見出し画像

自律神経ってホントに大事。

自律神経って…

昔は、自律神経の働きって2つだと思ってました。

交感神経と、副交感神経。車で言えば、アクセルとブレーキの関係ですよね。

でも、そんな単純ではない。人間の自律神経の働きには4種類あった!というお話しです。


副交感神経の働き

そもそも、副交感神経には、背側迷走神経と腹側迷走神経があります。

原始的な背側迷走神経は、ひとつめの働きとして、食べ物を消化するため、身体をリラックスさせて消化に関わる内臓を動かします。休息モードです。

ふたつめは、危険が迫って緊張しすぎたときに働く、シャットダウンの働きです。野生動物は、死んだものは食べないという本能があります。病気などで死んだものを食べ、自分も病気になってはいけないからです。ライオンに狙われて逃げきれないと悟った動物は、自律神経の働きでシャットダウンして気絶してしまう事があります。ライオンが食べるのをやめ、去ってくれるかもしれないからですね。それで命を守れるかもしれないのです。

人間にも、このシャットダウン機能は備わっています。会社でストレスがかかりすぎた場合に、朝起きて突然身体が動かなくなる。学校に行けなくなる。常に精神状態が低下して、疲労が長いこと続いてしまう。これは、身体が命を守るために、副交感神経のシャットダウン機能を働かせているのかもしれません。

そして、もうひとつの腹側迷走神経の働きは、哺乳類以降の動物が進化させてきたもの。社会をつくり、つながりの中で生きていくために働く神経です。表情筋や心拍を穏やかにし、攻撃性を抑えて相手に親愛の情を示すのです。この腹側迷走神経は、休息の背側迷走神経が十分に満たされることで働きます。

交感神経の働き

交感神経は、アクセルの働き。活動的になるために、アドレナリンなどのホルモンを分泌し、血糖値をあげ、発汗し、心拍、呼吸、血圧をあげていきます。昔々、狩猟をして生きていた時代と、身体はなんら変わっていないのです。

戦うか、逃げるか

身の危険を察したときに、いつでも反応できるように、準備をします。

現代人の問題点

現代は、ストレスフルな社会で生きている人がたくさんいます。

学校でも、会社でも、もしかすると家庭においても、休息モードでいられる時間がかなり少ないですよね。常に身体が緊張状態。そうすると、つながりの腹側迷走神経を働かせることはもちろん難しくなります。

神経系はバランスを取ろうとするので、本当はアクセルをふんでしばらくするとブレーキがかかるはずなのに、ずーっとアクセルをふんだ状態が続いてしまうと、シャットダウン機能が働きます。オーバーヒートする前に、身体を守ろうとするからです。

食事のとり方も、この神経系のバランスを崩してしまう一因です。高血糖が続く食事のとり方をしていると、下げなければ!という働きでインスリンが出すぎてしまい、逆に低血糖になってしまう。おっとっと、今度は下がりすぎた血糖値をあげなければと身体は交感神経優位になり、アドレナリンなどのホルモンで血糖値をあげようとします。血糖値の乱高下は、神経系も乱高下させてしまうのです。

心と神経系の関係

神経系が、呼吸や心拍、血圧などに関わるホルモン分泌にも関係していることがよくわかったところで、心との関係性を考えたいと思います。

よく、興奮してきた!などとという時、アドレナリンが出てきた!とか言ったりしませんか?

ホルモンは、感情とも深くリンクしています。交感神経が優位になり、アドレナリンが出た時、本来は5分くらいで身体のブレーキがかかり、リラックスモードに調整されます。

しかし、興奮状態や緊張状態が長く続くと、コルチゾールという抗ストレスホルモンが分泌されるようになります。このコルチゾールが長期間出続けてしまうと、命令する脳➡ホルモンを分泌する副腎➡脳へのフィードバックという軸(HPA軸と言います)が機能障害を起こし、極度の疲労感、うつ状態など、日常生活ができなくなるほどになってしまいます。この状態が副腎疲労です。

社会的に緊張状態が続きやすく、真面目に頑張ろうとする日本人は、副腎疲労の方が多いかもしれませんね。

原始反射の残存と神経系の発達

妊娠中のお母さんが、大きなストレスを抱えていたり、高血糖状態が続き、反応性低血糖を起こした結果、血糖をあげるためにホルモン分泌が続く。これはお母さんの身体がストレスを感じています。

赤ちゃんは、生きていくために原始反射という反射機能を持っています。生まれてからおっぱいを吸うための吸啜反射、大きな音がしたときにびくっとするモロー反射などは有名ですよね。

実は、胎児のときから、原始反射は存在するんです。

母体がストレスを感じたときに、胎児が身を守るためにぎゅっと身体を固める恐怖麻痺反射。これは5週目くらいから機能し始めるといわれています。

少しのストレスなら問題ないのですが、母体にストレスが長期間かかっている時。胎児もずっと固まったままになってしまいます。固まるというのは、背側迷走神経のシャットダウン機能。極度の緊張状態が長期間続いてしまうのです。その結果、全身の発達に影響を及ぼしてしまうのです。

本来なら、生まれてから、養育者と適切な愛情関係を築く中で、身体を適切に動かしていくことによって反射は統合され、脳や神経系も発達していきます。しかし、恐怖麻痺反射が残存してしまい、身体をうまく動かすことができないために、様々な原始反射が統合されずに大きくなってしまう人もいます。

発達障がいと言われる方たちの中には、この原始反射の残存が大きな問題となっていることも多いのです。

自律神経のバランスを取り戻すために

交感神経優位な状態、つまり、身体が緊張状態を感じている時にできること。

それは、今の自分の状態(呼吸が速い、肩に力が入っている、イライラ、興奮しているなど)を感じ、そこに自分でアクセスすること。

呼吸を深く大きく吸ったり吐いたりしてみる。

力が入っている身体の部位を感じたら、ふっと力を抜いてみる。

寝転がることができれば、腰をゆらゆらと揺らして身体全体の力を抜く。

腎臓のあたりを手で温める。

そして、身体をさすりながら自分自身に「大丈夫、大丈夫」と声をかけてあげる。

大好きな音楽、できればゆったりしたものを聴く。

子どもさんには、一緒に歌を歌ったり、マッサージしてあげたり、抱きしめてあげることも大事。


そして、食べるものや生活習慣を考えることも重要だと思います。

血糖値の乱高下しやすいもの(精製糖質や精製小麦など)をさけたり、カフェイン、アルコール、たばこなどをやめる。


自分の今感じているものを大事にすること、

これだけで、人生変わるかもしれません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?