名曲591 「10%の雨予報」【H₂O】[みゆき]
ーーエンディングが大ヒットしすぎて影が薄くなってしまったオープニングーー
【みゆき.op「10%の雨予報」TVver.custom・full 歌:H₂O】
『みゆき』はあだち充原作の作品。1983年から1984年まで放送された。1980年代というと氏のイメージが強いが、連続テレビアニメは今作が初のようだ。あの大ヒット作品『タッチ』は1985年から始まっている。『みゆき』はそちらと比べるといわば先輩である。ほかには『ナイン』(1983年、単発)や『陽あたり良好!』(1987年から1988年)も80年代作品だ。このnoteでは『タッチ』より先にほかの隠れた作品を取り上げていく。我ながら、らしいねえ。
しかしこの作品は主題歌が有名といえる。それはエンディングテーマの「想い出がいっぱい」。H₂Oが歌って一躍大ヒットした。一発屋として覚えている方も多いのではないか。いや、むしろその曲がアニソンだったことを知らない人も多そうだ。
そちらはずいぶんと多くの人に愛されてきた。いまでもCMや挿入歌でたくさん使われている。「想い出」=「想い出がいっぱい」に連想できるのは大きい要素。今後も受け継がれていくことだろう。
さてそんな偉大なエンディングと比べて極端に影が薄いのが今回紹介するオープニングである。読み方は「テンパーセントの雨予報」。10を天とかけたわけだ。非常にポップで軽快、かつタイトルもしゃれている。……友人に聞いたら不評ではあったが。
{裸足のまま 踊りたいね 今日はBlue sky 白い雲はアクセサリィ 流れてく 乙女心は不思議さ 雲行きがすぐ変わるよ さっきまでは 幸福の高気圧さ}
{何を考えているの 君の瞳の中には 10%の雨予報 涙が隠されている}
ここまで見てみると雨は涙ともとれる。そう考えれば10%なのは喜ばしいようだが、逆に10回に1回は涙を濡らしてしまうと考えると女は難しい。むしろ確率高めである。歌詞がいかにも80年代前半って感じだが作詞は阿木燿子。ああ、そう見れば阿木節がちらほら。
{カフェテラスで笑い声が途切れがち 女の人は謎だね ダイアナの月の女神 日曜日は予想では 低気圧さ}
絶妙の余韻。低気圧を機嫌に例えているのがうまい。まあその手法は過去に「高気圧ガール」でもあったはあったが、それを瞬時に連想させないお膳立てがニクい。
作曲は鈴木キサブロー。このコンビは前述のエンディングとまったく同じ(歌手もそうだ)だが、妙に格差が生まれてしまった。個人的にはこちらも十分名曲だと思う。こういったちょっぴり隠れたものを発掘すると気持ちよい。今日はいい天気になりそうだ。
【今日の名歌詞】
カフェテラスで笑い声が途切れがち 女の人は謎だね ダイアナの月の女神 日曜日は予想では 低気圧さ