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【きっかけ】ライブのため初海外一人旅-ミュンヘン・パッサウ・ザルツブルク・プラハ-

Didoはロンドン出身の女性歌手。

かつてNHKで深夜放送されていた海外ドラマ「ロズウェル~星の恋人たち~」の主題歌、"Here With Me"を歌っていた人物。"Thank You"もヒット曲として知られ、Eminemと"Stan"という曲名でコラボしている。実は私もそれ以上詳しいことはよく知らない。

「ロズウェル」はとても真面目な10代若者青春ドラマだった。

アメリカのドラマだけあってラブラブシーン満載。それにドキドキされられつつ、彼氏と散々ベタベタしてても一線を画してて、主人公とその友達の女の子2人が「まだヴァージン!」って笑い合うシーンを含める真面目さが、当時平凡に優等生中学生していた私にとって、共感しながらも自分とは違う刺激的な世界を垣間見られた。

放送は全部観られなかったので、しばらくしてレンタルで全部観た。シーズン1、シーズン2、シーズン3と続き、最終的に風呂敷を広げすぎて収拾がつかなくなりフェードアウト。壮大な展開にしたくなっちゃった思いは理解できたのでそんな終わり方まで愛せた。コリンハンクスが大人の事情でいなくなったのは腹立ったが。

影のある内容が、当時の自分に共鳴していた。

宇宙から来た真面目イケメンと人間の真面目女の子との恋愛。ただそこには常に、宇宙人として実験体になる恐怖、見世物になる恐怖、逃げたり隠れたりが付きまとい、恋を楽しみながらもどこかいつも影のある内容だった。雰囲気的にもドラマの色味全体に暗さがあってそれが良かった。そこに毎話響くDidoの声。当時まだギリギリ優等生していた自分に立ちこめていた暗雲に共鳴していた気がする。

このドラマもDidoも、私の青春。

英語ではYou are my childhood.というらしいが、それで伝わるんだろうか。

人それぞれ人生のターニングポイントはあるはず。私にはこの頃が間違いなくそれだった。あのときしかできなかった良い思い出。あのときを思い出すと感じるなにかしらの暗さ。生まれて初めて意識した暗さは、なんなのかもよく分からなかった。
それが問題なのかどうなのかもまだ分かっていなかったし、打開しないとその先進めないことになる大きな壁であるとは思ってもいなかった頃。

賑やかな恋愛模様を描く陽のあたった明るさの中で、必ず陰も存在したこのドラマは、当時の私の心に映像と歌声でただそこにいてくれた、大切な存在。

どうしても人は過去の思い出を美化する。忘れたくない苦々しさ。辛さを経験したからこそ自分以外の他者に優しくなれたと思うからなるべく記憶していたい。ドラマの色味とDidoの声は、その後対峙した苦しみの序章の象徴のひとつである。

Didoのファンはどうして彼女を好きなんだろう。私はあのアンニュイな声が好き。ずっと聴いていられる。曲調も良い。

突然のヨーロッパ・アメリカツアー発表。

ずっと活動していないなあと思っていたけれど、YouTubeチャンネルの動向はずっと追っていた。ちょいちょい過去曲のリミックスがアップされる中、2018年11月13日、突然「アルバムが出したくなった」という一言と共にヨーロッパ・アメリカツアー発表。

あ、これは行く。すぐに決めた。

ニューアルバムは約5年ぶり、ツアーとしては約15年ぶりだそう。

何かが発表されたときに初めて自分の本当の気持ちに気付く。良いことでも悪いことでも。

私だってまさか、彼女を追いかけにチェコに行くとは思わなかった。そこまで好きだなんて自分でも知らなかった。行こうという衝動に駆られたということは、思っていた以上に大切な記憶の人だったということだ。

うわあああってなった。

思い出の曲、ロズウェルの主題歌。


つづき。ここから始まる準備編。


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