名曲282 「“Kyun”」【佳苗】[こちら葛飾区亀有公園前派出所]
ーー影が薄いけれど、こっそり好きになる。この曲のようにーー
【こち亀主題歌MAD】“Kyun”【恋愛】
こち亀は意外と主題歌が多い。今回取り上げるのはエンディングテーマだが、人によって思い浮かべる曲が異なるのではないか。オープニングは3曲に絞られるといってもいいのだが。ラプソディーか、おいでよか、ついてこいか。まあともあれ、そういう候補曲が浮かぶのすらなかなかないのがエンディング群なのである。昔からアニソンはエンディングの影が薄いこともあるが、時々ぞんざいな扱いをされていると思うこともある。
その中でも影が薄いほうの曲を紹介する。この曲が流れていた1999年当時はなかなかエンディングテーマが定着しなかった。この曲もわずか3ヶ月ほどしか流れず、次の「君と僕」も3ヶ月くらいで変わってしまっている。そちらもいい曲なのだが。
エンディングの映像から見るに、この曲は麻里愛(マリア)のテーマソングっぽく見える。こち亀にはあまり結びつかない恋愛系の曲だ。麻里愛は両津にべた惚れだが両津はどうしても好きになれない。なぜなら麻里愛は男だから。ちなみに麻里愛はこのあとちゃんとした女性になるのだが、これはクレームがあったのではないかと邪推する。実際麻里愛が女になってから漫画の内容もパンチが消えてきて、徐々にマイルドになっていった気がするのだ。
こち亀に恋愛は結びつかないということで、やはり長くは定着しなかった曲ではあるが、完成度は高く思う。こち亀でなければもっと評価されていたのではないだろうか。恋愛模様の歌詞は女性目線でどこかリアリティがある。
この曲はメロディーがさらに秀逸。歌いやすいのも大きなポイントだ。作曲はなんと春畑道哉。TUBEの最強メロディーメイカーがこち亀に。本当にこの方はキャッチーで歌いやすい曲を作るのがうまい。
ちなみに歌う佳苗はビーイング系のブームに乗りデビューしたが2003年で引退されたようである。正直、声にインパクトがなさげ(周りがありすぎるか)ではあるが、その少しか細い感じがこの曲にぴったりマッチしている。はまり役だったのではないか。
例によって決まり文句を使ってしまうが、このまま埋もれてしまうのは惜しい名曲。こち亀に必要だったのは、インパクトだった。だが、曲単体まで過小評価されてしまうのはよくない。違う場所で再び咲いてくれたらと思う。
【今日の名歌詞】
真夜中でも着信が アナタならば寝起きがいい
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