『女の一生』

新橋演舞場にて公演中の今作品。
とても良いお席をご用意してもらい
観劇して参りました。

筆者は主にミュージカルや宝塚などいった作品を好んでいたので、大劇場のストレートなお芝居を観るのは初めてに近い。

内容も事前情報を取らずに観劇したので楽しめるだろうか、とドキドキしながら入場。

結論。

とても面白かった！！！

ミュージカルという華やかさとインパクトの世界で慣れていた筆者にも伝わる内容、考えさせられる作品だったので感想書いていきます！

大まかなあらすじ

過去に両親を亡くし親戚の家に預けられた少女
布引ケイ(大竹しのぶ)。
自身の誕生日でもある元旦に、
親戚の家から追い出され行く宛もなく歩き
清国(中国)との貿易で財を成した堤家の庭にたどり着く。堤家では当主の堤しず(銀粉蝶)の誕生日のお祝いをしている最中だった。
長男の伸太郎(段田安則)、次男の栄二(高橋克実)に見つかり、自身の身の上を話し行く宛もないと泣き出したケイをみて、同じ元旦に生を受け縁を感じたシズが女中として雇う事を決める。

一生、というように同じ俳優が子供から老人を一役でこなしていました。

当たり前ですが、本当に皆様役者！
子供時代は本当に子供に見えたし、老人は本当にご老人にしか視えないお芝居。
声色、姿勢、全てがパーフェクトでこれは中々ミュージカルでは観れない世界だなあ、とお芝居への興味が湧いてきました！
何より、所々にクスッと笑える場面があったのが
親しみやすかった。笑

出演者感想

《大竹しのぶさん》
言わずもがな、とても素晴らしかった。
筆者の語彙力では表現しきれない程の熱演でした。

私のしのぶさんの印象は、ドラマの中のイメージが強かったので、ケイの一生を自然に演じる姿を観て
「この人は、舞台の人なんだなあ」と改めて実感しました。

ケイの少女期からの成長過程が年代が移り変わるごとに変化していって、観ているこちらも感情移入できるシーンが多々あり。
一番印象的なシーンは1幕ラストの
「誰が選んだでもない、自分で選んだ道ですもの。間違いのないように生きていかなくっちゃ」(所々抜けてる)というセリフ。

ケイの人生にあらず、人一人の人生は全部人のせいではなく自分の選択。後ろを向かずに間違いと思わないように生きなければいけない、というケイの意志の強さ、後は奥様から託された堤家を守らなければという、義務感が現れていました。

筆者からいえば、言われる方も辛いけど言う方も辛いんだよ。(簡略しすぎた)

奥様から、伸太郎との結婚を懇願されるシーンでも
栄二への想いを断つために栄二から貰った櫛を割る、という行動も切なかった。
大きい家ほど、好きな人と一緒になることができない時代。実際にこうゆう想いをしたのはケイだけではないんだと想うとやるせなさを感じました。

《高橋克実さん》
今回、一番衝撃を受けたのが高橋さん。
なぜなら、筆者の中の高橋さんの印象は
『ショムニ』の部長、『梅ちゃん先生』の堅物お父さん、『ビブリア古書堂』のせどり屋の志田さん、極めつけは『トリビアの泉』『爆笑レッドカーペット』などの面白い高橋さんのイメージしかなかったので、今回のお芝居で高橋さんのシリアスな場面を多々観れて「このような振り幅ある役者さんだったと今更気づいてごめんなさい！」と過去の高橋さんに謝罪したかった。笑
冒頭、学ランを着て現れた時はオオッ！笑となりましたが、段々とそれが自然な姿に見えてきて
お芝居の魔力を感じました。

共産党員として逮捕されるシーンでの
感情の移り変わりが、観てる筆者もビクッとしたほど。それまでは、のらりくらりとチエさんやケイさんの質問に答えていたのに警察が上がってきた瞬間の表情の変化やケイの裏切り(とはいえないだろうが、栄二さんから見たらそうなんだろうなあ)に対しての諦めや失望の姿が。。初めて観る高橋さんだったので衝撃でした。

20年たって、ケイと再会した時に
女性のこれからの生き方も熱弁してる所は
ケイと同じく筆者も勇気づけられました。
高橋さんありがとう！！

まとめ

本当はもっと色んなキャストさんの感想あるのですが、いかんせん名優が多くて。風間さん、銀粉蝶さん、段田さんのベテランならではの深みや、若手の宮澤エマちゃんのお芝居力。
整理し始めると投稿が１週間くらい先になってしまうので一旦切り上げます！笑

今作品を、見た感想は

女の一生に終わりはないのだ

ということです。何度、苦しいことや悲しいことがあっても明日は来るし日常は続いていく。
何年、歳を重ねても女性は強く生きてかなきゃ男性と肩並べて生きてはいけないよね。とケイを観て勇気づけられました。
ケイや栄二さんのように何歳になっても強く前を向いて生きれる仁政を歩んでいきたいものです。

ではでは今回はこのへんで！