【スラムダンク】ダメな三井寿の人間くささが、我々の涙腺を大崩壊させる
こんにちは。
THE FIRST SLAM DUNKを観た興奮のまま会社の新卒くんに「ねーねースラムダンクって知ってる!?」とテカテカしながら聞いてみたら、「あー、聞いたことはある。バスケのなんかですよね。」とすごい真顔で言われて体温が2℃下がった38歳です。
バスケのなんか。
うん確かに間違ってないよ。
間違ってないけどさ……。
30~40代の少年ジャンプ世代の人、あるいはバスケットボールをやっている人にとっては言わずと知れた名作です。ですよね!?
映画公開初日、数年ぶりに目をキラキラさせて映画館へ馳せ参じました。
賛否両論ありますが、個人的には最高でした。
なんといっても「あの試合」が動いている状態で観れたことだけで感激だし、さらに新しいエピソードも織り込んでくれて、ババアは目頭が潤みっぱなしでした。
私の実家には、紙がすっかり黄色くなったジャンプコミックスの単行本が31巻そろっています。
何度読み返したか分からないですが、映画を観た直後、もう一度読みたくなり、満を持して新装再編版をポチ。
これ、いいですよ。巻ごとのストーリーのキリが良くて読みやすいし、表紙の絵が描き下ろしで新しくなってて、めちゃ格好いいです。
とにかく名場面・名ゼリフだらけのこの作品ですが、40代を迎えようとしている今、改めて読んでみると
どうも年代とともにグッとくるポイントが変化していることに気づきました。
我々を惹きつける、三井寿の「ダメさ」
10代・20代はまあビジュアルメインのお年頃なので、乙女な私もイケメンの流川くん一択だったわけです。
あとは翔陽高校の藤真とか、海南大付属高校の神さんとかに目がいきがちでした。(藤真も神さんも、カッコいいだけじゃなくてちゃんとバックグラウンドのドラマがあるんですけどね。そしてなぜ神さんだけ″さん”付けなのか自分でも分かりませんね。)
ですが、30代になってからは断然ミッチーこと「三井寿」なんです。
もうミッチーを思い浮かべただけで泣けそう。ミッチーしか勝たん。あと実はイケメンでもある。
なんだ、結局ビジュアルか?三井寿とはただの高スペック男か?
いえ、私は高スぺだからミッチーが好きなわけでは断じてありません。
ミッチーの魅力とは、「エリートが転落して、挫折と葛藤を経て復活する」それを体現しているところなのです。
彼はしくじり先生に出られるレベルの過ちを犯して挫折を味わうんですが、そこから仲間の助けを得てプライドを捨て、復活していくんですね。
作中でその栄光から挫折と復活までが描かれますが、もうUSJ並みのV字回復なわけよ。スゴイんだから本当に。
栄光の時代
ミッチーはもともと中学で名の知れた、技術もセンスも抜群のMVPプレイヤーでした。
高校はたくさんの強豪校から選べたはずなのに、弱小の湘北高校へ進学。
その理由は、中学最後の試合。
ここ一番で諦めかけていた時に、来賓席にいた安西先生が「あきらめたらそこで試合終了だよ」と声をかけてくれたから。
この言葉でミッチーは奮起し、その試合後にMVPとして表彰された。
そんな経緯で、安西先生のいるところでバスケがしたいと思ったミッチー。
中学に続き高校バスケ界でも大活躍、という華々しい未来しか見えていなかった中、ケガで前線を離れることになってしまいます。
挫折して、いじける時代
ケガで休んでいる間、同級生で自分よりヘタクソだったはずのゴリ(のちのキャプテン:赤木)がどんどん成長し活躍していく。
エースとしてちやほやされるのは自分だったはずなのに、チームの中心はいつしかゴリになっていた。
そんな光景を見ていられなくなり、いつしかバスケ部に姿を見せなくなったミッチー。不良学生になってしまいました。
バスケ部にはもう自分の居場所がなくなってしまった、きっとそう感じちゃったんだよね。。
で、悪友を連れて「バスケ部をぶっつぶしてやるハアハア」とか言いながら体育館に殴りこんでくるんだけど、ケンカの最中、恩師である安西先生が現れた瞬間に本音が溢れ出して「ぶわっ」とかいって泣き崩れる。なんという情緒不安定さ。
ここで、かの有名な「安西先生… バスケがしたいです…」です。
再スタート
こうして、髪を切り、ケンカで折れた歯も治してw、バスケ部に戻ってきたミッチー。
「ぶっつぶしてやる」だの「タマ入れ遊びなんかくだらねー」とか散々言ったり部員を殴りつけたくせに、これからはその人達とチームメイトとして一緒にプレイしていくわけで。
恥もプライドもすべて捨てての再出発。
若い頃に読んだ時はあんまり心に刺さらなかったけど、これってよく考えたらすごいこと。
自業自得と言えばそれまでかもしれないけど、ミッチーがグレたのって誰が原因でもないんだよね。皆それぞれ一生懸命だっただけ。
でも、誰も悪くないのに何故か運命は良くない方向に動いてしまう。
私たちの人生にもよくあることではないだろうか。
葛藤の時代
試合中にスタミナ切れになってしまったミッチー。
交代したコートの外で1人「なぜオレはあんな無駄な時間を…」と、グレてた日々を悔やみます。これも隠れた名ゼリフ。
この時に、「タバコは吸わなかったんだけどな…一度も」とも言っているんです。
不良として過ごしつつも、本当はいつかもう一度バスケットをしたいという思いを捨てきれなかった。だからいつか復帰できた時のために、タバコだけは手を出さないでおいた。
バスケへの思いが残っていたからこそ、ワルに振り切ることができなかったんじゃないでしょうか。
こういう人間くさいところが、40年近く生きてきたしがない人間の心に染み入るわけよ。。涙。
復活
みんなに頭下げてバスケ部に復帰したけど、スタミナ不足やらで思うようにチームの役に立てず、歯がゆさを感じることが多かったミッチー。
俺はこんなはずじゃなかったのに。。
もっと活躍して仲間にも安西先生にも恩返しがしたいのに。。
俺のピークは中学MVPの時か?
あの時に比べて衰えてしまったのか?
そんな思いが募っていきます。
でも、漫画での最後の試合となった山王戦で
安西先生とメガネ君(3年生の控え選手:木暮)が「そんなことはない」と語るシーンがあるのです。
これ個人的に好きなシーンBEST3に入るくらい好きなところです。
BEST3というか、第1位かも。
試合中、ミッチーのプレイを見ていたヤス(2年生の控え選手:安田)が
「中学の頃は今よりすごかったんですか?だとしたらとんでもない中学生だ…」
みたいなことをつぶやくんですよ。
それに対して、メガネくんが
「そう思ってるのは多分本人だけ。あいつは後悔の念が強い分、過去を美化し今の自分を責める傾向があるんだ」と答える。
それに続けて安西先生も
「三井君は、復帰当初は自分の可能性を信じていたかもしれないけど、ブランクを実感するたびにどんどん自信が持てなくなっていったんじゃないかな」と語る。
で、ミッチーの背中を見ながら
「……だが そろそろ 自分を信じていい頃だ…
今の君は もう十分 あの頃を越えているよ」。
しかもこのセリフ、安西先生がミッチーに直接しゃべりかけているわけではなくて。
昔はいがみ合ってたゴリにパスを出して、うまく連携している姿をベンチで見つめながらの語り、というところがまた泣かせるポイントなんです。
もちろん、このやりとりを聞いてはいないミッチー。
ゴリとのチームプレイで山王から点を奪うと、ベンチの安西先生と無言でガッツポーズを送り合う…。
私は毎回ここで涙腺崩壊マックスです。
まとめ
という感じで、グレたりケンカしたり部活を抜けたり戻ったり、ダメなところがたくさんあるミッチー。
そのダメな男が、恩師や仲間と少しずつ分かり合って成功をつかんでいく。そこには持って生まれたセンスと、成長した能力がきちんと備わっていた。
その過程を見てきた読者は、いつの間にか三井寿というキャラクターが大好きになっている。
彼が完璧なスーパースターではないからこそ、我々の心を震わすのです。
参考動画
最後に、著名人のみなさんの熱量溢れるスラムダンク愛を紹介します。
【初学者向け授業】
スラムダンクを全く知らない方はこちらをどうぞ。
【ファンの方向け】
スラムダンクファンの方はぜひこちらを。
個人的にスラダンを紹介している系で一番好きな動画です。ガチファンなら池崎さんと一緒に泣いてしまうこと間違いなし。
【おまけ】
あの田伏選手もスラダン愛を語っていました。
余談ですが、映画THE FIRST SLAM DUNK。
上映館の中では、映画の終了後にポカリスエットの缶が配られたところがあったそうです。
しかも「親指で開けてください」と注釈がついていたとか…
大塚製薬さん!ニクイことしすぎ…!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?