見出し画像

会社員時代のこと

ジャックと音楽の木 田中素子です。

東京は桜が満開です。お天気が良くない日が続いているので、晴れていた昨日、お花見された方も多かった様です。

「ジャックと音楽の木」のスタジオは、日本有数の桜の名所 目黒川から近いところにあるので、昨日のレッスンは、花見客で道が混雑して、レッスンに間に合わない生徒さんもいらっしゃいました。

毎年同じ場所に同じ様に咲く桜の花なのに、毎年観たくなり、毎年写真を撮る人で溢れる事に、とても興味深い現象だなぁと思います。私もその一人です。

さて、あらゆるところでお話していますが、私の人生はとっちらかっています。

音楽、美容、金融、旅行、メーカー、投資会社と、あらゆる業界を、(教員免許以外の)資格や(音楽以外の)専門知識もなく渡り歩き、

仕事の内容も、講師、販売員、電話窓口、企画、営業、仕入れ、研究事務、経理、人事、役員秘書、経営企画と、様々でした。

容易に想像がつくと思いますが、どこに行っても「全く使えない人」からスタートしています。

すごい損失を出したり、お客さんや上司に怒られたり、なんでこんな質問するの?という顔をされたり、謝ったり、頭を下げてお願いしたり、色々と苦い思い出があります。

少しはその業界の勉強をしていけばいいのに、体当たりでぶつかってケガをしまくっていた様な気がします。

でも、実はそういった初期の頃は、あまりストレスを感じていませんでした。怒られる事よりも、思いもよらない世界で、新しい刺激を受けていられる方が楽しかったのです。

しかし、いざ仕事に慣れてくると、今度はどんどんとストレスが溜まってきました。どの会社にいても、どんな仕事をしていても同じでした。

これは、私の思考の癖というか、特性なのだと思うのですが、問題点を見つけ出すと改善策を考え始めるのです。思いつくまで、何をしていてもずっと考えているのです。

ところが、そんなアイディアは誰にも受け入れてもらえません。

今となると当然だと思います。学歴もキャリアもなく、ついこの前まで、業界や職種について、何にも知らず何にもできなかった、20〜30代の女性です。聞いてもらえるはずがありません。

それでも考えてしまうのです。

どうしたら状況が改善できるのか、問題が解決できるのか、

考えるなと言われても、考えてしまうのです。

その内、ストレスフルになってしまい、どうやって自分の心と現実に折り合いをつけて生きていけばいいのかを考え始めます。

そして、いつも行き着く先の結論は、

「仕事に興味を持たなければいいんだ。」

でした。

何とも極論ですが、本気でそう考えていました。でも、これは性分なので、簡単に興味を持たずに仕事をする事が出来ず、結局我慢したり、不満を抱えて生きていく事になっていました。

そのアイディアが、本当にいいものであったのか、問題を解決するものであったのかは、分かりません。ただ、試してみたかったのです。

今となると、なかなか傲慢で身分不相応だったなぁ、と思いつつも、あらゆる業界のあらゆる職種から、その時々の問題に対して真剣に考える経験は、今の自分に必要で大切な経験でした。

もし、私が起業しなかったら、あのままの延長線で生きていたら、転職を繰り返し、会社に不満を訴えるか、感情を殺して生きている毎日だったと思います。

たらればはないと言いますが、宿命というべき仕事に出逢う、人生のターニングポイントを迎えられて、本当に良かったです。

今は、ありがたい事に、私のキャパを越えるほどの規模になってきていて、時折「ここまで広げる必要はあるのかな?」と思う事もあります。

しばらく潜めていた、ハイブランドなものを手にしたり、思いっきり贅沢な事をしたいという欲求も出てきています。たくさんのお金を自分のためだけに使いたくなる時があります。

一生に一度くらい、当たり前の様に高級品を享受できる暮らしをしてみたい。

でも、そのために貯金をしたり、本当に買ってしまう事はせず、

一方で、新しいスタジオ契約に大きなお金を使ってみたり、新しい企画を立てて実際に動いてみたり、結局、本当に欲しい現実のためには、躊躇することなく進んでしまいます。

何にもなかったところに、老若男女問わず、たくさんの人が集まってくれて、そこに音楽と笑顔が溢れている。

そんな世界が、私から始まっている事。それを作り出せた事。その世界が広がっていること。

また新しい世界を生み出せる事。

それは私に、シャネルのバッグより大きな喜びをもたらしてくれます。

もっと違う事に喜びを見出せる私だったら、もっと男性からモテていたかもな、と思いつつも、やっぱり、どの時代を振り返っても、今が1番幸せです。

ありがたいです。

田中素子



生徒さん達をもっとHAPPYにする活動に使わせていただきます☆