きのうときょうの君


なんて幻想的なんだろう

そう思った途端 周囲の建物や人の声でかき消された

シャリ… シャリ…と

シャリシャリと
地面や傘の上に乗っかってく

シャリ…シャリ… と聞こえる

シャリシャリと
服についても すぐ溶ける

なんて 幻想的なんだろう

シャリ… シャリ…
音を聞きながら 職場へ向かう
きのうの君 ~誰かのエールとともに~
・・・

なんて 幻想的なんだろう
その表現はきょうの君には似合わないな

ぴとっ…ぴとっ…

髪の毛や服にまとってくる
風によって 上下 斜めに舞われながら容赦なく向かってくる
ぴとっ… ぴとっ… て音が聴こえそう

ぴとっ…ぴとっ… 時にはぺしゃ…と
地面に吸われる

なんて幻想的なんだろう
傘ささないで見つめてた
きょうの君は なんの曲がお似合いかな

ぴとっ… ぴとっ…そして 今日も現場に向かう
きょうの君 降っては溶けて きみは いつも忙しそうだ
いつも お疲れさま

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