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春分に富士山

今日は春分の日でした。

子どもの頃は、祝日はただ学校が休みの日でしたが、いつからか、それぞれの祝日を、天体の動きや、文化歴史などの意味と共に楽しめる様になってきました。

今月2日しかない完全休日の内の1日が、ちょうど昼と夜の長さが同じになる「春分の日」に当たるので、陽の始まりにふさわしく自然の中で過ごしたいと、富士山近くの山中湖に行ってきました。

御殿場アウトレットの様に、目的地がたまたま富士山の近くということは今までにもあれど、富士山自体を目的にした事がなかったので、とても新鮮でワクワクしていました。

しかし、今まで何回か「偶然」富士山の近くに行った時には、雲一つかかっていない、完璧な姿を仰ぐことができたのに、皮肉なことに、富士山自体を目的にすると、雲の多い1日で、全景どころか、半分も拝むことができませんでした。

それならばと、計画変更して行った世界文化遺産の忍野八海が、それはそれは素晴らしかったです。

「富士山に降り積もる雪解け水が、地下の不透水層という溶岩の間で数十年の歳月をかけてろ過され、澄み切った水となり」(以上、引用)その湧水でできた池が、なんとも美しく。

私はこの景色を見るためにここまで来たのだ、と思わされるほどの感動でした。

青空や雲が写るくらい透き通った池を堪能し切った直後、バラバラと音を立てて、みぞれの吹雪が起こり、まるで気象のテーマパークにいる様な体験ができました。

旅は人生の縮図と言いますが、計画を立てても予定通りに行かないこともあるし、計画を立てていないと機会損失になることもあります。

計画通りに行けばラッキー、計画通りに行かなかったらもっとラッキー。

それこそ、まさに一期一会です。

「こうでなくてはならない」を手放した時に、世界は拡大していくのだと再確認させられた旅でした。

あ、そうか。これが、今回の旅のメッセージだったのですね。

というわけで、今、帰りのロマンスカーでビールを飲みながら書いています。

明日は、朝からオンライン授業とオンデマンド収録、出張ピアノレッスンに、アフタースクール特別企画、ピアノレッスンと夜まで仕事が続きます。

せめて、寝るまでは旅気分でいよう。

田中素子




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