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フィジカルで聴く 90年代の邦楽 ⑦(バンド編 98年~99年)

フィジカルで聴く90年代の邦楽、いよいよ最後第7弾バンド編98年~99年です。クラブ・ミュージック編から男女ヴォーカリスト、そしてバンド編と今回noteを書くために久々に聴き返したアルバムも多く、それが懐かしくもあり楽しかった。ここ数年はあまり邦楽を聴かなくなっていたので、これを機に懐かしい邦楽を聴きつつ、新たな情報を更新していきたいと思う。



SPANOVA Dead Music Flamingo(98)

軽やかなジャケ
彼らの自宅兼レコーディングスタジオ。

兄弟ユニットのスパノヴァ1stフルアルバム。音楽性の幅は広く、この頃はアシッド・ジャズやファンク、ソウル、ロックを基調としたサウンドだが、近年はエレクトロニカ的な音が多いようだ。
当時よくアルバム収録されている「魂は木の葉のように」「僕らの孤独はタンバリンを鳴らす」「朝のテーブルに足りないもの」をリピートしていた。
この不器用そうなボーカルが好き。
「魂は木の葉のように」

「朝のテーブルに足りないもの」



ZEPPET STORE ROSE(98)

「Rose」「Loop」収録のオリジナルアルバムが見つからない😅絶対に持っているのに…。
仕方がないのでシングルとベスト・アルバムを。
参加アーティストの欄は自分にとってかなり重要。フィジカルの楽しみ。

このバンドなんでブレイクしなかったかなぁ。hide のプッシュもあり、曲もよく、邦楽離れしたUK本場のようなサウンドに、こんな日本人バンドいるんだ!と興奮したのを覚えている。全曲英詞の『716』から好きで、その後『CUE』のリリースを経て、「LOOP」のシングルがリリースされたとき、おおっ!売れるかも!と思い「ROSE」でキタ~!!と、確信した。それがいまいち売れず…。今聴いてもやっぱり格好いいんだけどな。今でも今現在最後のアルバム「Revers」までよく聴いている。
「ROSE」

「LOOP」



グレイプバイン 退屈の花(98)

キレイなジャケよね。
センスはいいが、このフォント読みにくい😆クレジットの内容あまり読めず。

大好きなデビューアルバム。癖になる田中和将の歌声と骨太なロックサウンド、そして文学的な歌詞と耳に残るメロディ。ロックンロールな曲もミドルバラードもめちゃくちゃ良い。アルバム1曲目「鳥」のイントロギターからやられるが、2曲目「君を待つ間」のメロウ過ぎないミドルチューンが本当に良い。ラスト「愁眠」も素晴らしい。ちなみにアルバムジャケもすごく好み。
「君を待つ間」



バッファロー・ドーター New Rock(98) 

凝った作りのジャケはフィジカルならではの楽しみがある。
海外アーティストのような解説付き。8cmCDかと思いきや、透明部分がある通常サイズ!

98年からこんな音鳴らしていたことが今思うと驚き。個人的には、日本一オルタナティブなバンドだと思っている。チボ・マットと共に世界に通用する真の日本のオルタナバンド。メロディよりも音、音よりもグルーヴ、それほどバッファロー・ドーターのミニマルなグルーヴは圧倒的な心地よさを与えてくれる。ロックで踊るには最高のバンドだと思います。
「New Rock」



ズボンズ Let It Bomb(98)「Mo` Funky(Pt1)」

独特のジャケがキモチワル。
メンバーがこうやって写っている歌詞カードを見るのも好き。

ズボンズはこの1枚しか聴いていないが、とても良く聴いた。激しいロック調の曲はそこまで好みではなかったが、この「Mo`Funky」や「Pleasure Drop」なんかのちょっと黒い音が好きだった。
※このアルバムのバージョンはサブスク未解禁!
「Mo` Funky(Pt1)」



オセロケッツ パックザケッツ (98)

なんか強烈にインパクトあるジャケ。
なぜ剣道なのか?歌詞カードもジャケをいくつか変更できるような仕様になっている。

オセロケッツもいいバンドなのだけど、売れた!という印象は無い。実際僕もこの1stはすごく好きだったのだけれど、他のアルバムを聴いていない。このアルバムの曲は「しゃけのうた」「マフユ」など好きな曲だらけなのだけど、その中でもこの曲は特に好きだった。なんとなく、ジェリーフィッシュのようなバンドだなぁ、という印象を抱いていた。
「アンサーソン」



スーパーカー スリー・アウト・チェンジ(99) 

シンプルなジャケ。
ライナーノーツのようなコメントが、この二人から。

ドラムがしっくりこないバンドは基本的に聴かなくなってしまうのだけれども、唯一う~んと思いながらも聴き続けたバンド。このデビューアルバムもすごく好きだけれども、最終一番聴いたのはラストアルバム?『ANSWER』だったかも。でもこの初々しい1st、やっぱり好きでたまに聴きたくなる。そんなときはこの曲。
「Luck」



チボ・マット STEREO TYPE A(99) 

ジャケも最高に格好良い。
バッファロー・ドーターと同じく、まるで海外アーティストのようなライナーノーツ。

バッファロー・ドーターと並んでこの時代に世界の舞台でしっかりと活躍していたバンド。97年にはメンバーにティモ・エリスとショーン・レノンが加わり、メンバー構成もインターナショナルなバンドとなった。Yuka Hondaのプロデュース力やMiho Hatoriの歌が良い。この曲は当時CDウォークマンで超ヘビロテしていた。
「Flowers」



空気公団 くうきこうだん(99)

大好きなジャケ。とても秀逸な構図だと思う。空気公団の音にリンクする。
「レモンを買おう」のドラムは太田宏司さんか!

橋の欄干に停められた郵便配達の赤い自転車が、潤う緑の中に佇むジャケが印象的な空気公団の1stアルバム。インディーズでの録音だろうか、はっきり言って音も悪いし曲によっては演奏力も微妙なものもある。
でも心に刺さる。寄り添う歌に心が暖かくなる。
この曲を聴くといつだってあの頃の切なくて暖かい感覚が蘇る。

その言葉の影にひそむ
わずかな声を僕は感じとる
そして二人は黙り込んで
少し優しくなれるんだ
~ 中略 ~
 何の意味もなく生きているようで
 いつでも何かを忘れてはいなかった

レモンを買おう

「レモンを買おう」



Port of Notes Complain too much(99)

顔ジャケの中でもかなり好きな構図と色。
リトル・クリーチャーズの面子が参加している。

大好きなバンド、リトル・クリーチャーズのメンバーが参加していることもあり、聴き始めた。でも聴き始めてすぐにそんなことは関係なく、ポート・オブ・ノーツというユニットそのものがたまらなく好きになった。「You Gave Me A Love」「It`s Gonna Never Change」「僕の見た昨日」奇をてらわない、ただただ良い曲。そしてハリのある伸びやかな畠山美由紀の歌声。
落ち着くなぁ。晴れた日に車の窓を開けて海沿いの道を走りながら聴きたい。
「You Gave Me A Love」

フィジカルで聴く90年代の邦楽⑦(バンド編 98年~99年)。シリーズ第7弾までで一通り90年代の邦楽を振り返ることができた。自宅にあるCDやレコードの1割程度が邦楽で、その持っている邦楽の8割近くが90年代のアルバム。そう思うと、どれだけ自分にとって90年代の邦楽が身近だったのかがよく分かる。あの頃のように、これからはもう少し国内のアーティストにも目を向けて、色々と素晴らしい音楽をもっともっと聴きたい。


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