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原始反射と発達の関係


人間には、生まれ持った感覚があります。

良く耳にするのは、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の五感というもの。

この他に、【固有覚】【前庭覚】があり、【触覚】と合わせて基礎感覚と呼ばれているとお話ししました。


基礎感覚は、「自分の内側の感覚」つまり「自分自身を認知する」ために重要な感覚です。

そして、視覚、聴覚など高次の感覚は、外の世界を受け取るための感覚なのですね。

基礎感覚は、高次の感覚を育てる働きもしています。

逆に、基礎感覚が育っていない事で、他の感覚に過敏さが出てしまうなどの問題が出てしまいます。


では、この「基礎感覚」はどのように育っていくのでしょう。


赤ちゃんは、産まれてしばらくは「自分」と「外の世界」の境目がわかりません。自分の身体という事も認識できないので、自分の意思で身体を動かす事も出来ません。

なので、「原始反射」という贈り物を持って産まれてきます。

これは、お母さんにしがみついたり、おっぱいを探したり、乳首に吸い付いて飲むなど、様々な生存するために必要な身体の動きを、大脳皮質が育っていない時期に脳幹~脊髄の指示で身体が反射によって行ってくれる素晴らしい力です。

原始反射は、自分の意思で動くこと(随意運動)を促す役割も果たしています。原始反射で身体が動かされることによって、筋肉や骨、皮膚、三半規管などに感覚情報が入り、脳への刺激となります。そして、反射と随意運動との連携によって、物をつかんだり、ハイハイをしたり、歩いたり、声を発したりという運動の土台が作られていくのです。

このとき、適切な順番の発達と共に基礎感覚が育っていきます。

感覚情報から「自分」と「自分ではないもの」を学びながら、電気信号として脳のネットワークがつながっていき、大脳皮質、特に前頭葉が発達することで、反射ではなくコントロールされた動きへとやがて統合されていきます。

このように、原始反射の表出→統合は、感覚の育ちや脳の発達とリンクしています。



この反射の力が、もともと出てこない赤ちゃんがいたとしたら?

反対に、統合された動きにならず、原始反射がずっと残ってしまったとしたら?


実際、以前あげさせてもらった「現代ならではの問題」により、この反射が見られない赤ちゃんや、反射が統合されず表出されたままになっている子どもたち(大人の方も…)、多いようなのです。

このような方や子供たちは、社会の中でとても生きにくく、自己肯定感の低さへと繋がってしまいます。


この原始反射や、動きの発達のヌケ

育て直すことが出来るという事が分かっています!











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