名曲571 「ドリモグ・ロード」【タイガーファイブ】[ドリモグだァ!!]

ーー地球の上には国境があるけどーー

【ドリモグだぁ!! OP】

 最近、トルコがシリアを攻撃するといったニュースを見た。まったく世の中ピリピリし過ぎである。まだロシアとウクライナの問題も終わっていないし、ニュースであまり取り上げられていない各地域でのいざこざもあるだろう。学生時代にこれまでの戦争の歴史を勉強したところ、結局は貧困が原因だとわかった。貧しい国が現状を打破するために侵略するのだと。まあ例外もあるのだが。

 今回はモグラの世界に招待。地上は本当にうるさいことこの上ないので、地中に潜ってみよう。『ドリモグだァ!!』は1986年から1987年にかけて放送されたアニメ。原作は何かと癖の強い川内康範だ。もうこの時点で迷曲入りさせようと思ったが、いいフレーズがあったのでこっちにした。

{地球の上にゃ 国境あるけど 地球の底じゃ 何処でも自由だ 言葉はいらない 笑顔がありゃア 花も咲くだろ しあわせいっぱい}

 しねしね団の詞を書いていた人物とは思えない暖かい歌詞だ。しかしながら癖の強さは顕在。適度なカタカナと強い語調が昭和初期の香りを施す。

{人間世界にゃ 国境あるけど 地球の底じゃ 何処でも自由だ 笑顔がありゃア 虫も歌うよ しあわせいっぱい}

 いいねえ。

{チビチビもぐら チビもぐら}

 ここは現代だとややアウト。なぜかというと、「チビ」が引っかかりそうなのだ。私は放送禁止用語や封印作品マニアなので、こういった危ない表現が大好物。それで「えー言葉狩りだよ」「厳しすぎる」と自分で文句言うのが趣味なのだ。そんな私が思う当時の温和な表現、それがチビ。

 ちなみにこの曲は『大脱走』という映画の「大脱走マーチ」と似ているそうだ。なんだろうと思ったのだが、実際に聞いてみて、ああと頷いた。

 そういえば聞き覚えのあるこのマーチ。確かに旋律が非常によく似ている。いやはや、あの曲はそういうタイトルだったのかと勉強になった。『大脱走』は1963年の映画らしいのだが、どうやら評価が高いようである。見てみようかしら。

 ドリモグも大脱走も、いまの世の中に欠けているものを持ち合わせていそうな気がする。時には古い作品を振り返るのも大事だ。私は後ろを向いてばかりいるのだけれど。ああ子どもに戻りたいよ。

       【今日の名歌詞】

地球の上にゃ 国境あるけど 地球の底じゃ 何処でも自由だ 言葉はいらない 笑顔がありゃア 花も咲くだろ しあわせいっぱい


 



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