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名曲166 「ハミングがきこえる」【カヒミ・カリィ】[ちびまる子ちゃん]

ーー不思議な異国の世界観を表したさくらももこと小山田圭吾とカヒミ・カリィの三英雄ーー

【ハミングがきこえる Official Music Video】

 カヒミ・カリィと聞いて外国人じゃないかと思った方も多いかもしれない。見た目もかなり洋風テイストで声質も特殊である。ところがこの方はれっきとした日本人。ちなみにwikipediaで調べてみたら栃木県宇都宮市出身とのことだった。

 「ハミングがきこえる」はちびまる子ちゃん史の中でだと影が薄いかもしれない。96年に放送された。

 ニコニコ動画だがこちらのop映像も一緒に見ていただきたい。いや、見ないと世界観を理解できない方もいるかもしれない。

{ふしぎな 夢のなかで おしゃべりな あの子が 走ってるよ 自転車で ずっとみていたら空のうえまで ふわりふわりと 浮かんで すこし照れてるよ}

 作詞はちびまる子ちゃんの原作者のさくらももこ。コジコジでもわかるように独特の世界観を築くのがうまい。この歌詞もちょっとそういう感じがする。

{目覚めて 窓の外を ながめたら あの子が 笑ってるよ 手を振って ずっと待ってたよ 早くおいでよ 手をつないだら 行けるの ふたりどこまでも}

 なんだかどこか遠い世界に行ってしまいそうで怖さもある。しかし曲調とさくらももこの信頼で非常にポップな、それもワクワクさせるような具合にまとまっているのだ。

{きっといまなら あっとおどろく おおきな 夢がかなう そんな気分で たのしい いちにちが はじまるの}

 ひらがなを多めにしているのは幼い少女の夢物語であることを示唆している。ちびまる子ちゃんの世界観とも合いそうではないか。

{きっとあるとき ぱっとみつかる ぐんとすてきな自分 ふりむけばこの世界の ハミングがきこえるの}

 「この世界の」ハミングなのがポイント。人間界にはない快楽にも思えて意味深だ。もっとも、そういった深い意図はないように思える。少女の夢の中では。

{おしゃべりなあの子がホラ 自転車でやってくる}

 きっとふたりでどこまでも走っていくのだろう。

 ところでこの曲は世界観のある歌詞に加えてメロディーも独特なのだ。作曲は小山田圭吾。なるほどうなずける。常人じゃ作れないセンスの塊である。

 ちなみにこのバージョンもいい。サビの超高音をキャラクターになりきりながら歌いきるのはまさしく声優のプロ。長い間奏でのセリフも必聴だ。

          【今日の名歌詞】

きっとあるとき ぱっとみつかる ぐんとすてきな自分 ふりむけばこの世界の ハミングがきこえるの


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