットを記録した。

 いまは過去の曲をカバーしているスタイルが多いからこそ、改めて評価しないといけない。あの頃は熱かった。いまのケータイ業界は飽和状態で遊び心もどんどんスベっている。うん。スベっているぞ総じて。

 そろそろ大手ケータイ会社のCM歴史を振り返ってみるのも面白いかもしれない。テレビ局も動くのではないか。その時にこの曲が再評価される日も近いだろう。

          【今日の名歌詞】

夢をダウンロード 僕としようよ



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