備忘録

だめだね、なんか。

つい先月、大学生になってさ、念願の一人暮らしよ。「やったあ、おれはついに自分のやりたいことを自分のやりたいがままにできるんだ!」なんて舞い上がっちゃってさ。ホントばかみたい。

部活も調子乗って運動部入ってさ、案の定練習しんどいじゃん。洗濯とか大変だしさ。

先輩のバイクの後ろ乗せてもらって飯まで奢ってもらっちゃった。1,300円くらいのトンカツ定食。美味かったなあ。

先輩にコンビニでアイスまで買ってもらってさ、チョコミントのピノ食べながらさ、「あ、なんか青春ぽい」って。おれは自分のことを穢い人間だと思ってたんだけどさ、意外と普通で、デカいと思ってた悩み事も案外しょぼくて。「青春ぽい」って日々を感じることができる程度にはスレていなかったんだ、って。これって失望なのかな。

第1志望の大学には落ちて、後期受験で学部が同じなだけの全然違う大学に来て、既に色んな人に会ったけどさ。おれが第1志望に合格してたら彼らには会えなかったんだろうな、なんて、そんなことは確か高校生になった時にも思ったはず。

ほんとに凡人でだめなやつだね、おれは。

料理が結構楽しい、なんて言って。洗い物は大嫌いなくせに毎日フライパン使ってさ。買い物も下手くそだし。じゃがいも、また芽が出てるじゃん。

ひとりじゃ結局何にもできないね。まあ、それが分かっただけでも立派か、って。まあでも、4年もありゃいつかできるようになるかね。これからしばらくよろしくな、7.5畳の安アパート。

そんなこんなでさ、忙しいのよ、結構。だからさ、ものを書いたりはなかなかどうして、余裕がなくてさ。

そう思ってたんだけど。

気を抜いたら頭にフッと湧いてくるんだよね。「あっ、こういう場面、小説書く時とか使えそう」みたいな感じで。ばからしいよね。結局呪縛みたいなもんなんだ。

おれは自分の感情を文字に起こしてみないと上手く処理できないのかもしれない。もしくは、おれの感情を文字にして誰かに見せてやりたいだけかもしれない。どっちだって、みんなには関係ない。実際、おれからしたってどっちでもいい話だ。

高校生の頃好きだった人(少なくとも、おれはそう思っている)とまだ未練がましくLINEしてるんだぜ。女々しいだろ。そんでな、「あぁ、おれって幸せなのかもなあ」って、7.5畳の真ん中でぼんやり思うんだ。動物園で笹食ってるパンダみたいな座り方しながらな。

backnumberの曲をヘビロテして、「あ、これ、おれに言ってる」「あ、これも」って。女々しいよな。

でもさ、今すっごく充実してるな、って、思うんだ。彼女なんて到底できそうにもないし、物理はさっぱり分からないし、バイトも面接落ちたけど、そんな中でも、おれは今のところ、おれの両の掌からこぼれ落ちそうなくらいには幸せを貰ってるな、って思うんだ。

誰に貰ってるのかはわかんないんだけどさ、もしかしたら過去のおれから貰ってるのかもね。ちょっと後ろ振り返ったら、「おっ、結構高いとこまで登ってきたじゃん」って思うくらいには頑張ったんじゃないかな。まだ酒も飲めない年齢のくせによく言うぜって感じだけど、やっぱり、一回自分の歩んできた道のりを振り返ってみるってのは大事だと思うね。

おれ、『ハイキュー!!』はほぼ全話読んでるんだけどさ、その中でも『ハーケン』って回が一番好きなのね。ネタバレになるからあんまり中身は言えないんだけど、そのハーケンってのは登山道具で、垂直な岩の壁とかに打ち込んで、登るための足場にするんだってさ。それを踏みしめて、掴んで、上へ上へと登っていくわけだ。

このnoteには『備忘録』なんてしょうもないタイトルつけたけどさ、ホントのこと言うなら、これは備忘録というより『ハーケン』だね。

この先ずっと壁を登っていかなきゃならなくてさ、多分しんどくなるのよ、めちゃくちゃ。そんな時にさ、これ読み返したら、「うわ、うわうわ、そういや、おれめちゃくちゃ恋してたわ」とかさ、思えたらさ。なんか頑張れるんじゃないかな、って。

そういう意味で、これはおれにとってのハーケンになればいいなと思う。でも、『ハーケン』なんてかっこつけたタイトル、おれには似合わないし、小っ恥ずかしいから、このnoteのタイトルは『備忘録』でいいんだよな、うん。

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